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★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
『新古今和歌集』や『小倉百人一首』の撰者として知られる稀代の歌人は、
どんな日常を送っていたのか。
生涯にわたって綴られた日記を縦横に読み解くことで、
宮仕えの心労と愉しみ、後鳥羽院との関係、家と家族への思いなど、
等身大の定家を浮かびあがらせ、
「武士の時代」の到来によって変貌をとげる宮延社会を活写する。
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先月に出たばかりの本。
テイストとしては、これまでに読んだ『明月記』関連の本と
大きな違いはないのだけども、
為家の妻(宇都宮頼綱の娘)が北条時政・牧の方の孫娘にあたり、
牧の方が家を訪ねてきていたとか、為家の知行国の話とか、
知らないこともいっぱいあった。
テーマを定めてそれに関する記述をピックアップしているので
どうしても話が前後して、時系列や
それぞれの登場人物が何歳のときの話なのかがわからなくなるので、
平安末期から鎌倉初期の出来事の流れを知っている人向けかもしれない。
塚本邦雄の『火宅玲瓏』と田中阿里子の『秋艶』だと、
後妻と定家の関係がギスギスしているんだけど、
この本では仲のいい夫婦と解釈していたのが印象的。
定家の光家(前妻の産んだ長男)に対する態度はひどいんだけど、
今回出てこなかった光家の同母妹に対するもの言いもかなりひどいよね。
冷泉家時雨亭文庫がYouTubeでこの本の出版記念講演を配信しているんだけど、
「冷泉家」と「YouTube」の組み合わせが面白い。
https://www.youtube.com/channel/UCTFIgFZaJ190NM27X6wWWRw