フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月10日(火)晴れ(松本)

2019-09-11 22:01:06 | Weblog

8時、起床。

昨日に続き、起き抜けのリアルタイムの『なつぞら』である。

シャワーを浴びてから、今日は朝食を「まるも」に食べに行く。一ッ橋の袂にある老舗のカフェである。創業は1956年だから私とほぼ同い年である。なお、母体である「丸茂旅館」(カフェの裏にある)は150年前の1868年の創業である。 

空いている時間帯で、「どうぞお好きな席にお座りください」と言われる。ひとり客だと、空いていてもカウンター席に誘導しようとするカフェもあるが、そういう効率主義はカフェという空間にふさわしくない。座りたいところに座らせてほしい。入口正面の壁のところの4人掛けのテーブル席に座る。

モーニングセット(コーヒー、トースト、サラダ)+アイスミルク(別に注文)。これでコーヒーが紅茶だったら、私のいつもの朝食に近い。 モーニングセットは550円でお得感がある。アイスミル(400円)を追加するとお得感は目減りしてしまうが、洋風の朝食に牛乳は欠かせない。トータルで1000円以内に収まるわけだから、朝からたくさん食べたいという人でなければ、ホテルのお仕着せのビュッフェ形式の朝食より安上がりですむ。そして何よりも松本民芸家具で統一された空間はくつろげる。

トーストは予想していたらより大きい。このトーストは人気があるようで、「本日はトースト完売しました」と貼紙が昼過ぎには入口に貼ったあることが多い。 

ホテルに戻り、荷造りをして(寝る前にほぼ済ませておいた)、チェックアウトの時間(12時←会員なので1時間の延長は無料)まで昨日のブログを書く。荷物(キャリーバッグ)をフロントに預け、最終日の街歩き(カフェ巡り)に出かける。チェックアウトした後も荷物を預かってくれるサービスはありがたい。チェックアウトした後はもう客ではないのだから、チェックイン前の荷物の預かり(=チェックイン時には部屋に入れておいてくれる)とは意味が違うわけで、本当のアフターサービスである。安いビジネスホテルだとこのサービスがない場合もあり、そうなると、荷物を持ってホテルを出て、駅まで行ってコインロッカーに荷物を入れてから、街歩きを始めないとならない。 

高砂通りから街歩きを始める。 

アガタ書房(古書店)の前を通る。街歩きの最初に本を購入する(荷物になる)のは愚かなことである。だから店内には入らない。入ったら何か買って出ないとならなくなる(私の流儀である)。

だから店頭の105円均一の棚だけ眺める。心惹かれる本が3冊ほどあった。すべて単行本(軽い文庫本でなく)である。

 フィリップ・ロス『背信の日々』(集英社、1993年)

 ハリソン・E・ソールズベリー『ヒーローの輝く瞬間(とき)』(NHK出版、1995年)

 川上弘美『ハヅキさんのこと』(講談社、2006年) 

後で買うことにして、3冊を同じ場所に並べておく。もし戻ってくるまでの間に誰かに買われてしまったら、それはしかたない。古本は天下の周りもの。 

高砂通りをさらに進む。 

前回来たときにお店の方と親しくなった「田園ベーカリー」。 

しかし、シャッターが降りている。

残念、火曜日が定休日であったか。「山山食堂」同様、次回は必ず雇用。

高砂通りの一番奥にある蕎麦屋「源智のそば」。 

ここで昼食にしよう。私がこの店に毎回(たいてい)来るのは、ここが刺繍作家のyanyanさんとご縁のある店だからということがある。いまは彼女、育児中で作品の制作はスローペースだが、毎年、「工芸の5月」(5月の最後の週末)にはこのお店の入口横のガレージスペースを借りて出品をしているのだ。(下の写真は2017年5月のときのもの)

 注文するものは決まっている。

えごまそば。 

わさびのみそ漬け。

桜えびのあきあげ。

以上。 

注文したものが運ばれてきた。 

桜えびのかきあげ。上に大根ころし、下に天つゆ。サクサクである。 

わさびのみそ漬け。きっと酒飲みにはたまらないだろう。酒を飲まない私だってたまらないのだから。 

ざるそば。 

つけ汁にえごま(シソの実を擦ったもの)を入れていただく。 

山の方から雲が湧き出ている。 

今日も「宝来屋」に暖簾が出ている。ラッキーだ。 

今日は女将さんでもおやじさんでもなく、中年の女性(娘さんだろうか)が店頭に出ていた。帰りの電車の中で食べようと名物の「寿命餅」を買った。そして、これからうかがう「Chiiann」のご夫妻に差し上げる豆大福と草大福を買う。昨日、私がここで豆大福と道明寺を買えたという話をしたら、奥様が羨ましそうにしていたので。

一ッ橋の袂(「まるも」とは反対側)にある旧市庁舎ビル。いまは商業施設になっている。 

この一階にあるカフェ「セラミカ」。 ポーランド陶器の輸入代理店「セラミカ」がやっているカフェ&レストランである。同じフロアーに商品も展示されている。

 ホテルのロビーのような雰囲気。松本カフェめぐりの穴場的存在である。

席に着くとコップと水差しが運ばれてくる。水差しも店員さんの立ち居振る舞いも洗練されている。 

ロイヤルミルクティーを注文。 もちろんカップと皿はポーランド製。

一緒に付いて来たのは蜂蜜。ベトナム産とのことだったが、これを加えて飲むと一味、いや、二味違った。とっても合う。

ここでは日記を付ける。おしゃべりカフェではなく、もの思いカフェとしての「セラミカ」である。 

陶器は昨日「グレイン・ノート」で購入しているので、ここでは文具コナーでノートを購入。ポーランドを感じさせるデザインだ。 

「アガタ書房」に寄って例の3冊の本を購入してから「信毎メディアセンター」へ。ここのロビーはフリーWi-Fiが使えるので、ブログの続きを書くことにしよう。 

信濃毎日新聞だけでなく、主要な全国紙が閲覧できる。 

このスペースが自由に使える。

 

ただでは申し訳ないという気持ちもあり、売店でリンゴジュースを買い求めた。

中町通りへ。 オォ・・・

近年、東京では見る機会が少なくなった(と私は感じる)大きな大きな入道雲。 

  「いま、大きな入道雲が出ています」と「chiiann」の奥様に教えてさしあげたが、とくに珍しくはないようである。 

スープとパンを注文。夕食の序曲のようなものである。 

中煎りコーヒーのブレンド。 

三日連続、同じ席から店内を眺めている。それぞれの店にはそれぞれの風景があるが、私にとっての「chiiann」的風景がこれである。

これも「chiiann」的風景かな(笑)。秋が深まった頃にまた来ますね。

これは今夕、一雨来そうだ。できれば私が午後6時40分松本発のあずさ32号に乗るまで待ってほしい。

いつもは「chiiann」が松本旅行最後のカフェになるのだが、今日は都合があって。「栞日」が最後のカフェ。 

「栞日」的風景がこれだ。 

クーラーのない店内では、扇風機の側のテーブルが特等席だ。3日間で4杯目のアイスジンジャエール。 

今回、「栞日」を最後のカフェにした理由が、これだ。

奥様特製のフォーと揚げ春巻き。ギャラリーで展示中の写真展(疋田千里「お箸のある風景」シリーズ、今回はベトナムと香港)に合わせた期間限定メニュー。これを本日の夕食としたかったのだ。 

香草がたっぷり載っていて麵が見えないが、平打ち麵を使っている。 

揚げ春巻き。決めてのソースも美味しい。 

食事は一階の席に移って食べた。そこにあった写真集『pegasus』01(創刊号)を購入。 

今日は菊地さんの33回目の誕生日だった。おめでとうございます。33歳ですか。お若いですね。8月17日が「栞日」の6周年でしたから、開業のときは26歳だったわけですよね。すごい。心からそう思います。これからも松本のカルチャーを牽引していって下さい。応援しています。 

昨日のブログの記事をアップしてから、午後6時過ぎに店を出る。特急の発車まであと30分だ。 

ホテルに預けていたキャリーバッグを受け取り、ロビーで詰め替え作業して(今日購入した古本や雑誌、ノートPCなどはキャリーバッグに入れる)、松本駅へ。ただいまの気温は29度と表示されている。

発車まであと10分。半日歩いて汗になったシャツとインナーをトイレでTシャツに着替える。これで新宿までの2時間半を気持ちよく過ごせる。  

来るときはいつも満席だが、帰るときは隣の席はたいてい空いている。今日もそうだった。

「宝来屋」の寿命餅(あんころ餅)はワンパック5個入りで、一人で食べきれるかしらと思ったが、美味しくて、ペロリ食べててしまった。これが本日の夕食シリーズのデザートである。できれば写真に撮りたかったが、持ち運んでいるときにつぶれてしまい、こんな写真を載せたらかえって「宝来屋」のマイナスになると判断した。それにしても「寿命餅」とは面白いネーミングである。「長寿」ならわかるが、「寿命」には長短あるから、食べても長生きするとは限らないのではないかしら(余計なお世話ですが)。 

予定通り午後9時ちょっと過ぎに新宿駅着。東京の夜は蒸し暑い。 

帰宅したのは10時ちょっと前。

不思議だったのは、旅行前日から今日までの間、耳鳴りが文字通り鳴りを潜めてくれたこと。気圧のせいかもしれない。そうでないとすれば、気分的なものが作用しているということかしら。明日から原稿の日々(残り1週間)に戻るが、耳鳴りも復活するのだろうか。

2時15分、就寝。