金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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107:桜庭一樹 『青年のための読書クラブ』

2011-09-02 08:28:39 | 11 本の感想
桜庭一樹『青年のための読書クラブ』 (新潮社)
★★★☆☆

東京山の手にある聖マリアナ学園。
お嬢様たちが通うこの学校の異端者だけが集う
「読書クラブ」には、正史には決して記されない
学園内の事件を書き留めたクラブ誌があった。
部員たちが本名を隠して書き綴った出来事は、
いずれも学園にとっては禁忌の事件であり、
クラブ誌は脈々と受け継がれてきたが……

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いわゆる女子校もの。
「クララ白書」「丘の上のミッキー」はおもしろかったなあ。
「マリみて」も、代替わりまでは読んでた。
実際女子校に通っていた子がいうには
「あれはファンタジー」だそうだけど、
共学育ちには別世界なので他人事として楽しい。

この本に登場する主な人物は、
前述の作品のように女子校内の華やかなグループに
属している人々ではなく、
地味だったり、存在感が薄かったり、醜かったり
といった日陰の存在が集まる「読書クラブ」の面々。
そのため、いろいろとひねくれている。
ユーモラスな作品なのだけど、
美醜が大きな影響力を占めている
学校内のヒエラルキーにおいて、
異端とされた少女たちの理論武装が
なんだかやるせない。

雑誌に掲載された話の中で、ここに収録されていないものが
あったはず。
いつか2冊目も出るのかしら。
コメント
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