嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

彩り河 松本清張

2008-01-23 11:55:30 | 今日の逸品

00123_004 今日は本州南岸を低気圧が通過なさる(爆)、とのことで都心でも大雪、こちらナガノでは驚くほどではないのですが、それでも屋外活動は休止か、というくらいには降っておりますよ!ううむ、厳寒期にふさわしいっす(寒)。でも南岸低気圧って春の気候の特徴だったよな、と・・・

そんななか清張センセの名作超長編!「彩り河」を再読いたしますた。首都高の料金所のシーンからいきなり読むものを引きずりこむセンセの手腕はあいかわらずオミゴト、の一言!サスペンスだミステリーだ、というジャンルにはとどまらず、ニンゲンの営みに関連するあらゆるジャンルにまたがった綿密きわまる取材に裏打ちされた情景描写が秀逸。10年ぶりくらいの再読だったのですが、こんなにお上手だったか、というくらいに引き込まれます。時代を感じさせるか、といわれればそこはそれ、中央道が勝沼までだった時代の設定ですから古いのはあたりまえながらそれをまったく感じさせない筆致はすばらしいです。81年から83年にかけて文芸春秋に連載された作品だったそうですが、単なる読み物に終わらず、さまざまな風刺、アイロニーにあふれる一文一文を味わえる名作と申せましょう(きつぱり)。ドラマおよび映画化にもうってつけで、実際何度となく実現しておりますが、やはり原作ほどにはセンセのアイロニカルな視点ならびにねちっこい性格(爆)は画面には生かせておらず、読むのに限りますね~>清張作品!な★★★★★!!ううむ、ニンゲンの煩悩は奥深いことよのう、の99点。


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