フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月4日(月) 晴れ

2024-11-05 12:41:09 | Weblog

7時、起床。

早起き(私にしては)には訳がある。今日から二泊三日の松本旅行に出かけのだ。

チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

8時45分に家を出る。この時期にしては暖かい。松本は東京より寒いから家を出るときからダウンコートを着ていくのだが、今回はジャンバーにして、キャリーケースに入れていく。

10時発のあずさ13号に乗車。7号車の4-Aが指定席なのだが、うっかり4号車の4-Aに座ってしまった。しかし、新宿からその席に座る人はおらず、しばらくして気づいて(念のために指定席券を確認したのだ)、すでに動き始めている列車の中をキャリーケースを押して移動する。

松本までの2時間半はキンドルで本を読んでいた。

松本に到着。

定宿にしているリッチモンドホテルにチェックイン。

さっそく街歩き開始。ホテルの隣にある松本パルコは来年2月末に閉店することが決まっている。1984年8月に開店し、街のランドマーク的存在だったが、40年の歴史に幕を下ろす。時代の流れとはいえ、次に松本に来るときはもうなくなっているのだと思うと、ちょっと淋しい。

仲町通り。いつもであれば「チーアン」で昼食(たいていパスタ)を食べるのであるが、営業方針が変わって、食事メニューがなくなったので、どこかほかで昼食をとらねばならない。

「竹風堂」に入る。

例年、この時期は庭の紅葉がきれいなのだが、今年はまだである。「まだ」というよりも、「今年は鮮やかな紅葉は望めないのかもしれません」と店の人が言った。気候変動のせいである。

山家定食を注文。

栗おこわの栗は新栗である。甘い! 今年は豊作らしい。

ニジマスの甘露煮。淡白なおこわに合う。頭から尾ヒレまで残さず食べられる。

お茶のお代わりをもらってお腹が落ち着くまで本を読んで過ごす。

女鳥羽川を渡る。

対岸のナワテ通り。

四柱神社に挨拶に行く。

またやって参りました。

境内の紅葉も今一つだ。

松本城公園に足を延ばす。いつみても姿のよい城である。周囲の空間が広々としているのもいい。

松本市では一番の観光名所である。いろいろな国の言葉が飛び交う。

お堀には白鳥が浮かんでいる。

以前はつがいでいる姿をよく見たが、今回は一羽だけ。どうしたのかな。

紅葉はいまひとつだが、黄葉は美しい。

外国人の4人組が黄葉を背景に写真を撮ろうとしていた。「お撮りしましょうか」と声をかけようかと思ったが、一人が地面にカメラを置いて、構図を調整して、セルフタイマーで撮ろうとしていたので、それでもいいかなと思った。たぶんお気に入りの構図が決まったのだろう。

高砂通り。

人形店が多い。

年が明けたら雛人形なのであろうが、この時期は普通の(?)人形が並んでいる。

いつも気になっている「軽食堂ブンブク」。暖簾が出ているのを見たことがないが、きれいな外観を保っている。

「田園ベーカリー」。松本に来たときは必ず顔を出すパン屋さんである。

こんにちは、園田さん。「田園ベーカリー」の「田園」は「園田」をひっくり返したものだが、なぜひっくり返したのかというと、彼女が田園調布の出身だからである。初めてこの店を訪れたとき、「なぜ街中にあるのに田園ベーカリーという名前なのですか?」と聞いて、名前のいわれを知ったのである。同じ大田区出身ということで、話が盛り上がった。それ以来の馴染みの店である。

いつもはクリームパンをイートインするのだが、今日は完売してしまっていたので、あんぱんと紅茶にする。

われわれがおしゃべりをしている間に、何人かお客さんが入って来たが、「風が強いわねぇ」という声がよく聞こえた。そうですか? 園田さんによると松本は、盆地のせいだろう、あまり強い風が吹かず、今日くらいの風でも「強い風」というらしい。強い風が吹かないことと関係があるのか、昔からの民家には雨戸がないウチが多いそうだ。

明日の朝食用に調理パンを2個買って店を出る。いつもの松本旅行であれば、昼食を「チーアン」で食べるので、そこで店主さんご夫婦とおしゃべりをするのだが、今日はここまで誰ともおしゃべりをしていなかった。なんかいつもと違うなと調子が出なかったのだが、ここでようやく人とおしゃべりができた。一人旅は必ずしも寡黙な旅ではない。

買ったパンをホテルの部屋に置くために戻る。そして30分ほどベッドに横になる。市中の宿をとると散歩の中休みに使えるのでいい。

パソコンを設置して、メールのチェックなど。今日は文化の日の振り替え休日だが、大学は授業のある祝日で、通常態勢に戻っているのだ。しかし、とくに業務連絡はなかった。メールのチェックだけならスマホでよいのだが、私はブログを書いたり、オンデマンド授業のコンテンツ作りもあるので(ワーケーションというやつである)、パソコン持参なのである。

5時を回った頃、ホテルを出て、ギャラリーカフェ「ガルガ」へ。ここも松本に来たときは必ず顔を出す店だが、明日明後日はお休みなので、今日しかチャンスがないのだ。

こんばんは。店主さんご夫妻にご挨拶。

チキンカレー(小)。定番の注文である。

お二人がこの店を始めてから23年である。だが、その前に6年ほど、奥様は一人でこの近くで雑貨屋をやっていたそうで、ほぼ30年である。私の早稲田での勤続年酢と同じである。そして私と違って定年というものはない。お二人はバブルの頃、東京で会社勤めをしていた。無闇に景気がよく、モーレツに働き(残業代はしっかり出た)、一体、あの時代は何だったのでしょうと語っていた。東京には私鉄の小さな駅前にもちゃんとした商店街があって、あれはこっちにはない風景で、よかったですと言われた。

二階のギャラリーの見物する。11月2日から安曇野在住の陶芸家、阿久津真希さんの個展が始まっている。

黒と白の陶器が展示されている。

何年か前の個展で買った花入れは、いま、仏壇の花入れに使っている。あれはよい買い物だった。

今回は手前の黒い湯飲み(真ん中の少し小ぶりなもの)を購入した。

一階に戻って、レモンカスタードのショートケーキとガルガブレンド。

この店で出される水は敷地内の深い井戸から汲み上げている。しかし、アルプスに降る雪が年々少なってきているせいか、量が減ってきているそうだ。温泉の湧き出る量にも影響が出ているそうである。それは知りませんでした。大雨の災害が話題になっているが、一時的な大雨は表層的な部分を流れるもので、井戸水や温泉は深層の部分なので別なのだそうだ。そういう話を聞くと、コップの水も残してはいけないという気分になった。

一階の売店に小池千恵さん作の練り切りの丸皿が出ていた。先々月に個展をしたそうである。角皿は何枚か持っているが、丸皿は珍しい。新作ではなかろうか。一枚購入することにした。

店を出る前にご主人に写真を撮っていただく。

店を出たのは7時。閉店の時間までいた。

宿に戻り、風呂を浴び(もう今日は外出することはない)、「FMフェスティバル 竹内まりや芸能生活45周年記念の番組(住吉美紀アナウンサーとのトーク)」をタイムフリーで聴きながら(ラジコの地域変更をが必要だった)、今日撮った写真の整理。

「ガルガ」でいただいた蕎麦クッキーを摘まみながら。

1時、就寝。明日はモーレツに冷え込むそうである。部屋の暖房は切らずにおいた。