九州グルメの個人的にはナンバーワン!せいろ蒸しでございますよ~!
なにを隠そう、私もほんの15年ほど前までは必死こいてうなぎを割いておりましたので、そのムズカシさ、奥深さは身をもって(爆)存じております。満足ゆく仕上がりを得ることができたのなんて数えるほど。なにしろムズカシ~。蒲焼にするうなぎは瞬間芸で割いてやらないと、うなぎが痛がって悶えた挙句、切り身が雑巾のようにズタズタになってしまう、という結果がすぐについてくるお料理です。他のお魚をおろすのとはワケが違う。
で、ヒツマブシやせいろ蒸しのように切り身となったお姿のうなぎではそのあたりはシビアには追求されないのに対して、関東風のうなぎでは蒲焼となったそのお姿が鑑賞の対象になります。おもに尻尾の切り身の上縁と下縁に包丁捌きのワザがしっかり出ます。さらにお江戸風ではどこまで柔らかく蒸すか、というあたりも味わいどころで、串を打って蒸すのは良いのですが、ここまで柔らかいのをどうやって炭火で炙ったのか、というあたりまで蒸し時間を追求した、お箸で持ち上げた瞬間にハタリと御飯の上に落ちる、それくらいのレベルをあじわうのが、蒲焼のいっぽうの愉しみというものでしょうか・・・また、本来の川魚としての歯ごたえや臭みを生かした蒲焼も随所に存在しており、そいつをあじわうのもまたよし。また、大阪界隈で普及している「まむし」。腹割きの蒸し無し、という流儀もまた興味深いです。カリッとした食感がウリですが、東京風にある洗練のようなものとは対極か。
九州名物といってよい、せいろ蒸しはわりとお気楽です。御飯ごと蒸しあげたカットうなぎ(爆)のタレと油がご飯に染み込んでえもいわれぬ味わいとなるあたりが味わいどころですが、なんともこたえられない美味でございます。フシギと九州以外ではほとんど見かけないスタイルなので、上陸したあかつきにはどこで食べるか、まずは押さえておくのがデフォルト。
日田の中心街には豆田と呼ばれる、天領だった頃の町並み保存区域があって、ご他聞に漏れず観光スポット化されているのがまことにウザいわけですが(爆)、観光案内所で訊けば、そのなかになんと3軒ものうなぎ屋があってしのぎを削っておられるご様子。案内所の方を問い詰めて(爆)、どのお店が一番なのかを訊きだして、今回はそのうちの「いた屋」にお邪魔いたしましたが、王道。かなりゆったりした造りのお店でしたが、お客様のほとんどは「せいろ蒸し」ネライでしたよ。ハズレのないせいろ蒸しはほとんどどこで食してもうんまい~。できれば赤ワインと一緒に、とほざきつつ以下痔号。