倉島 節尚『中高生からの日本語の歴史』
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【Amazonの内容紹介】
言葉は人びとの暮らしや文化を映し出す鏡です。
日本語という謎に満ちた言語は、
どのようにして私たちが今日知るような形になったのか。
その全体像を明かします。
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「言葉は変わるもの。1000年経てば、同じ日本語でも
すぐには理解できないものになってしまう」
ということは頭では理解していたものの、
古典文法と現代文法 の間にあまりにも大きな違いがあり、
いったいいつどのようにして変わっていったのか疑問に思っていた。
それがこの本を読んでだいぶんわかってきて、すっきり。
各時代の音韻、表記、語彙、文法の変化について説明されていて、
「拗音が直音と異なる音として意識されるようになったのは鎌倉時代から」
とか、
「鎌倉時代あたりから連体形で文を結ぶことが一般化して、
終止形と連体形が同じ語形になっていった」
とか、
「江戸時代、関東では、打ち消しの『ぬ』の代わりに『ない』を使っていた」
とか、それぞれの要素について、「ここでこうやって変わったのか」ということがわかり、
それらの変化の集合体が現代語なのだ、とようやく体感として納得できた。
そう思うと、古典文法って、
「長い歴史の中のほんの一時期の、整然と説明できる部分」
を切り取っただけのルールなんだなあ。
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