金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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230:井上靖『後白河院』

2020-11-06 00:59:07 | 20 本の感想
井上靖 『後白河院』 (新潮文庫)
★★★★☆3.5

【Amazonの内容紹介】

激動の平安末期に跋扈した怪人物の真の姿。
井上歴史文学の傑作、今甦る。

朝廷・公卿・武門が入り乱れる覇権争いが苛烈を極めた、激動の平安末期。
千変万化の政治において、常に老獪に立ち回ったのが、
源頼朝に「日本国第一の大天狗」と評された後白河院であった。
保元・平治の乱、鹿ヶ谷事件、平家の滅亡……。
その時、院は何を思いどう行動したのか。
側近たちの証言によって不気味に浮かび上がる、
謎多き後白河院の肖像。
明晰な史観に基づく異色の歴史小説。
用語、時代背景などについての詳細な注解を付す。

【目次】
第一部(語り手・平信範〔のぶのり〕)
第二部(語り手・建春門院中納言)
第三分(語り手・吉田経房〔つねふさ〕)
第四部(語り手・九条兼実〔かねざね〕)

*************************

第二部の「建春門院中納言」は、「たまきはる」の作者で
藤原定家の姉。
この第二部と兼実の第四部を目当てに購入。

人名や女房名を羅列しているのに読みやすい……と思ったが、
それはわたしが関連本を読んでいたからそう思うだけで、
まったくこの時代に詳しくない人にとっては
何が何やらわからないかもしれない。
後ろに注釈がついている点から見ても、
本編はかなり不親切な作りなのかも。

兼実もそうだけど、出仕しなかったり出奔したりしても、
何食わぬ顔で政界に復帰して出世する人、
結構いるんだよね……。
右大臣なのに職場に出てこないってすごくない??
よく罷免されなかったな。
もちろん作中でも経房が文句言ってるんだけど、
面の皮厚すぎる。


コメント
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