フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月16日(月) 晴れ

2009-03-17 02:06:58 | Weblog
  9時、起床。ベーコン&エッグ、トースト、紅茶の朝食。ここしばらくは晴天で暖かな日が続くらしい。ようやく春らしくなってきた。新学期の授業の準備も本腰を入れねばならない。
  午後、昼食をとりがてら散歩に出る。「鈴文」の前を通るが、今日はとんかつの気分ではない。「テラス・ドルチェ」で炒飯と珈琲。1時間ほど読書をしてから、久しぶりにジムへ行く。寒いときは帰り道で湯(シャワー)冷めをしてしまうので控えてきたのだが、もう解禁だろう。開幕までに2キロの減量だ。今日はウォーキング&ランニングを60分。鰻丼一杯分のカロリーを消費した(マシンのパネルに表示されるのだ。ただし、松竹梅でいうと梅クラスの鰻丼かと思う)。
  今日は街の風景をモノクロ写真で撮ってみる。モノクロ写真の方がカラー写真よりも物語性が強くなるように思うが、なぜだろう。「色気」が抜けることで、写真がより化石化するからだろうか。化石には歴史(物語)が内在している。あるいは、話は逆で、「モノクロ写真を撮る」ということが、無意識のうちに、物語性の強い被写体を求めているのだろうか。森山大道を、いや、木村伊兵衛を気取っているのかもしれない。

         
                       蒲田陸橋

         
                       蒲田陸橋

         
                       蒲田駅東口

         
                       蒲田駅東口

         
                      くいだおれ横丁

         
                      くいだおれ横丁

         
                       西蒲田公園

         
                       西蒲田公園

  ただし、ここはやっぱりカラー写真でないと、というときはある。最後にそういう写真を一枚。

         
                         蒲田

  有隣堂で以下の本を購入。「シャノアール」で読む。新商品のつぶつぶ苺のオーレを注文。飲食物もカラー写真でないとね。

  黒川創『かもめの日』(新潮社)
  有吉玉青『恋するフェルメール 36作品への旅』(白水社)

           

3月15日(日) 晴れ

2009-03-16 02:54:30 | Weblog
  10時、起床。久しぶりの晴天。NHKの将棋対局(森内対佐藤。森内の勝ち)を観ながら、ウィンナーソーセージとキャベツの炒め、大根の味噌汁、ご飯の朝食。もうずいぶん長いこと将棋を指していない。原木中山に住んでいた頃は週に一度は西葛西の将棋クラブに通っていたものだが、8年前に蒲田に引っ越して(戻って)来てからパッタリ指さなくなった。将棋クラブそのものが街からどんどんなくなっていったということもあるし、中原誠や米長邦雄といった長年の憧れの棋士たちのスキャンダルが相次いで将棋界に(将棋そのものにではなく)愛想が尽きたということもあるが、将棋クラブで面識のない人と将棋を指すのが億劫になったというのも大きい。私の棋力は3、4段で、身の回りには相手がいない。だから将棋を指したければ将棋クラブに行って面識のない人と指すか、コンピューター相手に指すしかない。しかし、私は気の置けない(もちろん実力伯仲でなければならない)相手と適当に軽口をたたきながら将棋を楽しみたい。私の老後の夢の1つが、そういう棋友を身近にもつことである。
  午後2時を回った頃、散歩に出る。「ルノアール」でサンドウィッチと珈琲を注文し、1時間半ほど読書。それから先日、バスの中から見て興味をもったJR大森駅山王(さんのう)口前の商店街を歩いてみる。しばらく歩くと「ダイシン」という地元では有名な百貨店があり、その6階の食堂で一服した。レトロでありつつ、今風のところもある、不思議な空間である。蒲田にはこういう場所はもうなくなってしまった(イトーヨーカ堂が撤退してしまったので)。落ち着くというのとはちょっと違うが、気になる場所ではある。また来よう。

         

         

         

         
        
         

         

         

  夜、ETV特集「犬の記憶―森山大道・写真への旅」を観た。東京の街をコンパクトカメラを首からぶら提げて歩く森山を追った番組。昼間でも基本的にフラッシュを発光させて撮っているのが印象的だった。この点だけが私と違う。あとは同じじゃないかな(笑)。いや、彼の写真はモノクロだ。モノクロの方がドラマチックなのは、なぜだろう。

         

3月14日(土) 曇り

2009-03-15 02:58:36 | Weblog
  10時、起床。昨夜の残りのカレー、トースト、牛乳の朝食。朝は風雨が強かったらしいが気づかなかった。主観的には曇りの一日。
  午後3時を回った頃、遅い昼食をとりがてら散歩に出る。「やぶ久」の前を通ったら「本日の日替わりセット」として「カレーライスと天ぷら」とあった。す、すごい。人類史上、これまで誰も考え付かなかった組み合わせではないだろうか。乱数表を使って無作為に作った組み合わせに違いない。そうではなくて、もし頭で考えた組み合わせだとしたら、いかなる思考回路なのか、とても興味がある。しかし、朝もカレーだったので、写真だけ撮って通り過ぎる。
        
         

  「テラス・ドルチェ」でたらこのスパゲティーと珈琲を注文し、1時間ほど読書。帰りに薬局に寄って風邪薬を購入。「パブロン・ゴールドA」「パブロンS」「パブロンSゴールド」の3種類の中からどれを購入しようか迷う。効能の違いがわからない。わかるのは価格の違いだけである。結局、一番高い「パブロンSゴールド」を購入してしまったが、釈然としない(帰宅してから大正製薬のHPで調べてみたが、やはり判然としなかったばかりか、「パブロン」シリーズは他にもあることがわかった。まるでウルトラマンの一家のようだ)。
  今日はホワイトデー。駅ビルの「ビアード・パパ」で(行列ができていた)シュークリームを買って帰る。ついでに東急プラザの屋上遊園地で薄日の差してきた空の写真を撮る。どんよりのっぺりとした曇天ではなく、動き始めた流氷のような曇天である。明日は晴天とのことだ。

         

         

  夜、BS朝日で映画『恋に落ちたら・・・』をやっていた。ロバート・デ・ニーロ主演の有名な作品だが、見損なっていたので、観ることにした。あれ、相手役はメリル・ストリープだったはずだが、ユア・サーマンだったっけ・・・と思いつつ最後まで観たが、後からネットで調べたら、私の勘違いで、有名なのは『恋におちて』の方だった。紛らわしいタイトルだ。ちなみに『恋におちて』の原題は「Falling in Love」で邦題はこれに忠実だが、『恋に落ちたら・・・』の原題は「Mad Dog and Glory」。全然違うではないか。「Mad Dog」はデ・ニーロ演じる臆病者の刑事ウェインの渾名(反語的)で、「Glory」は相手役の女性の名前。だから訳せば「狂犬と彼女」とでもなるのだろうか。とんだ勘違いではあったが、話は面白かったし、ユア・サーマンは好きな女優なので、損をした感じはしない。
  ところで映画のタイトルといえば、4月に公開される綾瀬はるな主演の『おっぱいバレー』、これはいくらなんでもじゃありませんか。私は観るつもりはないけれど、もし観るとなったら、いつもチケットを購入している蒲田駅前のディスカウント店で、店員の女性に「『おっぱいバレー』1枚」って言わなくちゃならないわけで、脱常識の社会学者といえどもちょっとつらいものがある。思わず「2つ」って言っちゃいそうだし・・・。

3月13日(金) 曇り

2009-03-14 14:03:54 | Weblog
  7時、起床。卵焼き、筍ご飯の朝食。
  昼食はもらい物の「今半」の牛肉そぼろを使った炊き込みご飯、ほうれん草の胡麻和え、茄子の味噌汁。
  夕方になって散歩に出る。多少寒かろうと、いまにも雨が降り出しそうな空模様であろうとも、外出は気分転換になる。新学期の授業が始まるまで3週間とちょっと。一つの年度が終ったやれやれ感と、次の年度が始まるそわそわ感で、例年この時期はテンションが低い。新装開店のための休業期間といったところか。春学期は4月6日(月)スタートだが、私は月曜の授業はないので、7日(火)3限の「現代人間論系総合講座1 現代人の精神構造」が開幕戦となる。複数の教員がリレー方式で行う講義で、科目名は去年と同じだが、今年はメンバーを入れ替えて、私、安藤先生、長田先生、助教の木村君の4人で行う。初回は全員が顔をそろえて舞台挨拶を行う。これから、この開幕戦に向けて少しずつテンションをあげていかねばならぬ。
  有隣堂で以下の雑誌を購入し、「カフェ・ド・クリエ」で読む。

  『住みたい街。』(「散歩の達人」テーマ版ムック、交通新聞社)
  『yom yom』10(新潮社)

  井上荒野の「食いしん坊の系譜―井上光晴のだご汁」を読んで、彼女が井上光晴の娘であることを初めて知った。直木賞受賞関連の記事は読んでいたはずだが、見落としていたのだろうか。「井上」というのは珍しい姓ではなく、作家にも「井上靖」や「井上ひさし」がいるので、油断をしていた。まあ、知ったところで、吉本ばななが吉本隆明の娘だと知ったときほどの驚きはありませんけどね。

  「食べることへの私の異常な―と、夫や幾人かの友人から指摘される―情熱は、父から受け継いでいる。自分にまずいものを食わせたという理由で、その相手の人格から思想的背景にまで及んで批判する人だった。」

  う~ん、いかにも「全身小説家」井上光晴らしいエピソードだ。私だって食いしん坊ではあるが、自分にまずいものを食わせた相手への批判がその思想的背景にまで及ぶことはない。せいぜい人格どまりだ。

  「母は父の情熱をよく了解していて、食事にだけは手を抜かなかったが、それでもたまに、何かの手違いで味噌汁が少しでもぬるいと、もうそれだけで食卓はハルマゲドンと化した。逆に父の好きなだご汁の土鍋が、湯気をたてながらテーブルにあらわれれば「もう俺はこの汁だけあればいい」などと言い放って、それはそれで母をがっかくりさせたりしていた。」

  ぬるい味噌汁が許せない感覚、これは私にもよくわかる。「さあ、食事だ」という高揚した気分が「100」から一挙に「20」くらいまで急降下する。これは自宅の食卓に限らず外で食事をするときもそうで、思わず、店員に「料理人を呼んできてくれ」といいたくなる(実際にしたことはないけど)。食後の珈琲がぬるいときもこれに同じ。
  ところで「だご汁」って何だ?

  「だご汁とは「団子汁」がなまったもので、我が家の団子はじゃがいもで作る。じゃがいもをすり下ろし、ざるにあげて水気を切る。その水は捨てずボールに受けて、しばらく置くとでんぷんが沈殿するので、それをざるにあげたものに混ぜて、団子にする。汁のだしは煮干で、のっぺいふうに薄口で味付けしたり、味噌仕立てにするときは少し甘めの九州の蕎麦味噌を使う。」

  うまそうだ。普通の団子汁は小麦粉で作った団子を使うが、じゃがいもで作った団子はトロリ感があるだろう。息子はじゃがいもが大好きだから(イモ男の異名を持っている)、きっと「もう僕はこの汁だけあればいい」と言いそうな気がする。

  「おっ、今日はだご汁か、という父の嬉しそうな声を懐かしく思い出す。私は二十八歳ではじめて家を出てひとり暮らしをはじめたのだが、ある日どうしてもだご汁が食べたくなって、母に電話して作り方を聞いた。あとから妹から聞いたことだが、そのときたまたまその場にいた父が、「あれは、だご汁を食べさせたい相手ができたんだな」とぼそぼそ呟いていたらしい。」

  娘は23歳で、まだ同居しているが、帰宅は遅い。最近は3月末の芝居の稽古で帰ってこないこともある。ちゃんと食事はとっているのだろうか。・・・ということで、宣伝です(長いフリだったな)。

  ドラマチックカンパニー・インハイス第5回公演「機織り淵の龍の華」

  *チケット代は2500円とのこと(前売り・同日同じ)

3月12日(木) 晴れ

2009-03-13 09:47:32 | Weblog
  8時、起床。ハムトースト、紅茶の朝食。大学に行く途中、有楽町で下車。リコー銀座カメラサービスセンターにデジカメを修理に出しに行く。最近のブログの写真を見ていただけるとわかると思うが(たとえば海や空の写真)、画面中央部に薄い染みのような影ができる。たぶん床に落としたときに内部にゴミが入ったか、傷が付いたかしたのでないかと思う。一昨年の12月に購入したので、保証期間の1年は過ぎてしまっているので、有償修理になるであろうが、修理に出さないわけにはゆかない。受付の女性に不具合を説明し、彼女がカメラを奥の作業場にもっていき、少しして戻ってきた。分解掃除ですむか、部品の交換になるか、修理してみらにと分らないが、修理代(見積もり)は「7千円を越えることはない」(越えたとしても7千円以上は請求しない)と説明される。なるほど、そういう方式なのかと納得する。本日の3時以降であれば引き渡せますとのことなので、夕方、受け取りにくることにして、修理に出す。これは上限の7千円はいくなという予感がした。充電池(2千円ほど)の予備も購入するつもりなので、合計で1万円の出費を覚悟する(実際、そうなった)。
  それから大学へ。「すず金」で昼食(鰻重)をとる。肝焼き(一串)も付けてもらう。鰻重の甘いタレと肝焼きの苦味がとてもよく合う。ビールを注文する人は一緒に注文することが多く、値段は200円なのだが、数が限られているので、早めに行かないと売り切れてしまう。食事の後、製本された科研費の報告書を製本屋さんで受け取り、概要書を付けて事務所へ提出する。これで肩の荷が一つ下りた。順序としては、報告書を事務所に提出してから「すず金」で一人で祝宴というのが正しいのだが、それをやっていると肝焼きがなくなってしまいそうだったので、前祝ということにしたのだった。
  研究室で雑用。現代人間論系の科目登録ガイダンスの資料を作りながら、当日の進行を考える。最初の主任の挨拶は助教のK君と組んで「ナイツ」風にやってみようとか。

  主任「昨日、ヤホーで検索したら・・・」
  K君「ヤフーですね」
  主任「とっても面白そうな論系を見つけちゃったんですよ。現代人間論系っていうんです」
  K君「みんな知ってますよ。だから、いまここに来てるんです。」
  主任「4つの国に分かれていて、精神文化論ランド・・・」
  K君「プログラムですね。ディズニーランドじゃありませんから」
  主任「いろいろなキャラクターと会えるらしいです。白雪姫・・・」
  K君「草野先生のことですね。後で自己紹介していただきます」
  主任「ミッキー・マウス・・・」
  K君「木村先生のことですね。マウスの実験されてますから」
  主任「ドナルド・ダック・・・」
  K君「助手のアヒルさんのことですね。正しくはアビルさんですけど」
  主任「7人の小人・・・」
  K君「十把ひとからげにするのはやめてください」
  主任「3年生からゼミというのが始まるそうです」
  K君「はい、現代人間論系は11のゼミがあるんですね」
  主任「油ゼミ、熊ゼミ・・・」
  K君「そっちのゼミじゃありませんから。確かに騒がしそうですけど。でも、ちゃんと11言えるのか最後まで聞いてみたい気もしますね」
  主任「君、さっきから人が一生懸命に説明してるのに横でぺちゃくちゃうるさいな。ちょっと黙ってろよ」
  K君「そ、そんな。主任は僕のことが嫌いなんですか」
  主任「そんなわけないだろう。本当に嫌いならこうして一緒にやってないよ」
  K君「でへへ・・・って、主任、それはオードリーのネタですから」

  現代人間論系単独ライブ(科目登録ガイダンス)情報
  日時:3月24日(火) 午後1時から(新2年生) 午後2時から(新3年生)
  場所:36号館382教室
  出演:現代人間論系全スタッフ
  内容:主任あいさつ *実際は一人でやります
     科目登録上の注意点
     スタッフ自己紹介
     クラス(2年生)・ゼミ(3年生)別のガイダンス
     記念写真撮影

  帰りに飯田橋ギンレイホールでミロス・フォアマン監督『宮廷画家ゴヤは見た』を観た。宮廷画家にして社会風刺画を描くことにも情熱を注いだゴヤの眼を通して見た近代スペイン史。スケールの大きな作品だが、歴史を俯瞰するわけではなく、ゴヤ(ステラン・スカルスガルト)の2枚の肖像画(実在しない)のモデル、裕福な商人の娘イネス(ナタリー・ポートマン)と野心家の神父ロレンス(ハビエル・バルデム)の数奇な愛のゆくえを追うことで混乱する時代を描いている。ナタリー・ポートマンは、無垢で薄幸の少女イネスと彼女の一人娘で娼婦としてたくましく生きるアリシアの二役を見事に演じている。あの『レオン』の女の子が女優として立派に成長した姿に接して感無量だった。ハビエル・バルデムは『コレラの時代の愛』で見かけたばかり。スペイン映画界における役所広司みたいな俳優だ。彼の出演している作品ならば間違いないという気がする。ステラン・スカルスガルトも彼の出演している『グッドウィル・ハンティング』を最近DVDで観たばかりで、フィールズ賞受賞の数学者から宮廷画家まで、達者だなあと思う。ゴヤといえば、いま話題になっている「巨人」がスタッフロールの中で彼の作品の一つとして出てきた。観客はみんな心の中で「これはゴヤの作品じゃないんだけどな」と思ったことだろう。『宮廷画家ゴヤは見た』は2006年の作品なので、大目に見てね。

         

  夜、『ありふれた奇跡』を観る。来週は最終回。おそらくはこれで最後になるだろう山田太一の連続TVドラマの最後の一回である。万難の排してTVの前に座って観なければならぬ。