金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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238:室城 秀之 『うつほ物語 ビギナーズ・クラシックス』

2020-11-20 21:25:44 | 20 本の感想
室城秀之 『うつほ物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

源氏物語に先行する壮大な長編物語。
ある貴族の四代にわたる秘琴の伝授を主題とし、
源氏・藤原氏両家の皇位継承をめぐる対立を絡めて語られる。
異国の不思議な体験や琴の伝授にかかわる奇瑞などの浪漫的要素と、
皇位継承や結婚に関する世俗的な話題を併せ持つ。
絶世の美女への求婚譚、三奇人のエピソードも登場し、
波瀾万丈の展開が楽しめる。
膨大なため全体像がみえにくかった作品を
初めてわかりやすく説いた古典入門書。

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ビギナーズクラシックスシリーズ。
この『宇津保物語』は特に、現代語訳で全編を読もうとしても
早々に脱落してしまうだろうから、
こうしてコンパクトにまとめてもらえるととてもありがたい。

といっても、これだけまとめてもらっても、
「これ誰だっけ??」
「この人とこの人の関係は?」
としょっちゅうわけがわからなくなって
何回も前に戻ったんだけども。

ところどころ、「これ、源氏物語の元ネタかな?」と
思えるエピソードがある。
「どう解釈していいかわからない」という言葉も二つ出てきていた。
『源氏』『伊勢』は定家が校訂した本文を残しておいたため
鎌倉時代までの本文がたどれるが、『竹取』『落窪』『うつほ』は
室町時代・江戸初期までしか本文がたどれず、
意味不明のまま残されている部分があるとのこと。

ストーリー自体はすごく面白いわけじゃないのだけども、
主軸の一つが、恋愛の成就や立身出世ではなく、
「秘琴の伝授」であることが新鮮だった。

【メモ】

・六歳でまだ乳を飲んでいる。
 主人公が三歳で飲まなくなったのは「孝養譚」として。
 当時はかなり長い間飲んでいた。

・複数の物語が合体して一つにまとめられた?

コメント
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