金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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大河ドラマ「おんな城主直虎」#9

2017-03-05 20:09:56 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#9

うわーん、なんじゃこの展開!!!!
予想もしないラストに動揺がおさまらないよー!
このドラマ、基本的に興味が持てないパートが大部分なのだが、
政次が不憫すぎて、そのパートだけハラハラしっぱなし!

今日の最初のトピックは、桶狭間にて、政次の弟&おとわ父、回想死。
おとわ父の自害は、部下のためってことなんだけど、
なんだか必然性が感じられず、釈然としない。
「何もしないおっさん」くらいの印象しかなかったので、
1ミリも心が動かなかったわ……。

そんなわけで、前半はどうでもいい話だったのだが、
「あとは(直親ではなく)中野に任せたい」
というおとわ父の遺言により、また家中に一波乱。
もともと小野嫌いの奥山のじいさんが、
「遺言は誰かの入れ知恵では?」→「但馬(政次)のせいだ!」。
一応、政次をかばう直親。
ほんと、直親のひとつひとつの表情が危うくて、
「こんなこと言って、こいつサイコパスだからな。何やらかすか心配……」
と思って見ていたのだが、亀よりも奥山のじじいの方がおかしくなってた……。
そんなわけで、後半は「奥山、サイコパスと化す」。

政次の働きを聞く

「家中はあいつの意のまま!」

後家になった娘とその息子を返せと言い出すが、
娘は政次のもとに残りたいという

「あいつが返さない!」

政次を呼び出し、ネチネチいびる

思いがけず政次に反撃され、しどろもどろ

口でかなわず、いきなり切りつける

老人、何やらかすかわからなくて怖い。
自分で自分をどんどんおかしな方に追い込んでるのよね。

そして、じじいに斬りつけられた政次は、おとわのもとに逃れてきて、
奥山を斬ってしまったと言うのであった……というところで次回へ続く。

ちょっとー! もういじめるのやめてよー!!
弟死んだばっかりなのにさー!
ここにしか逃げて来られないんだろうなっていうのが、
またつらいじゃないの。
コメント (2)
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40:宮木あや子 『花宵道中』

2017-03-04 22:31:06 | 17 本の感想
宮木あや子 『花宵道中』(新潮社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

どんな男に抱かれても、心が疼いたことはない。
誰かに惚れる弱さなど、とっくに捨てた筈だった。
あの日、あんたに逢うまでは――初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、
思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、
弟へ禁忌の恋心を秘める霧里、
美貌を持てあまし姉女郎に欲情する緑……
儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花咲かせ散っていった遊女たち。
江戸末期の新吉原を舞台に綴られる、官能純愛絵巻。
R-18文学賞受賞作。

**************************************************

読んだのは単行本の方。
遊里ものに期待されるものはすべて備えているんじゃないかと思う。
世間狭すぎだろうというツッコミどころはあるけれども、
読み進めるにしたがって、前に描かれた出来事の背景が明らかになっていく
構成に引き込まれた。
連作短編なのだけれども、一編一編が濃密で、
確固とした一つの世界を構築している。
後味のいい話ばかりじゃないけれども、不思議と次が読みたくなる。

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映画:『エリザベス』

2017-03-03 18:53:22 | 映画の感想
映画:『エリザベス』(シェカール・カプール監督)
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

英国王ヘンリー8世と愛人の間に生まれたエリザベス。
腹違いの姉、メアリー女王の死後、弱冠25歳で英国王女に即位。
側近でさえも誰が敵か見方か分からない中で、
恋人のダドリーが唯一彼女の心の支えだった。
スキャンダルの的となりながらも、毎晩逢い引きを重ねる中で、
国内の宗教争いは激化し英国史上最大の危機に直面。
彼女を失脚させようと、時の権力者ローマ法王をはじめ、
全ヨーロッパから忍び寄る暗殺指令と陰謀の影――。
その計画に恋人のダドリーも加わっているという衝撃の事実を知る。

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最初に見たのは大学生のときなので、もう20年前だよ……。
当時は、イギリスに関する知識をほとんど持っていなかった上、
ダドリー以外の男性は、「老人」「中年」「若者」くらいの区別しかつかず、
エリザベスを取り巻く情勢というのはちんぷんかんぷんだったのだけども、
それでも面白かったんだよね。
ダドリーなんかちっとも好みじゃないんだけども、
それでもエリザベスが彼に執着するのは理解できたし、
女王になったことで、即位前からの恋人とも、
ただ恋情だけでつながっていられず、関係がどんどん悪いほうへと
向かっていくのが切ないのであった。

20年のうちに前提知識は身についたので、内容はよく理解できたし、
ダドリーの「わきまえなさ」も見えてきて、印象は変わったかも。

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39:杉森久英 『天皇の料理番〈下〉』

2017-03-02 18:54:15 | 17 本の感想
杉森久英『天皇の料理番 (下)』(集英社文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

好奇心旺盛な篤蔵は、寸暇を惜しみ熱心に修業を続け、
華族会館、そして上野の精養軒で働くことになる。
フランス語も習得し、ついに西洋料理の本場、パリへ。
各国の王室貴族などが集まる一流ホテルで下働きとしてスタートした彼は、
人種や言葉の壁、文化の違いを乗り越えて、
一人前の料理人として認められていく―。
大正と昭和の時代、宮内省主厨長まで登りつめた男の生き様を描く感動長編。

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フランスで明治天皇の体調不良の報に胸を痛め、
崩御に号泣する主人公がなんか可愛い。
まだ宮中で働く前なのにね。
帝の神格化が強化され始めたのって、
明治に入ってからだと思うんだけど、
ここまで浸透してたんだろうか。

実際に「天皇の料理番」だった時期は、ページ数でいうと
全体の4分の1ほど。
秋山篤蔵の伝記といった感が強い。
人格的には首をかしげるところの多い主人公だが、
勉強熱心なところと負けん気の強さは賞賛に値する。

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映画:『ラ・ラ・ランド』

2017-03-02 17:59:02 | 映画の感想
映画:『ラ・ラ・ランド』(デイミヤン・チャゼル監督)
★★★★★

【シネマトゥデイの内容紹介】

何度もオーディションに落ちてすっかりへこんでいた
女優志望の卵ミア(エマ・ストーン)は、
ピアノの音色に導かれるようにジャズバーに入る。
そこでピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会うが、
そのいきさつは最悪なものだった。
ある日、ミアはプールサイドで不機嫌そうに
1980年代のポップスを演奏をするセバスチャンと再会し……。

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今年1本目の映画。
たいした前知識もなく、「ミュージカル風ラブコメ」くらいのイメージで見に行った。
まさかこんなに泣かされるとは思わなかった……。
涙ぐむことはあっても、涙が止まらないレベルで泣いたのは久しぶり。

序盤は正直、ストーリーの展開としては結構退屈だったのだけども、
今まで「意義がわからない」と思っていたミュージカルの良さが
少し理解できた気がする。
鮮やかな色彩とダンスは楽しかった。
そして終盤、ヒロインが店を発見した時点で、
先の展開が読めるがゆえに、フライング泣きしてしまった。
現実はほろ苦いからこそ、「もしも」の世界がまぶしくて胸が苦しい。

しかしこれ、10代・20代のときに見ていたら、
ちっとも良さがわからなかっただろうな。
夢をあきらめた、あるいは、あきらめなかった大人、
不遇な時代に恋人がいた人には、突き刺さるであろう話だった。
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