乃木坂太郎『夏目アラタの結婚〈1〉~〈12〉』
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
これは、最も一線を越える「結婚」!!
児童相談所に勤務する夏目アラタは、結婚に夢など抱いていない30代・独身。
彼はある日、担当児童・卓斗から
「父を殺した犯人に代わりに会って欲しい」という依頼を受ける。
犯人の名は品川真珠。
【品川ピエロ】と呼ばれる有名連続殺人犯だった…!!
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映画が面白かったので、どうアレンジしたのかを知りたくて読んだ。
主人公は、映画から受けた印象よりは、細くて冴えない印象。
(柳楽くんは、常にワイルドで強い印象がある)
真珠・桃ちゃん・宮前あたりは
かなり原作に寄せたキャスティングだったんじゃないだろうか。
映画だけ見ると、
「宮前が若いイケメンである必要あった?(中川くんに文句はないが)」
という感想だったんだけども、今回採用されなかったエピソードや設定を含め、
ちゃんと原作に則った人選だったとわかる。
ずるいところもありつつ、ピュアで真面目、育ちのいいお坊ちゃん感。
被害者とその遺族サイド、宮前、主人公の家族のエピソードをばっさりカットして、
うまく二時間で収めたのだなあ。
映画は終盤の「かわいそうな子云々」の部分が唐突に感じて
そこにはついていけなかったのだけど、これは原作も同様だった。
たぶん、自分が感情を主軸にしたストーリーラインを
整理できていないのだと思う。
でも、ついていけないなりに原作ではちょっと泣いちゃった。