フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月29日(金) 晴れ(京都旅行一日目)

2019-12-02 18:36:10 | Weblog

7時45分、起床。

トースト(一口かじってます)、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

 

 9時前に家を出る。品川発9時27分ののぞみに乗車。

この冬晴れを待ちかねていた。 

京都には11時半頃着。 

昼食は「松葉」のニシン蕎麦そばと決めていた。南座に隣接した本店に行くつもりだったが、駅構内に出店していたので、ここで食べることにした。 

「松葉」のニシン蕎麦を初めて食べたのは高校の修学旅行の自由行動のときだったと思う。以来、ファンになった。

蕎麦の下にはニシン棒が一本、二つに切られて入ってる。茅野の「香草庵」でよく食べる冷やしニシン蕎麦は「松葉」のニシン棒を使っている。 

駅からホテルまでは、グーグルマップによれば、徒歩36分。地下鉄烏丸線と東西線を乗り継いで行けば半分の時間でいけるが、腹ごなしの散歩がてら歩いて行くことにする。 

東本願寺の前を通る。 

急がなくてはならない理由はないので、ちょっと寄って行く。 

東本願寺は大きな寺としては京都駅から一番近い場所にある。 

京都に来たときは最初あるいは最後に立ち寄ることが多い。 

 通り(烏丸通り)に戻る。

 途中で東の路地に入り、北東方向にジグザグに路地を歩いて行く。

鴨川に出る(三条大橋)。 

川端通りを上がる。 

河原に降りる。

見事な紅葉だ。

赤黄色(あかきいろ)落葉拾って京の旅 たかじ 

 川の中で鷺が魚を獲っている。

天気は晴れときどき曇り。陽が当っているときは暖かいが、陰ると風を冷たく感じる。東京よりも寒い。もちろんこれは序の口で、京都の冬の寒さは格別と聞いている。

 まだまだと寒さ自慢の京都人 たかじ

 

四条大橋を渡り、四条河原町方面へ。

振り返ると南座とその隣に松葉本店が見える。 

高瀬川のほとり木屋通りを上る。 

ホテル(ユニゾイン京都河原町四条)に到着。6月に卒業生のユカさん(論系ゼミ4期生)の結婚式で神戸に行ったが、そのときユニゾイン神戸三宮を使い、会員になっている。 

チェックインの時間(2時)までまだ1時間ほどあるので、荷物だけ預かってもらうつもりだったが、会員は1時からチェックインできますとのことなので、そうすることにする。 

リュックからノートパソコンや衣類を出し、しばらく休憩。 

3時近くに、財布とカメラをダウンコートのポケットに入れ、襟巻をしてホテルを出る。

新京極通りにある「コエ・ドーナツ」。

ここで卒業生のユミさん(論系ゼミ1期生)とお母様と待ち合わせる。店はユミさんが予約しておいてくれた。彼女と2週間ほど前に「パン日和あをや」+「くもい」で秋カフェをしたときに、偶然私と同じ時期に彼女がお母様と京都旅行をすることになっていることがわかり、では、3人でどこかでお茶でもしましょうとなったのである。

 カウンター席に並んで座り、注文したイチゴとホイップクリーム入りのドーナツが目の前で作られる様子を眺める。

 ドーナツは何種類もあるが、この「ドーナツメルト」というのが看板メニューのようだ。美味しく、かつ、インスタ映えがするとなれば人気があるのもうなづける。

 お母様のアケミさんとは初めてお会いする。卒業生の親御さんとお会いするのは、たいてい結婚式のときで、こうしてプライベートで会うのは珍しい。というか、おそらく初めてではなかろうか。ご本人の希望でお顔は出せないが、上品でお美しい方である。二人はいわゆる「友だち親子」で一緒によく出掛けられるそうだ。

お母様に写真を撮っていただく。 

お母様がユミさんに「私は先にホテルに戻るから、ユミは先生と京都カフェ巡りを楽しんでね」と言ったらどうしようかと思ったが、もちろんそんなことはなく(笑)、お二人とはここで別れた。ドーナツとお茶はユミさんのおごりで、しかもお土産までいただいた。ちなみに「クルミッ子」は京都のお菓子ではなく、鎌倉の銘菓である。

 ごちそうさま。楽しいひとときをありがとうございました。

一旦、ホテルに戻る。時刻は午後4時半、そろそろ暗くなる。夕食までの時間をどう過ごそう。行きたい場所は2つあった。一つは銀閣寺の近くにある「善行堂」という古本屋。店主の山本善行さんとは面識はないが、関口良雄『昔日の客』の存在を「夏葉社」の島田潤一郎さんに教えて、復刊のきっかけを作った人である。という話をカフェ『昔日の客』の関口さんご夫妻からうかがっている。話好きの方だから京都に行ってお時間があったら行ってみて下さいと言われた。もう一つは青蓮院。高校の修学旅行の自由行動のときに初めて訪れて好きになった寺で、その後、何度か訪れている。グーグルマップで調べると、ホテルから善行堂までは徒歩50分(バスを利用すると20数分)、青蓮院までは徒歩22分(バスを利用すると10数分)だ。迷ったが、青蓮院に行くことにした。「善行堂」のご主人の本、山本善行・清水裕也『漱石全集を買った日』(夏葉社)をまだ読んでいなかったという理由が大きい。新幹線の中で読むつもりでリュックに入れて来たのだが、車中、居眠りをしてしまい、読めなかった。これではインタビュー相手について下調べをしないでインタビュー取材をしようとするライターみたいで失礼であろう。「善行堂」訪問は別のまたの機会にしよう。 

三条大橋を渡る。

昼間よりもだいぶ冷え込んできた。 

町中を歩いていたら銭湯らしきものがあった。心惹かれたが、銭湯に入って出て来たら湯冷めをして風邪を引いてしまうことは必定である。 

青蓮院に着いてみると、門が閉まっている。貼紙には午後4時半でいったん拝観受付は終了し、夜間拝観(ライトアップ)は午後6時からと書いてある。あと30分ある。 

 寒い中、門前で待つのは辛いので、近所の「けんろく」というカフェに入る。「おぜんざい」という文字に惹かれたのだ。

入口横の丸テーブルに座り、おぜんざいを注文する。 

焼いた餅が二つ入っている。私の(関東の)感覚だと田舎汁子である。よい塩梅の甘さで美味しい。そして体が温まる。

後から入ってきた女性客(常連さんのようである)がオムライスを注文する声を聞いて、私も食べたくなった。夕食は青蓮院を拝観した後に「松葉」本店で鴨南丼を食べるつもりだったのだが、それは明日にしよう。 

6時になったので、カフェを出て、門前に行くとずいぶん列ができていた。 

久しぶりの青蓮院である(夜に来るのは初めて)。 

寝殿前の庭。青い光でライトアップされている。「青蓮院」だから「青」なのかしら。 

建物の中を移動する。 

脱いだ靴はビニール袋に入れて持ち歩く。 

華頂殿から相阿弥の庭を観る。 

庭に降りてみる。 

龍神池。

見事な枝ぶりだ。

 この佇まいには既視感があった。高校の同級生数人と写真を撮った場所ではなかろうか(帰宅後、その写真を探したが見つからなかった)。

竹林の方へ。 

なかなか幻想的な光景だ。

小御所を見下ろす。

寝殿前の庭の側から。 

帰りはちょうど門前から出る循環バスに乗れた。ホテルの近くで降りる。 

ホテルの前のビルの地下は「丸善」の京都本店である。梶井基次郎の小説「檸檬」の舞台となったのは1907年に三条通麩屋町に建った初代の店舗である。

写真は「丸善」京都本店のホームページから拝借。しばし滞在する。

 

ホテルの近くの「ケンタッキー」でプライドチキンを2ピース買い、部屋で食べる。

明日の句会(吟行)に備えて歳時記をパラパラとめくる。 

ユミさんからいただいた「クルミッ子」を摘まむ。 

1時半、就寝。