金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

31:原田ひ香『三千円の使いかた』

2022-02-19 16:55:30 | 22 本の感想
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

垣谷美雨さん絶賛!
「この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、
自分を見失うたびに再び手に取る。そういった価値のある本です」

就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。
結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。
習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。
そして一千万円を貯めた祖母・琴子。
御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、
お金をどう貯めて、どう使うのか?
知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!

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長い間積読していたもの。
タイトルの「三千円の使いかた」については、
一貫するテーマかと思いきやそうでもなかった
(お金がテーマであることは確か)。

一家とその周辺の人々を描いた連作短編集。
するすると読める文章で、
そこまで劇的な展開はないのに先が気になり、
あっという間に読了。
独身の次女、子持ちの長女、一人で暮らす祖母、
更年期を迎える母……と立場や暮らし方の違う人物に
順にスポットライトをあてていく構成なのも楽しい。


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30:永井路子『続 悪霊列伝』

2022-02-19 16:48:37 | 22 本の感想
永井路子『続 悪霊列伝
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

直木賞作家・永井路子氏の作品が遂に電子化!
平将門、楠正成、祟徳上皇など、
中世および近世の武家社会における悪霊を、
時代とともに、描いた連作評伝。
悪霊を描きながらも、歴史上の人物の人間臭さ、本質に迫る。

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Kindleの99円セールにて購入。

目次:平将門/崇徳上皇/頼朝の死を廻って/楠木正成/
   将軍家斉の周辺

この巻は平安時代から江戸時代まで。
悪霊の祟りの規模の大きさの変化から、
時代ごとの悪霊というもののとらえ方、
扱われ方の変化を考察。

楠木正成、小学校の頃に読んだ学習漫画と大河ドラマ「太平記」で
イメージが形成されていて、それがまったく更新されていなかった。
彼の出自、立場は思っていたものとはかなり違った模様。
「悪党」として登場する彼が、どうして後醍醐天皇、
そして南朝サイドにずっとついていたのか、
不思議といえば不思議だった。
この本では、代々寺院の荘官を務めていた家の出で、
幕府よりは朝廷・寺社に代表される保守側に所属していたほうが
利益の得られる立場であったとしている。

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