金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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59:川上弘美 『ニシノユキヒコの恋と冒険』

2007-05-06 14:42:52 | 07 本の感想
川上弘美『ニシノユキヒコの恋と冒険』(新潮社)
★★★★★

感じの良い容姿とふるまいで次々と女性遍歴を重ねる
ニシノユキヒコ。
恋のはじまりと終わりを、彼と交流のあった10人の女性たちが
語る連作短編集。

『センセイの鞄』を除き、すごく好き!と言える話のなかった
川上弘美だけれど、これは好き
ふわふわとしたうわの空の雰囲気で、ちょっと悲しくせつない。
好きなフレーズもいっぱい。

こういう男の人っているなあ。
きっと同性から見るとたいしたことがなくて、
軽んじられそうなんだけど、異性にはめっぽうもてて、
最後には憎まれずに憐れみを抱かせてしまうような。
学生時代のバイトの先輩にすごく似たタイプの人がいたので、
なんだか妙な説得力を感じてしまった。
自己憐憫の強い人がわたしは苦手で、読みながら
「自分のこと可哀想だと思ってるだろニシノ!
と思ったのだけれど、実際近くにいたら
恋しちゃうかもしれないわ~
本屋さんのポップに
「結局女はダメ男が好き!」
と書いてあったのにウケました。


コメント
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