金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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245:渡部泰明 『和歌とは何か』

2020-11-26 08:05:58 | 20 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

たった三十一文字の歌のなかに、枕詞や序詞など、
無用ともみえるレトリックが使われる理由とは?
答えのカギは、「演技」という視点にあった―。
身近な疑問を入口に、古典和歌の豊富な具体例をあげながら、
千三百年も続いてきた文学形式の謎に真っ向から取り組む。
歌の言葉と人が生きることの深いかかわりを読み解く、
刺激的な一書。

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最近、和歌集をいくつか読んでいて気になったのが、
明らかに自分より身分の高い相手
(例えば、明石の上に対する光源氏)に贈る歌でも、
敬語が使われておらず、命令形だってこと。
この本の中にそれについての言及もあって、
やはり原則として、敬語は使わないものなのだそうだ。
和歌の言葉は現実の生活語とは違う次元の、
特別な役割を背負った言葉である、とのこと。

枕詞は何のためにあるか? という
あちこちで説明されているトピックについても、
いちばん説明がしっくりきた。
「五音・七音」というまとまりの中で
「五音(枕言葉)」が次の「七音」の予告となって
期待感を高める、選手紹介や相撲の呼び出しに似た
働きをしているとのこと。

コメント
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