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★★★☆☆
【収録作品】
橋本治「愛の矢車草」
小松重男「代金百枚」
アイザック・アシモフ「迷い犬」
幼くして父親になってしまった少年が、子供を
引き取ろうとするところからはじまる「愛の矢車草」。
主人公の卓也がいろんな意味で不気味で、
母の智恵子の恐怖がよくわかる。
そして父の文彦の大人げなさと言ったら……。
人のいやな面を容赦なく描いているのだけれど、
おもしろい。
しかし、なぜ矢車草なのだ……?
『蝶のゆくえ』でも思ったのだけれど、
橋本治のタイトルセンスはよくわかりません。
「代金百枚」は時代小説。
やっぱりな、というオチではあるのだけど、
ほのぼのユーモラスな作風で楽しめました。