
山下泰平 『
簡易生活のすすめ 明治にストレスフリーな最高の生き方があった!
』 (朝日新書)
★★★☆☆
【Amazonの内容紹介】
簡易生活で「全人類の能力が開花」!?
明治時代に最強のライフハックがあった!
精神論や根性論、ムダな人間関係に疲れてはいないだろうか。
実は、明治の人たちも私たちと同じように、
人間関係や仕事のこと、暮らしのことで悩んできた。
簡易生活とは、明治・大正・昭和初期に知識人や庶民の間で、
密かなブームになった生活法である。
「実用がすべて・簡易で簡素・余計なものは排除」――、
このように行動すると、ムダな付き合いや虚飾が排除され、
個人のポテンシャルは最大限に発揮されるという。
しかし独自解釈をした変わった者もいて……。
気苦労が多かった明治人が残した、日々の知恵とは。
可笑しくて役に立つ、教養的自己啓発書!
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明治時代の人々の中にも、今の事情や方向性とは異なった
「シンプルライフ」を目指す動きがあったのだ、というコンセプトで、
その思想や実践の過程を文献をベースに紹介している。
副題や内容紹介から想像するほど「簡易生活」のスタイルは
完成されたものではなく、試行錯誤といった感じだし、
期待していたほど実用的な内容ではなかった。
しかし、当時の生活や思想を知ることができる楽しみはあって、
これはこれでよかった。
「なぜ代用食を食べると人格が向上するのかは謎でしかないが」等々、
筆者のツッコミも楽しい。
「日露戦争中に花を広めようとした男」のエピソードが素敵。
