吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

犬の躾 その5

2015年02月28日 05時44分33秒 | 日記
 クリニックの入り口には金属製の看板を設置している。開業当初はここの看板に毎日犬におしっこをさせていく人がいた。ただ現場を目撃していないのでその人物は特定できなかった。看板の下の金属の部分には次第にくっきりとおしっこの痕が見え始めてきた。やや変色してきたようにも見えたのである。このままだと腐食して穴が開く可能性もある。電飾看板なので作成に数百万かかった。これに穴が開いたら大変である。犬の飼い主は立派な器物損壊であることに気が付いているのであろうか? かといって、「ここに排尿させないでください」と張り紙をするのもクリニックのイメージが悪くなる。仕方がないのでペットショップで「犬猫おしっこよけ」というパウダーを買ってきて毎日看板の下の所に振りかけたのであった。・・・でも~、なんでここまでしなくちゃならないの~?(泣)

犬の躾 その4

2015年02月27日 06時26分36秒 | 日記
 犬の糞の話をしたが、おしっこもしかりである。いやむしろ犬のおしっこのほうがたちが悪いかもしれない。昔、某マンションに入居していた時の話である。マンションの理事会で議題にのぼった事案であるが、マンションの外壁門柱に犬の散歩の途中、毎日おしっこをさせていく人がいるとのことであった。マンション住人がそれを注意したところ、「じゃあ、一体どこにおしっこさせたらいいというんだ!!」と逆切れされたというのである。つまり他人の建造物におしっこをさせるという行為は、この人にとって正当な行為と解釈されているのである。 ところで、おしっこは乾いてしまうとなかなか目立たないのでやっかいなのである。乾いた尿は建造物、特に金属を腐食させる可能性がある。毎日、同じようにかけられたのであれば浸食も早いであろう。ということは立派な器物損壊、業務妨害になるのではなかろうか?

犬の躾 その3

2015年02月26日 06時15分21秒 | 日記
 忘れた頃にやられるのであるが、クリニック周囲に犬の糞が置き去りにされることがある。
このご時世に、犬に糞をさせて置き去りにしていく人も珍しい。しかしこのような事があるから、マナーを遵守している善良な愛犬家まで悪く言われるのである。この悪行は犬の躾と言うか飼い主の確信犯的行為なのである。結局、このあとこの糞はどうなるのか考えたことはあるのであろうか? おそらく翌日には乾燥して粉になって大気に飛散、消滅してしまうとも思ってなかろう。また江戸時代の汚わい屋さんが来て、ありがたく頂戴し近隣農家の肥料に売っていると思ってもいまい。ましてやこの飼い主は、ここの近隣で馬車の走っていた70~80年前からタイムスリップして現代に紛れ込んできた御仁でもなかろう。さてこの置き去りにされた犬の糞はどうなるのであろうか? 正解はここの家の住人が回収して処理するのである。置き去りにされるものがバラの花束や宝石の詰め合わせ、あるいは数億円の入ったジュラルミン・ケースだったらいつでも喜んで回収するのであるが・・・。

犬の躾 その2

2015年02月25日 06時00分37秒 | 日記
 通常は自分の連れている犬が周囲の通行人に吠え付いたり、とびかかったりしようとすれば、それを制するのが飼い主の務めである。しかしながらその飼い主である高齢男性は、一心不乱に?自分の願い事をお祈りすることを続けたのである。この間は周囲の他人を威嚇したり飛びつこうとしたりする彼の愛犬は、リードはついているものの、放置されたままなのであった。
 それから十数秒は経過したであろうか、お参りを終了したその高齢男性は顔をあげて、すでにおとなしくなった愛犬に一言「これっ」と言ったきり周囲の人を無視したまま立ち去ったのである。件のご婦人はすっかり怯えて佇んでいる。
犬を躾けるのは「その瞬間」に叱らなければ何の効果もない。これでは躾けていないのと同じであるし、また周囲の人に対して迷惑をかけたという罪悪感すら持ち合わせていないようにも思えた。
しかしながら、どんなに自分の愛犬が周囲に迷惑をかけようとも、それにも負けずひたすらお祈りを続けるこの男の信心深さには猛烈な感動を覚えるのである。でも観音様はきっとこの男の願い事は叶えてあげないような気がする。
素晴らしく心の温まる光景を見させてもらって、ひさびさに清々しい気持ちになった。

犬の躾 その1

2015年02月24日 06時02分46秒 | 日記
 石神井川の川べりは桜が河岸に植えてあり春になるととても素晴らしい景色が拝めるのである。そして住宅街の中を流れるこの川の川べりを歩いていると突然、数mもある大きな観音様の像が目に入るのである。時々自分はこの河岸を散歩するのであるが、先日何とも言えぬ不可思議な光景に出くわした。それは一人の高齢男性が犬を連れて観音様にお参りをしているのである。手を併せて一生懸命いくつかのお願いごとを口の中でブツブツとつぶやいているのである。と・・・ここまでは普通の光景である。
 ところが、その横に別の高齢のご婦人が後からきて手を併せて拝もうとした次の瞬間・・・、「ウゥゥ、ワンワンワワン!!」とその男性の連れていた犬が後から来たご婦人に吠え付いたのである。驚いたご婦人は後ずさりしてその犬の「射程距離」から離れたのである。しかしその犬は「ウゥ・・・・・ワン」と威嚇を続け、ご婦人にお参りをさせようとしないのである。
 散歩中の犬が通行人に吠え付くことは、本来あってはならない話であるが、時々みかける光景である。ところが・・・。

配達 その5

2015年02月23日 05時54分03秒 | 日記
 どうやら最近、速達便も「直接手渡し」になったらしい。書留便なら重要なものということで印鑑を必要とし直接家人に託すというシステムはわかる。しかし速達は急ぐということの重要性はあるが「直接手渡しではないといけない」ということではないと思う。多忙なときにドアホンから「郵便です」と言われて、慌てて仕事を中断して出ることになる。それはトイレやシャワーの最中やら食事の最中であったりもするのだ。それで出てみると、「速達です。受け取りの印鑑はいりません」と言われるのである。しかし留守の時はそのままポストに投函しているのである。そのまま投函される「重要性」のものであれば、在宅、不在の有無にかかわらず投函してほしいのである。近年、宅配便や通販や何やらで直接玄関で受け取らなければならないものが増えている。これで速達まで直接受け取らせるのは、たぶんサービスの一環でやっているつもりなのかもしれないが、むしろやめてほしいのである。あるいはインターホンでは「郵便です」ではなく「書留です」あるいは「速達です」とか種別を明らかにしてほしい。「速達」なら「今手が放せないのでそのままポストに入れておいてください」と返事をするつもりである。仕事を中断させ急いで玄関にいってみて「速達です」といわれるのは何だかガッカリするのである。

配達 その4

2015年02月21日 06時14分37秒 | 日記
 その配達しようとした封書を受け取らないと言った自分に、その配達人は強い態度で言った。
「えっ? 何? 受け取るのは義務ですよ!! 受け取ってくれないとこっちが困るんだよー!」
 義務と言うのは嘘である。そんな受け取り義務などありゃしない。でも後半の「こっちが困る」というのは本音であろう。たぶん配達してナンボの歩合制なのであろう。受け取らなければ配達人の収入が減るのかもしれない。配達人が強い態度にでた理由はたぶんこれなのであろう。彼の突沸するような勢いで仕方なく受け取った。でもすぐにゴミ箱行である。これらは受け取りを望まない配達物なのである。
この時、ハッと思い出した。遠い昔、自分がせっかく配達した物を受け取ってもらえずスゴスゴと引き返したことを思い出したのである。しかも「申し訳ありません」と理不尽な謝罪までつけていたことも蘇ってきた。
今では何だか受け取らないほうがまるでいけないかのような配達人の態度である。自分が学生当時にもっとこのような強い態度で配達物を受け取らせていたら自分のアルバイト料ももっと多かったかもしれない。後悔しているわけではないけど数十年して何となく不条理さも感じているのである。

配達 その3

2015年02月20日 06時18分41秒 | 日記
 近年、配達業界の規制緩和かボーダーレス化か、種々の配達業者が増加し配達形態も多様化してきた。宅配便も通信文を梱包してはいけないのであろうが、すべてにおいてチェックするのも難しそうである。最近では地域におけるダイレクトメールでポスティングという手段も行われている。自分あての封書も多いが、ありとあらゆる宣伝のチラシも投函されているのである。こちらに必要のないもの、概ねそのほとんどが必要ないのであるが、その投函物の9割以上はゴミ箱行であり、それが毎日大量に入ると閉口するのである。
 ある日のことであった。自分が玄関の外に立っているときに、ポスティングの配達人がポストに宣伝チラシ(封書)を入れようとしたので思わず声をかけた。
「あ~、すみません、宣伝チラシはどうせ捨てるだけなのでポストに入れないでもって帰ってくれますか?」  そう言ったところ、その配達人の表情は急に険しくなり目を剥いて答えた。

配達 その2

2015年02月19日 06時20分18秒 | 日記
 ところが、数件配達し始めて気が付いたのであるが、これは自分で買った商品ではなくデパートからの顧客へのプレゼントである。ところが中にはそれを欲していない人がかなり多くいることに気が付いた。
「これ・・・毎年贈られるんですけど、仕立て料はこっち持ちだしワイシャツも市販のものがあるからねぇ、迷惑ですよ、困るんですよねー、いらないから持って帰ってくださいよ」と受け取りを拒否されることも多かったのである。しかし、そういわれても自分はデパートの社員でもないので文句を受ける筋合いではない。しかも受け取ってもらえないと自分のアルバイト料は入らないのである。ここまで来て受け取ってもらえなければ、まさに徒労に終わるのである。そんなこちらの事情も向こうは知る由もない。相手の少し機嫌の悪い顔を拝みながら、退散するしかなかったのである・・・。まあ、当時は学生だったし若かったので「そうですか、すみませんでした」と謝ることも理不尽とは思わなかったのである。

配達 その1

2015年02月18日 06時35分05秒 | 日記
 大昔、学生時代、デパートの商品の配達アルバイトをしたことがある。朝、配送デポにいって、商品を軽トラに積んで担当地区を回り各家庭に配達するのである。このアルバイト料は1個につきいくらと完全に歩合制である。基本給はないので配達しなければ0円である。この会社はデパートの一部門ではなく、いわゆる下請け会社だった。とにかく経費削減が必要なのであろう、社員の大半は長期、短期かかわらずアルバイトであった。朝、倉庫の中に山積みされている商品から自分で選んで商品を積むのである。気が付いたのであるが、大きな荷物はスペースをとるし、なにより運ぶのが大変である。そこでなるべく小さな商品を選ぶようにした。これなら同じ1個でも数を稼げるし一度に数個手に抱えられる。
丁度、冬休みの時のアルバイトであったが、デパートがお得様に正月のご挨拶(と思うが)として絹の反物をプレゼントとして贈っていた。その配送なのであるが大きさはさほど大きくなく、しかも軽い。どうやらこれはワイシャツ1枚作れるくらいの反物であり、仕立て料のみ顧客が負担するシステムになっていたようである。最初は、この軽さと小ささで手軽に配送していた。ところが・・・。

注意事項のメモ その2

2015年02月17日 05時28分31秒 | 日記
 「2日目ごろから下痢は止まったんですが、それから2日たってまたひどい下痢が始まりました。またぶり返したのか別の病気ですか? くすり、効いてなかったんじゃないですか?」と・・・。患者さんにそのつもりはないのであろが、なんとなく投薬内容に不信感を抱いているような口ぶりにも聞こえた。う~ん、きちんとメモ書き通りに静養すれば、そのうちよくなるはずであるのだが。
私:「メモ書き通りに食事内容を守りましたか?」 
患者さん:「ハイ・・・」  
私:「食事は何を食べました?」 
患者さん:「下痢が治ったので、普通の食事にして、その夜は会社の宴会に行きました」  
私:「えっ・・・、注意事項よく読まれましたか? 『下痢が治まってすぐ普通食にすると再度下痢が起こるので1週間程度はお粥のみにする』とかいてありますが・・・、それから飲酒もちょっと・・・」と言って注事事項のメモを見せた。  
患者さん:「・・・えー、あぁ、そうだったんですかぁ・・、あ、書いてありますね、読んでなかったですよ」と。
うーん・・・注意事項も読んでいただけないのであれば効果はない。まあどっちにせよ、ウイルス性胃腸炎は、脱水にならないよう水分補給するのが主で、下痢については自然に止まるのを待つしか手はないのである。腸もしばらくの間は休養させてくださいねー。

注意事項のメモ その1

2015年02月16日 06時13分05秒 | 日記
 この時期は、インフルエンザや感染性胃腸炎が多発しており、連日同じような患者さんが多いのである。必ず療養上の注意をお話しするのであるが、いつも同じ話をしなくてはならないので時間をくってしまう。そこで、注意事項をメモ書きにした印刷物を、患者さんに簡単に説明した後は「あとはこれをうちでよく読んでくださいね」と渡している。感染性胃腸炎の場合のメモ書きの中には、脱水にならないように水分の取り方や、また食べてよいもの、悪いものも具体的に記載してある。
昨年末のことである。ある下痢の患者さんが来られた。診察するとかなりグル音は亢進しており蠕動不穏である、また下痢の前には嘔吐が数回と発熱、倦怠感がみられている。経過からするとノロウイルスであろう。脱水にならないような注意と3日分の内服薬と、そしてこの注意事項メモを渡した。まあ大抵はしばらくの下痢が続いて落ち着いてくるのである。しかしこの患者さんは5日目ごろに再来したのである。

免罪符 その3

2015年02月14日 06時37分55秒 | 日記
 嘘のようなホントの話である。昔、救急外来当直で夜中の3時ごろの話である。洗剤を飲んだかもしれない(目撃者なし)という触れ込みで若い夫婦が乳幼児を連れてきた。まさか夜中に洗剤を飲むというのも変なので話をきいたら、昼間に洗剤をいじっていたらそれがこぼれて顔に付着したらしいとのこと。その後は別段何の変りもなく機嫌はよく食事もよく食べて夜には寝たのであると。しかし夜半になってから急に泣き始め、それがまったく泣き止まないというのである。私:「昼間に飲んだかもしれないというのに何故、今この夜中の受診なんですか?」とちょっと皮肉をこめて聞いた。母親:「あまりにも泣きやまないので、洗剤の裏書をみたら『・・・ただちに医師の・・・』と書いてあったのをさっき読んで不安になりすぐに来ました。『ただちに』こないと死んでしまうんですか?」と・・・。だから焦って夜中の3時に救急外来に飛び込んできたわけである。ん~・・・・、まあ、これも医師の仕事の範疇なんだろうかなー? しょうがないんだろうなーと疑問に思いつつも診察した。患児(健児?)は泣き疲れてスヤスヤ寝ているのである。私はあと数時間でまた通常の診療業務が「普通に」始まるのである。この健児のようにスヤスヤと休みたかったのであるが、『免罪符「ただちに」』のせいで私はまたアドレナリンを出さざるを得なかったのである。

免罪符 その2

2015年02月13日 05時59分12秒 | 日記
 時間外にこのような「うちの子が○○を飲んじゃったんですよ」という連絡は過去、いくらでも受けたことがある。と言われてもそのものの成分すらわからなければ対応方法すらわからない。昔は、慌ててその製品のサービスセンターやらに電話したが夜間などは誰も対応するわけはない。しかしこちらは夜間であっても必要であれば治療を開始したいのであるが、成分がわからなければどうしようもないのである。にっちもさっちも行かなくてイライラしているところにあの製品の裏書の文言である。「・・・ただちに医師の診察を・・・」という文面をみれば、「勝手丸投げするなよ~」と思うのである。まあでも最近ではインターネットの普及で助かっている。その会社のホームページから製品を調べればその成分が分かるようになったのである。
とはいえ今でもあの文言の意味は一体何なんであろうと考えてしまう。誤って摂取すれば、「このままではいけない」と当たり前のように誰でも思うであろう。わざわざ文面に付け加えるのはやはり最近のリスクマネジメントのつもりなのか? 昔、母親が乳幼児の「口の周りに液がついているので飲んだに違いない」と血相かえて救急外来に駆け込んでくるのをよく診療した。たとえ飲んでいたって治療がよくわからないことも多いが、飲んだかどうかまで診断させられるのには閉口した。そんなの分かるわけがない。

免罪符 その1

2015年02月12日 05時54分31秒 | 日記
 昨日、「免罪符」とかいたが、世の中のあらゆるところでこの免罪符を見かけるのである。例えば、トイレや台所洗剤のような家庭用製品、または農薬や工業用製品などである。これら製品の裏書には「誤って摂取した場合は、ただちに医師の診察を・・・」などと書かれている。この記載もリスクマネジメントか免罪符のつもりなのであろうか? 誤って服用したのは「あんたが悪い、自己責任ですのでうちはその後は知りません、あとは医師にどうぞ」と丸投げ状態の印象もある。特に我々は誤って摂取した時の治療を業界から医学会へと依頼されているわけではない。まあ我々の社会的立場からすれば診療するのは当たり前であるが、ちょっと熱を出した保育園児に対して保育園の職員が「今すぐ医療機関受診させてください」と両親にお迎えの連絡を入れているような印象を持つのである。どだい、数ある工業用製品、農薬、家庭用洗剤のすべてにおいて我々が、どのくらい服用すればどのような症状が出て予後はどうなのかを知っているはずがない。自分は救急医療をしていたので「中毒情報ファイル」という本を持っているが、それとてすべてを網羅しているわけではない。