
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
伊豆の小豪族の娘として生まれ、源頼朝に嫁いだ政子。
歴史の激流にもまれつつ乱世を生きた女の人生を直木賞作家が描いた傑作。
北条時政(政子の父)が京での任務を行っている間に、政子は頼朝と結ばれる。
しかし、任期を終え、伊豆に帰ってきた時政はふたりを認めようとしない。
頼朝とともに乱世を生きた政子の紅蓮の生涯の始まりだった――。
歴史の激流にもまれつつ乱世を生きた女の人生を直木賞作家が描いた傑作。
北条時政(政子の父)が京での任務を行っている間に、政子は頼朝と結ばれる。
しかし、任期を終え、伊豆に帰ってきた時政はふたりを認めようとしない。
頼朝とともに乱世を生きた政子の紅蓮の生涯の始まりだった――。
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Kindleの99円セールにて購入。
20年以上ぶりに再読。
大姫の生涯や静のたどる運命、
題材にされることが多すぎて食傷気味だったんだけども、
久しぶりにこうして読むと胸を打つ。
なんだか劇的すぎて、
「フィクションじゃないの? 本当に??」
と信じがたいくらいに。
政子と頼家の間の愛憎が激しくて、
読んでいて息苦しくなるほど。
頼家と安達景盛の間のいざこざには、
なんだか泣きそうになってしまった。
幕府草創の家人の家がひどい扱いを受け、
頼家が藤九郎に敬意を払わないのが悔しくて。
読んでいて、
「もう、これは頼家を殺すしかないな」
と思っちゃうのが、
『吾妻鏡』の思惑通りといった感じだけども。
実朝の死の前にも死亡フラグ立てまくったりしてるので、
『吾妻鏡』がかなり「作ってる」ことは確かだけれども、
他の詳細な記録がないから、頼家の名誉挽回は難しそう。
心動かす物語なのは確かで、
大河ドラマ関連で何か読んでみようという人にはおすすめだけど、
個人的には「すごく好きな作品」ではないんだよな~。
他の永井作品ではそうでもなかったのに、
性愛に関する言及がなんだかすごく嫌。
頼朝も政子もたいして好きじゃないからかしら。
感情的で、妙に女くさくて、
ヒロインなのにまったく好きになれない政子。
勝利者サイドにいるから、悲劇の女性という描かれ方は
されないんだけども、子ども4人が全員早死に、しかも
うち2人は非業の死を遂げているので、母としては十分悲劇的だ。