吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

交通事故けが人の搬送やめる 尼崎市消防、コロナ陽性を理由に 現場に戻って置き去り その6

2022年08月26日 06時03分21秒 | 日記
 今回の搬送できなかった傷病者の父親の憤りは確かに気持ちは分かります。でも現状ではやむを得ない消防の判断だと思います。現状は救急隊が現場に出場すると次から次への搬送依頼がかかり24時間以上署にもどることはできないようです。医療崩壊状態ですので一人の傷病者に長時間かかりきりになると、次の傷病者への対応が不可能になります。いわゆる同時多発的な傷病者発生ということなので、これは集団災害に等しいです。そうするとより重症者への医療資源の投入が優先されますので、この場合の「置き去り」という文言は意図的に悪意のある表現ととらざるをえません。
 これを解決するためには救急隊を増やせ、というのは予算的に難しいでしょう。無料で救急車が現場へ来てくれる国は日本ぐらいです。国民全員が医療資源を有効活用するという意識がないとこの自治体消防制度は維持できません。
 やはりコロナ感染が減らないと難しいですが、それには個人の感染防御の徹底しかありません。個人が気を付けなければ感染拡大して医療崩壊、救急搬送業務崩壊するのは第1波から明らかです。自分の首をしめていることが続いていますね。