ロンドンは美味しい、と近年いわれているみたいですけど。そこまではどうかな、と思います。
どちらかというとあまり期待しないほうが、と言われていたのが、ファッションにも見られるグローバルな流れで、ファストファッションならぬファーストフードが台頭して、一様にならされてしまったおかげで「フツー」になった、と。そんな程度でわないかな、というのが私の印象です。
もちろん、伝統的なイギリス料理のお話ではなく、ロンドンに暮らしている人たちの日常の食、のお話ですから念のため。
この期待しないほうが、ってのは外から流入したいわゆる「外国人」がのたまってるだけ。自国の人々はこれはこういうものだ、ということで納得なさっているはず。つまり誰の口にも合うわけではないよ、と。
ただし、対岸のフランスと違い、味覚あるいは食にそれほど関心がないのではないか、という印象はあります。というかフレンチがすごすぎなんですね。世界遺産認定ですし。
ありとあらゆる人種が集まってきている大都会、というか極端な人口密集地なので、そんな個人の味覚の観点でくくるのがそもそも無理。いち旅行者がノコノコ出かけて行って、ほんの数食しただけでああだこうだ申しますのは、作り手に対しても、食べてに対しても失礼というものです。
旅したものは、せいぜいがその料理とお店が自分の好みに合うかどうか、その辺りを経験と勘でチョイスすれば良い。
実際、レストランのHPなり、歩いていて看板やメニューを眺めていますと、ここで供されている料理がどこのものか、ってのは一発でわかるようになっていますから不安なく食事ができます。
選択肢が無限にあるので、アセって決める必要がなく、迷いっぱなし、てのはありますけどね(爆)。
街に一軒しかない食堂、のような条件があれば判定はいとも簡単ですが、街に5000軒のレストランがあったら、それこそ、この街は美味しいのかどうか、などという判断なんてできやしない、というわけです。
そんな中で、気になった一軒。
画像は、SouthKensingtonにあるミシュラン直営のレストランです。これのすぐ奥はコンランショップ。
South Kensingtonは、そこらぢゅうにアストンマーティンが路駐してあるような、超高級住宅街です。心なしか、歩いている人々もお金持ちに見えてしゃーない(爆)。
ロンドンのミシュランオフィスを改装するにあたって、店内のリニューアルを行った折にはあのコンランさんが全面バックアップだというから、お料理だけでなく建物そのものにも見所多し、ということでわざわざ予約して出向いてみました。
ものすごい空腹というわけではなく、食べてのコンディションは万全というわけではなかったのですが、前菜あつかいのステーキタルターレ(タルタルステーキ)をメイン向けに盛りを増やしてもらったのとチップスというおつまみ系で攻めましたけれど、よかったです。グラスの赤ワインぴたぴた。
メニューのバリエーションが少ないのは英、米のレストランに共通で、芸がないと言えばそうなんですが、逆に安定感もあります。
店内の写真は写しませんでしたけれど、たとえランチでもジャケット着用が推奨されるクラスのレストランなのですから、John Lobbをはいて(そこかい)それなりに振舞いますと、ヒジョーに気持ち良く過ごすことができます。