嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

加齢なる遠足 ロンドン2016-7 John Lobb City 2 in Red Museum Calf

2016-02-25 11:42:30 | 履き道楽

さて、今回ロンドンで引き取ってまいりましたブツをご紹介いたしましょう。

識者のみなさまには先刻ご承知ですが、City2はJohnLobbを代表するロングセラーにしていまだにベストセラー。

シンプルな外観も長い年月を経て(30年程度?)不動のバランスを確立しています。これ一足ありゃあ、の代表。現在では、アウトドアぽい雰囲気をかすかにまとったCity3も選択可能ですし、さらにアクアカーフと呼ぶ、耐水レザー(!)を使った最新型もリリースされていて、JohnLobbの製品の中でも特異な展開を続けています。

City1は、発表当初から8695と呼ばれる、今から思えば若干ぽってりした古風な木型に乗せられて、もちまえのバランスの良さとキャップトゥの普遍性から大ヒット。

2003年だったかその頃に、木型を細身で、ロングノーズな7000に載せ替えます。

普通でしたらここでCityの名前は捨てて、全く新しいモデルとして扱うところですが、Cityという名前を継承しているあたり、このモデルの特別な性格が伺い知れます。それほど売れていたのだ、という見方もできます。

とらやの「おもかげ」が、名前を変えない事情とまったく一緒です(爆)。RolexのDate Justもそうか。ポルシェだって、911が811になったらイヤでしょう(爆)?

JohnLobb好きな方とお話ししますと、Cityだけで色違い、ソール違いで5、6足持ってるんですよ、なんて方がゴロゴロいて、そんなのフツー(笑)。

や、ほんとうです。いつの間にかたまっちゃって、という言い草もほんとう。

実際、こんかいの引き取りの折にも、John Lobb London の店内に香港のかたがいたのですが、彼も買ったばかりのダークブラウンのCityを嬉しそうに抱きしめて、これが3足目のCityなんですよ、と言っていました(まじ)。

私にとっては、これが初City。

靴ヲタの世界でもこのCap Toe Oxfordというのはひとつの究極ですから、かならず目指す。たどり着く先は、まあJohn Lobb かEDWARD GREENが2大双璧となっております。

わたしは、そのEDWARD GREENのキャップトゥ=Chelseaに25年前に走ったおかげで、このCityに手を出しそびれていた、というわけです。一足ありゃあ、十分ですしね。

 

ふうん、そんなものかニャー、と半信半疑なももちゃん(爆)。クツを見ていたら、御登場でございます。

クツってのは、手にしてみてはじめて分かる部分てのもずいぶんあります。えもいわれぬ全体のバランス感とデザインが、やはりキモか。シンプルの極みといえるステッチも非常に丁寧。そういうディテールの集合で、たとえこの色であっても落ち着いた雰囲気が出せています。

発注からはじつに1年を経て手元にやってきたわけです。じつは去年の夏前には完成していて、ロンドンから自宅へと送っていただいても良かったのですが、それですとVAT Refundはもちろん不可。さらに日本の税関にもミゴトに課税されてしまい、去年のレートではうまみが薄くなってしまいますので、直輸入(完全意味明瞭)の機会を待ったわけっす。

今年のレートでしたら、メリット大アリなのですが、じつは私のラインナップはこのあたりでほぼ完成です。これも欲しい、あれも欲しいなどとやっていると、まーた元の木阿弥となりますからコレクション拡大はしばらく自粛っす(珍)。

 

これね、とくに磨いたわけでわないんですよ。クリーム塗って、軽くナデただけ。John Lobb謹製のMuseumCalfの質の高さがよく分かるショットです。

Cityはクラシックラインですから、プレステージの革質よりも一段劣るはずなのですが、そんな風に見えない。バイリクエストだからかな?肌理もパーツごとにミゴトに揃えられているのが効いている気がします。一昨年手に入れて、すぐに手放したWestbourneの統一感にかける仕上がりとはエライ違いです。

そういう統一感と、とことんシンプルなステッチが相まって、どことなく落ち着いて見える、ということだと思います。

レッドミュージアムカーフは浮きがちな色か、と去年ロンドンで実際に目にするまでは考えていましたが、じつはバーガンディ(ワインレッド)のバリエーションにすぎません。同系のPlumもそうです。Plumは、もうちょいと赤が弱く、輪郭はぼやけます。バーガンディが強めといってもよい。Redは赤といっても強くて派手なやつではなくて、黒をだいぶ混ぜた感じ。沈んだ感じのそれなので、浮きにくいわけ。

ハイライトが当たると派手に光りますから、スパイスの役割ですかね。

ライトグレー、ダークグレー、ネイビー、ブラウンのボトムズなどに違和感なくあわせやすい、と個人的にはおもうのですが、ミュージアムカーフは変色(褪色)も期待できますから、今後の成長次第です。

じつはロンドンで引き取ったその晩、ガマンならず。こっそり履いて、近所のスーパーに行ったのはナイショっす(物品税の払い戻しを受ける場合には未使用が条件なんすね)。もうね、足入れした瞬間から気持ち良い。ちょいと小雨混じりでしたけど、どうってことない。イギリス靴なんですから(きつぱり)。

このところハマっている、本来のサイズよりもハーフサイズ上げたDワイズのフィールは気持ち良いです。じつに一昨年から始まったコレクションのリニューアルもこのDワイズフィットのカイカンに目覚めたのがきっかけでした。

 

というわけで、すでに履き始めております。どうやら長いおつきあいができそう。やはりロングセラーってのは持ってるものがありますぜ、ううむ。

そんなにいいニャラちょっとかさんかい、と(汗)。やめてー!!