金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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123:渡瀬草一郎 『源氏 物の怪語り』

2019-08-05 07:46:58 | 19 本の感想
渡瀬草一郎『源氏 物の怪語り』(メディアワークス文庫)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

千年の時を経て、歴史に名を残す希代の文人、紫式部。
中宮彰子に仕えつつ、『源氏物語』を書き綴る彼女の傍らには、
とうの昔に亡くなったはずの“姉”がいた。
愛娘の賢子にとり憑いたその姉に導かれ、
紫式部が出会うのは、四人の歌人と四季を巡る四つの物語。
伊勢大輔、和泉式部、中宮彰子、赤染衛門―
当代の歌詠み達の前に現れる物の怪は、時に恐ろしく、時に儚く…
けれど人の心を映し、朧々としてそこに在る。

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静かな雰囲気の連作短編集。
起伏に乏しく明快な雰囲気ではないので好き嫌いは別れそうだけど、
デビュー作の『陰陽の京』と同様に、
この時代を愛して真摯に向き合っている感が好き。
保昌の話にはにやにやしたし、
彰子のエピソードには涙ぐんでしまった。
そうだよね、いくら寿命が短く結婚適齢期が早かったとしても
身体の成熟がいまよりはるかに速かったとは思えないし、
中学生になるかならないかという年齢で
子どもを産むことを期待されて入内だなんて酷だよね。


コメント
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