フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月16日(月) 晴れ

2019-12-17 22:09:50 | Weblog

9時半、起床。

トースト、ハム&エッグ、牛乳、紅茶の朝食。

一昨日、カナエさんからいただいたお煎餅を食べる。 

しっかり海苔で巻かれている。 

しっかりと焼かれている。彼女の地元(九段)にある 「さかぐち」というお店の煎餅である。お母様が持たせてくれたそうである。

12時半に予約している整骨院へ。 

治療が済んで「そば新」で昼食。 

天玉うどん。ブログによく登場する飲食店でまだ卒業生を連れて行ったことがない(「行きたい」という卒業生がいない)店というのはここと牛丼チェーン店くらいではなかろうか。でも、立ち食い蕎麦屋だからといって侮ることなかれ。ここは汁がうまい。とくに生卵と渾然一体となったときのうまさは他店の追随を許さない(力んで言うほどではないか)。 

今日は眼鏡の修理に綱島まで行くのだが、その前に寄っておきたいところがある。大井町線の九品仏(くほんぶつ)に行く。この駅で降りるのは初めてである。上りと下りの線路に挟まれる格好で駅舎があり、改札を出ると、左右に踏切がある。こういう構造の駅は最近は珍しいのではなかろうか(そうでもないのかな?)。

 

 改札を出て、左の踏切を渡ると、目の前に「浄真寺参道」という石柱が立っている。後ろの建物は交番である。 

九品仏という駅名は「九品仏浄真寺」から取っている。浄土宗の寺である。「九品仏」とはどういうものかの説明は後ほど。 

今日、ここを訪れたのは、土曜日に早稲田社会学会の理事会で那須先生にお会いしたとき、「大久保君、九品仏にある浄真寺というお寺を知っている?」と聞かれ、「いいえ」と答えると、「いまね、紅葉がとても見事なんだ」と言われた。「そうなんですか」とそのときは答えたのだが、翌日、那須先生からメールが届き、「九品仏浄真寺の紅葉、一週間ほど前に比べると、やや色もあせ、落葉も始まっていますが、あと2、3日は楽しめるのではなかろうかと思いますので、もし時間が取れれば早いうちに」と重ねてのおススメだった。那須先生は九品仏のお隣の尾山台にお住まいだからよくワンちゃんの散歩がてら行かれているのだろう。「ありがとうございます。明日は大学に出る用事はなく、天気もまだよさそうなので、行ってみようと思います」とお返事した。 

境内は広い。絵の下方が参道。

総門をくぐる。額に「般舟場」と書かれている。「般舟」(はんじゅ)とは念仏のこと。ここがひたすら念仏を唱える(念仏三昧)道場であることを意味している。 

総門をくぐるとすぐ左手に閻魔堂がある。 

閻魔様の写真は同寺のホームページから拝借。

 

左手、紅葉の向こうに山門を見ながら歩く。

那須先生のメールにあったようにたしかにだいぶ落葉が進んでいる。しかし、私は上を観れば紅葉や黄葉、足元を見れば落葉という風景が好きである。 

 ピークは過ぎているとはいえ冬の午後の陽射しを浴びる紅葉は十分に美しい。

 山門をくぐる。 

山門は仁王門とも言う。 向かって右に口を開けた(息を吐く)阿形(あんぎょう)。

左手に口を閉じた(息を吸う)吽形(うんぎょう)。「阿吽(あうん)の呼吸」の由来である。

山門をくぐり、振り返ると黄葉が美しい。  

さらに歩を進める。 

右手に龍護殿(本堂)がある。

本尊の釈迦牟尼仏象。

本堂のさらに奥に九品仏を安置する三つのお堂、左に下品堂、中央に上品堂、右に中品堂がある。

九品とは郷楽往生のありさまの9種類で、生前の行いを反映している。上品、中品、下品の三種類が上位カテゴリーで、それぞれに上生、中生、下生の三種類の下位カテゴリーがある。すなわち最上の往生の仕方は上品上生(じょうぼんじょうしょう)であり、最下は下品下生である(ここにはどんな悪人であっても悔い改めて念仏をひたすら唱えれば往生できるという考え方がある)。

そして九品仏はすべて印相(いんぞう)=手指で示す印の形が違う。 

下品堂の阿弥陀如来。 来迎印の構え。

 下品下生(親指と薬指を接する)、下品上生(親指と人差し指を接する)、下品中生(親指と中指を接する)の三体。

おみくじはどのお堂でも引けるが、私は「下品堂」で引かせていただいた。 

上品堂の阿弥陀如来。 定印の構え。

上品下生、上品上生、上品中生の三体。 

中品堂の阿弥陀如来 。説法印の構え。

中品下生(修繕中で不在のようである)、中品上生、中品下生の三体。 

 おみくじは中吉(第7番)であった。 

 桜花盛りはすぎてふりそぞぐ雨に散りゆく夕暮れの庭 

晩春の雨の夕暮れを詠んだ歌が引かれていたが、人生の黄昏を詠んだ歌のようで身に沁みる。

ちなみに、もし下品堂、上品堂、中品堂のそれぞれでおみくじを引いた場合、その結果はどう受け止めればよいのかしら。

九品仏→自由が丘→綱島。綱島は新婚の2年間を過ごした町である。もう35年ほど前のことであるが、たぶん駅前の「亀屋万年堂」はその頃もあったと思う。 

駅から徒歩3分ほどの場所にある「アイケアシステム」。妻も息子も眼鏡はここで作ってもらっている。 

私がこの店を知ったのは以前文芸・ジャーナリズム論系の助教をされていた(現在は東北芸術工科大学講師)のトミヤマユキコさんの紹介による。ここが彼女の実家なのである。

書斎の床で落として踏んづけてしまい、レンズが一つハズレ、フレームが大きく歪んでしまった。

ご主人は時間をかけてフレームの歪みを直し、「95%くらいは復元できました。これで使ってみて下さい」 と言った。修理代は請求されなかった。「あんなに手間をかけて無料というのは困ります」と私は言ったが、「いえ、いいのです」とご主人も奥様も言われた。そういうポリシーのようである。次に新しい眼鏡を作るときもここにしよう。

店を出るとき、もう夕方になっていた。 

蒲田に戻り、「神戸屋キッチン」で朝食用のパンを買う。 

ちょうど小腹が空いたので(夕食まではまだ時間がある)、イートインしていくことにした。アップルとカスタードクリームのパイ(商品名は忘れました)とコーヒー。美味しかった。 

帰宅する前にクリーンング屋にナツキさんの結婚披露宴のときに来た礼服を取りに行く。 

帰宅すると家の前の通りをブーが歩いていた。 

夕食はアジの干物、茄子とオクラとエノキの煮物、玉子焼き、味噌汁、ごはん。 

ジョギング&ウォーキング(4キロほど)。

2時、就寝。