嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

ロンドン2016-10 John Lobb Chapel in Gold Lizard

2016-02-29 18:32:45 | 履き道楽

ガーン、真打登場でございます。それこそ20年越しの念願叶って、ようやく手に入れた一足。

JohnLobb Chapelは、虎やで申しますと、黒砂糖羊羹「おもかげ」のバリエーションです。それもデザイン性をダイタンに取り入れて、そいつが異例なまでに成功している結果、非常にモダンな印象をもっているモデルですから、それこそ虎やパリ店開設30周年記念に限定発売された(なぜ知ってるの)ラムレーズン羊羹(!)の位置づけでしょうか(のけぞる)?

で、そいつをバイリクエストで、爬虫類革で仕立てていただく、というのがこんかいの注文。

JohnLobbでの爬虫類はワニとトカゲに限られていますが、仮にワニでいった場合には日本円換算で240万円ほどになろうか、というレベルですからトカゲも推して知るべし(脱力)。トカゲの場合はまあ、手が届きそうな範囲にあって、ロレックス一本分(モデルによる)程度、ということで「比較的」お手頃でございます。

ナゼ、そんなに高価なのか。それはchapel の構造によります。じつに一枚革で仕立てられているモデルな関係で、chapel用に原皮を確保する場合には大型の素材、つまりオオトカゲの捕獲が必要なわけ(完全意味明瞭)。

このモデルを注文する折には、最大で2年待ちになる場合がある、といってあらかじめ念を押されるわけです(驚愕)。

受け取りには、産地と輸入経由地の証明書が付属しておりました。じつにインドネシアでの捕獲から始まり、そいつが香港を経由して、英国に渡ってこのようなお姿に加工されたのちに、私の手で極東の島国に運ばれる、というね(とほひめ)。

私も、リザードで何か作ろうかな、と考えたときに真っ先に思いついたのが、ヒジョーに贅沢な一枚革で仕立てられるこのchapelのバイリクエストなのでした。

が、折からの円安で手も足も出ず、なうえに原材料その他はつねに値上がり傾向にある。

ちなみに画像のヒール部分に継ぎ目がみられるのは、爬虫類革モデルにのみみられるchapelの特徴。カーフではここに継ぎ目はなく、まさに一枚革で仕立てられています。爬虫類でそいつをやっとくれ、というお話になるともろにビスポーク扱いとなってしまい、上代はVWゴルフ一台分、ということになるようです。

まさにとんでもない思いつきだわ~、と思い、その後は自粛していたのですが、そのかん各バイヤーさんを通していわゆる並行輸入で買ったJohn Lobbの各モデルがもっている、普遍性のようなことに目覚めてしまい、いつかどこかで実現させたる、といって狙っておりました。

折からの円安傾向で、間違っても買い時とは言えないところながら、金額の上下をいちいち気にしていると一生買えない。

去年の渡英のおりに、ロンドンの顧客リストに名前が載ったのを機会に一気に勝負に打って出たのですた(おおげさだって)。

が、まあね、円安ゼッコーチョーの最中、あまり賢い買い物とわいえなかったと思いますけど、国内正規店舗の価格を考えますと、やはり安い、というか現実味を帯びるのです。VAT Refundを考えますとそれほど悪くない。

なんといっても、この質感ですよ!革の厚みがすごくて、ゴツいのかと思いきや、しなやか。トカゲの革はじつは丈夫で、剥がれの心配なども少なく、手入れに神経質になる必要もない、というまさにクツの素材としては理想に近い、とのこと。

ううむ、たまらねえ(爆)。ちなみにjohn Lobbでは、お手入れにはフツーのデリケートクリームでいいんですよ、と言われたのですけど、真相不明。

帰宅してから一応、爬虫類専用のクリームを軽く塗ってナデナデしておきますた。

引き取りからはすぐ、ロンドンの街中で3kmほども歩いてまいりましたが、柔軟性たっぷりでカイカン。色がご覧のような明るめのブラウンなので、対応範囲が非常に広い、とみました。

chapelがのせられている、この8000という木型では、かかと部分が若干浅めに作られている関係で、ある程度歩いて、かかとが沈み込んでからが本領発揮なので、ナラシが必要なのです。

VAT Refundには、新品未使用が条件である、ということですが、検品されることはまずないので心配はないと思われます。万が一検品されてもクツごときですと試しただけですよ、で済んでしまいます。

できれば、ミガキを入れてから、とも考えたんですけど、手に入れたものは、いち早く自分のものにしたい、ってのが私のスタイル。

このまま長野に持って帰ったのでわ思い出にかけるわな、とおもって、翌日でかけたOld ~New Bond Streetを流すのに履かせていただきますた!もうね、一生の思い出。ってこれが履き初めなわけですから出発点として申し分なかったっす。

濡れた路面でしたけど、どうってことないわ、と。じつわバスから降りる折にステップのフチでザリッとやってしまったので、その後15mほどの間、自己嫌悪に陥りました(爆)が、なにただのクツです。それになんといっても支払い済みですからして(完全意味明瞭)。

リザードは履きこむにしたがい、褪色が起きる、ということになっておりますので、そのあたりが今から楽しみ。今回のこれはGold という呼び名ですけれど、ラインナップには定番のBurgandyやNavyなどもありますから、この質感は他のモデルでも楽しんでみたい昨今(できれば、のおはなしです)。

 

 


ロンドン2016-9 John Lobb Deauville インプレッション

2016-02-29 16:29:25 | 履き道楽

 Deauville はJohnLobb謹製のブーツ。サイドから回り込む、2本のストラップの機能性とデザインに加えて、バックルの美しさなどが際立つ、スペシャルモデルです。ボクスターでいえば(なぜ)スパイダー、そのもの(爆)。

なぜか国内の店舗では注文を受け付けてもらえず、レアだ、ということになっております。

私の仕様は、Midnight Suedeにoctober soleと呼ぶ、ゴム底装備です。こいつで、こんかいのロンドンを攻めてまいりましたけれど、予想通りのはき心地で非常に重宝いたしました。

所有して3年にもなろうか、という靴なのに、「予想」通りだ、などと申しますのは、こんなに集中的に履くことがないからです。もう一足くらい持って行きゃあよさそうなものですが、たび、特に海外へのそれでは極力荷物を減らすのをヨロコビとしておりますので、いたしかたない。

第一印象は足への当たりの柔らかさ。

ただでさえ、スムースレザーよりも柔らかいところにゴムの底ですから、当たり前なんですけど、この組み合わせは実質6日間、朝から晩まで履きつづける、という靴にはヒジョーに過酷な条件でもダメージ最小限ですみました。

このあたり、じつはフルレザーラインニング、それも一枚皮で作られている裏地の効果で、歩行によるダメージからの復元力には特に優れているのがアリアリと感じられてすばらしいです。まさにボクスターのタイア一台分の対価を要求されるだけありますけれど、むしろ安い、と。

ロンドンは季節を問わず、天候が不安定なので有名ですけど、基本、雨~小雨を想定しておけば間違いない、とそんな感じです。

スエードさらに良し、ということになります。

バックスタイルも抜群のかっこよさ(自己満御容赦)。

Midnight Suedeは、グレーがかったブラック、という理解で良いと思います。入手当時はダークブルーが入っているのか、と勝手に想像していたのですが、グレーを感じます。

木型はcityとおなじ7000。味わい深い一足っす。

また、雨に濡れたり、泥をかぶってもブラッシングのみで蘇っちゃうのもたすかる。まさにロンドンの天候向けの一足といえるか。

さいきんのスエード専用の栄養スプレーには着色能力もあるやつがリリースされてますけど、ビミョーなMidnightの色目には無色以外はこわくてつかえません。