文化逍遥。

良質な文化の紹介。

わたしのレコード棚―ブルース74、Buddy Boy Hawkins

2019年07月16日 | わたしのレコード棚
 前回「わたしのレコード棚―ブルース73」で取り上げたウィリアム・ハリスと同じCDになり、さらに、このブログ2018.3.9に紹介した記事と重複しているが、今回改めて聞き直したので別項として書いておくことにする。御容赦願いたい。

 バディボーイ・ホーキンス(Buddy Boy Hawkins)は、本名ウォルター・ホーキンス。生没年など、その生涯の詳しい事はわかっていない。ポール・オリバーによるCDの解説などには、ウィリアム・ハリスと同様にミシシッピーやアラバマなどの南部を巡回していた「黒人ミンストレルズ・ショー」あるいは「メディシン・ショー(薬を売るために人集めを目的としたショー)」で活動していた演奏家、だったとしている。


 オーストリーのレーベルDOCUMENTのCD5035。ウィリアム・ハリスとバデイボーイ・ホーキンスとのカップリングCD。1927―1929年の録音なので、おそらく二人とも19世紀後半の生まれなのではないだろうか。写真は、ハリスか。
 バディボーイ・ホーキンスは12曲を収録。1927年頃のシカゴでの録音が8曲。1929年6月14日、インディアナ州リッチモンドでの録音が4曲。これで、バディボーイ・ホーキンスの残した録音は全てらしい。そのリッチモンドでの録音の中の「Snatch It And Grab It」ではギターのみでヴォーカルは不明とされている。が、チャーリー・パットンの可能性がある、とCDジャケットはしている。確かに、その日に同じ場所でチャーリー・パットンは録音しているので、急なセッションで参加しても不思議ではないが、声が少し違うようにも聞こえる。

 バディボーイ・ホーキンスのヴォーカルのヴォイスコントロール、及びギターのテクニック及びスタイルは豊富で、メディシン・ショーなどで人を集め引き寄せる力量がそこに感じられる。さらに、音をコントロールする能力も高い。現代のギターリストでも影響を受けた人は多いのではないか、と感じた。特に1927年録音の「A Rag Blues」は、90年以上前に演奏されたとは感じられない曲で、いつか自分でもコピーして演奏したいと思っている。

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