ひきつづきスーツネタご容赦・・・衣替えの一環でちょうど20年前に買ったスーツが発掘されましたので(爆)、インプレッションをしてみましょう。モノはアランフラッサーというNY在住のデザイナーさん、というか服飾評論家の作品。当時はオンワード樫山がライセンス生産。折からのブリトラブームの波に乗って大ブレーク。価格的にひとまわりお安かったこともあってラルフローレンをもしのぐか、というイキオイのあったお方です。画像にある名著「Clothes and the man」は、いまだに通用する服飾史の参考書として秀逸。つまりは古くならないスタイルを提唱しておられたはずなのですが・・・
生地はゼッタイに古く見せないトロピカルウール。チャコールグレーの色合いも王道なら、2・5cm幅のチョークストライプもこれまた王道。いつまでたってもなくならないはずのパターンで押します。これ着て商談がうまくいかなかったらあきらかにご本人のポテンシャルに問題がある、と(爆)、そんな隙のない生地っす。ところが、ジャケットを羽織ってみてびっくり!!
みなさまバブルの頃に不動産屋が着ていた、と言ってわからなければ、現在35歳前後のオトーサンが成人式に着ていたスーツまたわゾク上がりの同級生が着てきちゃったアレ・・・アレを思い出してください(完全意味明瞭)。そうそう、肩パッドこれでもか、エリとラペルの接合部分(ゴージと呼びます)がどよーんと下に落ちて、ボタンが下のほうにぶら下がってたアレっすよ!!ナニワ金融道を見ても、同様のモデルが活躍中ですが(爆死)、とにかく前身頃全体が下にさがっていて、まああそこまで極端ではないにしても「こんなだったっけぇ~???」となってしまいました(号泣)。
だって~、アランフラッサーとくれば当時のブリトラの雄ですよ!それも通好みといわれてニンキ抜群、売り場ではすぐに完売となって次の入荷待ちだなんてザラだったんすから(爆)・・・まあね、サスペンダーを使わないとはけないパンツのタノシミですとか、ラペルにはしっかりとフラワーホールが開けられていて、しかも花の茎がしっかりホールドされるようにロープまで渡してあった、などディテールに学ぶところは非常に多くて、当時ははまりまくったものですが、これも時代なんですねえ(とほひめ)。それにしてもここまで陳腐に映ってしまうとは情けないです。モードだったのですね>フラッサー
グッチやプラダなど一連のモード系の去年のスーツを引っ張り出してきて、「今年着られねえぢゃねえか!どうしてくれるんだ」と騒ぐお方はいらっしゃらないでしょうが、服飾の歴史本まで書いておられるお方がこれぢゃあ、と騒ぐのは、私が甘いのですね(涙)。フラッサーも所詮はショーバイだった、と。数年後には見向きもされない、どころか恥ずかしくて着られないようなプロダクツを「作らされていた」、というのが本当のところなのかもしれませんが、いずれにしても懐かしい(爆)!!
ビジネススーツなんて、こうやって使い捨てられてゆく運命なのだ、といい切ってしまうのは簡単ですが、スーツをシュミの一環としてとらえたい私としては「投資に値する」ものでなくては困ります!サーティーズルックがそれに応えられるのかはまだ未知数ですが、少なくとも80年近くを経てもいまだに新鮮でエレガントとなればやはり揺るぎのないところでしょう。
さらに衣替え発掘を続けてゆきますと、時代を超えて変わらないスタイルがザクザクと・・・(以下痔号)
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