フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月20日(木) 小雨

2021-05-21 11:09:03 | Weblog

8時15分、起床。

明太子トースト、サラダ(+バナナ)、牛乳、紅茶の朝食。

本日の『おかえりモネ』。能の舞台で笛を吹くサヤカさんの髪が黒くなっていた。

『おちょやん』のことを思い出す。全編を通して、ドラマそれ自体が大衆演劇のようであった。毎回、見せ場があり、泣かせどろこがあった。コテコテといってもいいし、メリハリがあったといってもいい。『おかえりモネ』は現代のTVドラマで、イントロということもあるが、主人公の日常がゆる~く描かれている。朝の空気感が違う。

昨日のブログを書いてアップする。

区からコロナワクチンの接種券が届いた(高齢者枠である)。予約の申し込みは明日の朝8時半からだが、ちゃんとアクセスできればいいのだけれど。

3限・4限と大学院の演習、それに続いて研究指導がオンラインであるので、それほどお腹は減っていないが、餅(磯辺巻き)を2つ食べる。

1時から大学院の演習(オンライン)。続けて2時45分から研究指導(オンライン)。終了したのは4時45分(予定より30分オーバー)。オンラインの方がエネルギーが消耗するようで、終わってドッと疲れが出た。少し横になる。

小雨が降ってはいるが散歩に出る。駅前の商店街に行く。ドラッグストアーで目薬と歯間ブラシを購入。

『一二三堂』で「NHK俳句」のテキスト(6月号)を購入。

床屋に寄って行く。気づいたら前回(3月3日)から2か月半も経っている。

散髪を終えて、『テラスドルチェ』で一服しようと思ったら、もう閉店時刻だった。しかたないので間に合わせでチェーン店に入ったが、アイスココアを注文したらパックからグラスに注いで氷を入れたものが出てきたので、「あらま」と思った。ずいぶんと安易である。

バンホーテンのHPに載っている美味しいココアの作り方→こちら

「NHK俳句」6月号に目を通す。

紫陽花剪(き)るなお美しきものあらば剪る 津田清子

卒業生のナツキさん(論系ゼミ5期生)から7月末に出産の予定で、今週から産休に入りましたというLINEが届いた。緊急事態宣言期間中でなけれ「産前カフェ」にお誘いしたいところだが、いたしかたない。どうぞ健やかに。池上の鬼子母神堂の写真をお送りする。

夕食はハヤシライス。

デザートは葡萄。

食事をしながら『プレバト』(追っかけ再生)を観る。俳句コーナーでは才IKKOの作品がよかった。

 住み込みの夜のケーキの苺かな IKKO

「〇〇の〇〇の〇〇の(季語)かな」と「の」を連続させながら季語にフォーカスしていく手法は定番のものであるが、それがうまくいっている。「住み込み」という言葉に物語がある。

オンデマンド授業公開初日。レビューシートの提出は47枚だった。昨年は初日は平均して100枚ほどあったから、オンライン授業にある意味慣れてきたということであろうか。

風呂から出て、ラジオを聴きながら、今日の日記とブログと明日のスケジュールの確認。

2時、就寝。


5月19日(水) 曇り

2021-05-20 11:11:18 | Weblog

9時、起床。

グラノーラ(+牛乳)、サラダ、紅茶の朝食。

本日の『おかえりモネ』。サヤカ(夏木マリ)がモネに檜葉(ヒバ)について語るシーンがある。檜葉は明日檜(アスナロ)とも呼ばれるという話も入っていた。偶然だろうが、今日の最後のシーンで気象キャスターの朝岡(西島秀俊)が村にやってくる。西島はデビューした翌年(1992)、人気ドラマ『あすなろ白書』に同性愛者(であることを隠して生きてきた)の青年の役で出演していた。

新聞に田村正和さんの訃報記事が載っていた。享年77歳。ご冥福をお祈りします。

記事では代表作として『眠狂四郎』と『古畑任三郎』があがっているが、私は『さよなら、小津先生』(2001)が好きだった。中古ショップで買ったVHSの全巻セット(800円!)を持っている。

ケースの写真は同僚の教師たち。ユースケ・サンタマリアが若い。中央は瀬戸朝香。

ところで、田村さんが亡くなったのは4月3日である。田中邦衛さんのときもそうだったが、芸能人の場合、死亡時期と訃報が出るまでの間にけっこうなタイムラッグがある。孤独死で発見されるまでに時間がかかったというわけではないから、これは遺族が記事にする(公にする)ことを了承してから(葬儀や法要などが終わってから)でないと記事にできないからだろうか。芸能人の不倫などは本人の同意も何もあったものではなくすぐに記事にされるのとは大きな違いである。

10時半から大学院の社会学コース会議(オンライン)。

昨日のブログを書いてアップする。

昼食は「吉岡家」に食べに行く。

いつものランチセット(もり蕎麦、目玉焼き、ごはんは軽め)。630円。

もちろん目玉焼きは半熟をオーダー。目玉焼きは朝食で自分でも作るが、いつも一つ目だ。二つ目にする勇気(?)がないのだ。玉子なんて安価なのだから、気楽に二個使えそうだが、なかなかそうはいかないのである。

ごはんにのせて醤油をかけて、トロリ玉子かけごはんにして食べる(途中で玉子の追加という贅沢!)。

2時から教授会(オンライン)。

教授会は4時半に終了。まだ外は明るい(少しの間だが陽が出ていた)。

ネットニュースで『逃げ恥』コンビの星野源と新垣結衣の結婚を知る。ほんとか。「出来すぎ婚」という言葉があれば(ないと思うが)、まさにこれだと思った。

散歩に出る。

西蒲田公園(母校の御園中学の隣)。

ベンチで編み物をするお婆さん、ゲートボールの道具で遊ぶ男の子、明日を目指して(?)走る女の子の像が並んでいる。

お婆さんの足元の猫は本物である。

公園の横を多摩川線が走っている。

踏切を渡る(左が多摩川線、右が池上線)。

サンロード商店街の奥(アーケードの途切れた先)。

飲食店街に暮らす町猫。

鰻を焼くいい匂いがする。蒲田の老舗の鰻屋「寿ゞ喜」である。

妻に電話をして「今夜は鰻重にしよう」と提案する。

妻の同意を得て(夕食の支度に入る前だった)、鰻重弁当をテイクアウトする。

飲食店の入っているビルの最上階に畳屋さん? たぶんこのビルのオーナーで、元は畳店があった場所なのだろう(と理解する)。

大城通りの方から帰る。

鰻重は4種類あったが、上から二番目(2800円)のものにした。私と妻で差を付けることも注文のときチラリと考えたが、量が多ければ私が引き受ければよかろうと同じものにした。

鰻重(赤重)。妻は鰻重は久しぶりとのこと。もしかしたらコロナの前の年に川越の鰻屋で食べたのが最後だったかもしれない。

デザートはメロン。

食事をしながら『大豆田とわ子と三人の元夫』第6話(録画)を観る。三人の元夫を交えての女子会トーク(恋バナ)の場面が秀逸だった。そのあとで衝撃の展開が待っているのだが、これから観る方もいるだろうから、それには触れない。

昨日収録を終えてアップしたオンデマンド講義、付け加えたいことがあるので、再収録して差し替える。

レビューシート提出の最終日。やっぱりドッと来た。

風呂から出て、ラジオを聴きながら、今日の日記とブログ。

2時、就寝。


5月18日(火) 曇り、夕方から小雨

2021-05-19 13:34:49 | Weblog

8時、起床。

トースト、ベーコン&エッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

本日の『おかえりモネ』。『おちょやん』とはずいぶん違うテイストの朝ドラである。何しろ時代が違う。しかし、主人公が「自分は何をやりたいのだろう」と自問するところは、似ている(千代は年季明けのときにその問いと直面して、役者の道へと進むことになった)。

昨日のブログを書いてアップする。

今夜収録する予定の講義原稿を書く。

2時半ごろ、家を出る。今日は5限に学部の演習がある。

庭先の紫陽花はどんどん数も増え、一つ一つも大きくなっていっている。

このタイプの紫陽花は額で縁取るように見えるのでガクアジサイと呼ばれているが、知らなければ、紫陽花とは思わないだろう。

まだかろうじて雨は降りだしていないが、5月の中旬だというのに、この雨模様の空にはどうしたことだろう。五月晴れはどこにいってしまったのか。

新緑のやや深まりし憂いかな たかじ

東京駅で降りて、東西線(大手町)に乗り換えるとき、東京駅の丸の内北口の改札を出る。

リニューアル工事が終わったとき、よくここの天井の写真を撮ったものである。

早稲田に着いて、遅い昼食を食べに「メルシー」へ行く途中で、開店して間もない韓国料理の店の前を通る。同僚の橋本先生がツイッターで絶賛していたお店である。

立ち止まってメニューを眺めたが、美味しそうだが、かなりボリュームがありそうである。いまはそれほど空腹ではなく、まして授業の前なので、今回はスルーしておこう。

当初の予定どおり「メルシー」で昼食。

定番のチャーシューメン(700円)。

あと15分ほどで4限が終わる。この時間帯だとスロープに人影は少ない。

5限の演習「現代人と社交」は33号館333教室。3が5つ並ぶ。だから何?というわけではないけれど。

今日のディスカッションテーマは「ネット空間と社交」。

来週から学生の報告が始まる。個人報告で毎回4人に報告してもらう。一人当たりの時間は質疑応答を含めて20分。レポートは事前に(1週間前に)全員に配信されているので、全員がレポートには目を通しているという全体で、発表自体は簡単に(ポイントの確認)パワポを使ってやってもらい、質疑応答に時間を割きたい。演習本番である。

授業の後、来週発表の4人の学生に「発表のときの心構え」みたいなことを話す。原稿を読むのではなく、語ること。閉じた報告ではなく、ディスカッションを誘発するような報告であること。

6時半ごろ大学を出る。

帰宅して夕食。肉野菜炒め、明太子、玉子のスープ、ごはん。

肉野菜炒めは肉と野菜が分離している。

デザートはメロン。甘味が強い。

食事をしながら『イチケイのカラス』第7話(録画)を観る。おそらく2回分もしかしたら3回分(つまり最終回まで)使うのだろうと思われた再審裁判の件は今回であっけなく落着してしまった。来週はどうするのだろうと予告を見たら、万引き事件の裁判の話だった。一挙にスケールが小さくなるが、最終回までどういう流れにもっていくのだろうか。

講義原稿を仕上げて、収録に臨む。

ワンテイクで30分31秒。これでよい。昨日収録したパート2、講義資料一式をネットにアップする。公開は木曜日から。

本日提出されたレビューシートのチェックを終えてから、風呂に入る。すでに日付が変わっている。

2時過ぎに就寝。


5月17日(月) 曇り時々小雨

2021-05-18 12:27:16 | Weblog

一旦、8時に起きて、今日から始まる朝ドラ『おかえりモネ』をリアルタイムで観て、もう一度布団に戻る。子役時代のない朝ドラは珍しい。コロナでスタートが遅れたから、清原果那の出演回を減らしたくないということかしら。

9時15分、起床。

パン、サラダ(+ウィンナー)、牛乳、紅茶の朝食。

昨日のブログを書いてアップする。

まだ五月半ばだというのにもう梅雨入りの気配である。

庭先の紫陽花たちも大わらわである。

まだ支度が間に合ってません。

自転車に乗って外出(離れた場所を回るので)。

梅屋敷通りの石窯焼きのパン屋(長い名前なので省略)で朝食用のパンと、今日の昼食用の調理パンを買う(家を出るときは昼食には「鳥久」の弁当を買うつもりだったのだが、お店に並んでいるパンを観ていたら食べたくなった)。

駅前(東口)の銀行で振り込みを済ませる。

帰宅。

カレーパン、アンドーナツ、ウィンナードッグ。3個は多かったように思う(ウィンナードッグが思いのほか大きかった)。

食事をしながら『ドラゴン桜』第3話(録画)を観る。

少し昼寝をしてから、講義原稿の仕上げにかかる。

夕食は炒飯、生ハムサラダ、茄子の味噌汁。

広島菜炒飯。

食事をしながら『恋はDeepに』第5話(録画)を観る。

「日常生活の社会学」第7回のパート2を収録する。ワンテイクでOK。33分15秒。パート1の方は明日(レビューシートの提出をもう一日待ってから)。

風呂から出て、ラジオを聴きながら、今日の日記とブログ。

2時、就寝。


5月16日(日) 曇り

2021-05-17 12:56:45 | Weblog

9時、起床。

パン、昨夜の総菜(「マーボ屋」からのテイクアウト)の残り、牛乳、紅茶の朝食。

大滝詠一のアルバム『デビューアゲイン』を聴きながら、昨日のブログを書いてアップする。『デビューアゲイン』は他のアーティストのために書いた曲のセルフカヴァーである。

今日は二カ月に一度の句会(オンライン)の日。午後1時からなので(3時頃まで)、その前に何か食べておこうと「吉岡家」へ。日曜日に来るのは珍しい。

稲庭うどん+蛸のから揚げ。

食べるのはあっという間だが、出てくるまでに少し時間がかかったので、句会の時間が迫っている。

家に戻ってきたのは句会開始5分前。

本日のライブの参加者は9名。(画面左上から)主宰の紀本直美さん、私(たかじ)、犬茶房さん、港さん、さやかさん(選句のみ)、あやこさん、月白さんと渺さんご夫妻(画面には渺さんは映っていない)、まゆこさん。ほかに投句は蚕豆さん(事前選句も)と恵美子さん。

投句者は10名で一人3句(自由句2句、兼題句1句)で計30句。兼題は「緑」。

読みを併記しておく。

選句に入る。一人5句で、天(5点)1句、地(3点)2句、人(1点)2句。

私は次の5句を選んだ。

 天 束ねたるゴムのゆるさや姫女苑

 地 夏山の緑は二十一音階

 地 新緑の蔦の野望や未来地図

 人 来た道を引き返したり青葉風

 人 春愁はミックスジュースのような味

全員の選句が終わり、結果が集計された。

21点 束ねたるゴムのゆるさや姫女苑 まゆこ

 今回の特選句は久しぶりの参加のまゆこさんの作品。渺さん、さやかさん、私の3人が「天」を付けた。一読して調べの滑らかで美しい句である。「束ねたるゴムのゆるさや」で切れているので、それが束ねられた姫女苑の描写でもあり、それを手にしている少女の束ねられた髪の描写でもあるような・・・「姫女苑」の「姫」がそういう連想を生むのである。

13点 夏山の緑は二十一音階 渺

 港さんが「天」を付けた。初夏の山の緑のグラデーションを「二十一音階」という言葉で表現した句。シェーンベルの「十二音階」(十二音技法)というのは知っているが、「二十一音階」というのは初めて聞いた。作者の造語らしい。ハーモニカの穴の数が21なので(そうでしたっけ)、そういう意味で解釈した方もいた。

11点 玉ねぎの肌の白さに目をそらし 犬茶房

 まゆこさんが「天」を付けた。新玉ねぎの外側の皮をむくとその白さにハッとする。問題はなぜ「目をそらす」のかである。玉ねぎが目に沁みるからという即物的な解釈から、その官能性(玉ねぎの擬人化)に「い、いけない」という解釈まで、いくつかの解釈が可能だが、「目をそらす」前に「目を奪われる」という段階(瞬間)があるわけなので、その部分をこそ描くべきではなかったかと思う。

10点 新緑の蔦の野望や未来地図 恵美子

 「蔦」「野望」「未来地図」という普通は関連性のない3つの言葉を並べて、そこに生じる化学反応(これから壁に広がってどのような地図を描こうとしているのかという蔦の野望)を楽しむというタイプの句で、恵美子さんの得意とする技法である。「新緑の蔦」は「青蔦」という季語があるので、音を節約するならそちらの方がよいが、兼題の「緑」を使いたかったということだろう。

9点 緑道にひとり雀の子の呼吸 港

 蚕豆さんが「天」を付けた。芭蕉の「古池や・・・」のような静寂な句である。この句は「緑道にひとり」で切れる(「ひとり雀の子」と擬人化して読むのではなく)。作者はひとり緑道で立ち止まる。雀の子の呼吸すら聞き取れるほどの静けさである。もしこれが巣から落ちこぼれた雀の子が緑道にいるのであれば、そうはいかない。親を呼ぼううとしてチュンチュン鳴きまくっているはずである(私はそういう雀の子を保護して3年間書斎で飼っていた。そのとき書斎は雀荘であった)。

8点 カーネーション小銭出す手のおぼつかず まゆこ

 あやこさんが「天」を付けた。子供が母の日のカーネーションを買っている情景である。と、何の疑問もなく読もうと思えば読める作品であるが、月白さんは中高年の女性が超高齢の母親のためにカーネーションを買うという情景を思い浮かべたそうだ。最近はなんでもキャッシュレスなのでたまに小銭を払うという動作がおぼつかないのである。

8点 飲みたきは遠くの街のソーダ水 たかじ

 私の句。紀本さんから「天」をいただいた。遠出や旅行ができない状況を詠んだ「コロナ句」である。「遠くの街」は松本を念頭に置いているが、もちろん海辺の街でもよい。こじんまりした「町」ではなく、それなりの「地方都市」である。そこには訪ねたいカフェがあり、会いたい人がいる。実際に松本でソーダ水を飲むことはないのだが(コーヒーやジンジャエールやリンゴジュースが多い)、夏の句なので「ソーダ水」という季語を選んだ。

7点 日没の場所変わりたる五月かな たかじ

 これも私の句。犬茶房さんから「天」をいただいた。私は自宅の三階のベランダからよく空を眺める。ベランダは南向きなので、春分の日頃までは日没の場所がわかる。しかし、それを過ぎると視野の外(北側)にスライドしていって、ベランダから乗り出さないと見えなくなる。5月、日没の場所はもうまったく見えない(なので日没の風景の好きな私は散歩に出ることになる)。そういう定点観測的な写生句である。

6点 緑風やペダルゆらゆらヒジャブ過ぎ 犬茶房

ムスリムの女性が布に身を包んで5月の街を自転車に乗って目の前を行き過ぎていく情景。私はこの句から明治のハイカラな女学生が羽織袴で自転車にに乗って街を行く情景を連想した。「ペダル」や「過ぎ」の位置がここでいいかは推敲の余地ありと思う。

6点 我が犬の甘噛みやさし昼寝覚 蚕豆

 月白さんが「天」を付けた。これが蚕豆さんの作と知って意外な気がした。モチーフ自体もそうだが、「甘噛み」と「やさし」の重複や、「我が犬」の「我が」の余剰が気になったからである(飼い犬以外の犬が外から入ってきて寝ている主人を甘噛みするという状況はまずないであろう)。蚕豆さんのことだから、そういうことは承知の上でのあえての作品だとは思いますけれど。

6点 記憶から消し去ったのに風薫る 紀本直美

 初夏のころの苦い記憶(だろう)が薫風に蘇るという意味の句だが、渺さん(この句に「地」を付けた)が「この句も官能的ですね」と感想で言われたので驚いた(「この句も」というのは、「玉ねぎの・・・」の句を念頭に置いてのことである)。ど、どこが?!薫風に何かを連想させる匂いでも混じっているのかしら。もちろんどんな作品も官能的に(=身体性を帯びて)読もうとすれば読めないことはないのだが、「風薫」というさわやかな季語の句ですからね。これが「汗ばめる」とかだったらわかりますけど。 

 以下の句の感想は時間の関係で割愛させていただきます(ごめんなさい)。

3点 新緑や「お」の字「む」の字に似たドリル まゆこ

3点 母の日に母の逝きし日数えおり 蚕豆

3点 逃走の準備万端五月晴れ 月白

3点 来た道を引き返したり青葉風 恵美子

3点 親譲り一日遅れの母の日 あやこ

3点 翡翠は緑の箭となり測量す 蚕豆

1点 浅蜊らのひそめく夜半の台所 犬茶房

1点 人入れぬ薔薇園まさに花盛り 渺

1点 万緑にYシャツを干す昼寝する 月白

1点 連日のみどりのタヌキもういいよ あやこ *「みどりのタヌキ」は小池都知事のことらしい。

1点 春愁はミックスジュースのような味 恵美子

1点 我もまた水の族か春驟雨 渺

1点 早緑の新茶の底に眼あり 月白

次回の句会は7月11日(日)。兼題は「さらさら」「きょろきょろ」など2度繰り返す言葉(出題はまゆこさん)。

では、みなさん、ごきげんよう。

句会を終えて、散歩に出る。JRのガード下をくぐって、東口方面へ。

「スリック」に顔を出す。5月5日以来だから10日ぶりである。

句会でずっとしゃべっていて喉が渇いていたので、冷たいドリンクが欲しい。もしセパレートティーがメニューに出ていれば注文したかったが、まだだった。マロウカルピスを注文する。

シフォンケーキは前回食べて美味しかったオランジェットを選んだ。

マロウカルピスはカルピスの原液にマロウブルーを使ったハーブティーを注ぐ。

酸性のカルピスに反応して、青から紫、

そしてピンクに変色していく。

私の後に女性の二人客が入ってきて、それがおそらく本日最後の客である。彼女たちが注文したお茶を出してから、マダムは厨房から出てきて、おしゃべりをした。

5時からライブ配信の朗読劇を聴くことにしているので、4時半を回った頃に店を出た。少し歩いたところで、後方から「先生!」とマダムの声がした。「忘れ物です!」とマダムが書類(句会の集計結果を記入した書類だ)を持った右手を高く上げた。そのとき私の頭に浮かんだのは川端康成の『雪国』の一節だった。

 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。向側の座席から娘が立って来て、島村の前のガラス窓を落した。雪の冷気が流れこんだ。娘は窓いっぱいに乗り出して、遠くへ叫ぶように、「駅長さあん、駅長さあん」

帰宅して、5時から朗読劇『コンタクト・シークエンス』をライブ配信で視聴する。本来であれば、昨日、劇場(江古田の「兎亭」)で観るはずであったが、急な会合の予定が入ったので、今日のライブ配信に切り替えたのである。

句会の感想でエネルギーを使い果たしたので、朗読劇の話は後日とさせていただく。

夕食は鶏の照り焼きのとろろ掛け、味噌こんにゃく、玉子と玉ねぎと味噌汁、ごはん。

甘辛のタレの上にのっている。

デザートは葡萄。

皮のまま食べる。

『山下達郎のサンデーソングブック』をタイムフリーで聴く。

風呂から出て、本日中に提出されたレビューシートのチェック、日記、ブログ。

2時過ぎに就寝。