吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

今年の診療は明日AMまで

2013年12月27日 06時35分41秒 | インポート

 今年の診療は本日を含め明日の午前中までとなりました。今年もいろいろなことがありました。どれだけ患者さんのニーズに応えられたかなと考えておりますが、とりあえず可もなく不可もなくといったところでしょうか。外来診療で難しいのは患者さん一人ひとりが医療側に期待していることが異なっていることです。より深く対応しようとすると「そこまで期待してませんので結構です」と思われるし、浅く対応すると「優しくない」と思われるだろうし、なかなかいい「着地点」を見出すのはその患者さんを何回か診療しないと見えてこない部分があります。つくづく医療とは結果がすべてであると実感しました。病気やケガが治ることがすべてではなく、いかに現状の結果に満足いただけているかといったことでしょう。来年も安全、安心な医療を心がけましょう。


今年もあと少し

2013年12月26日 06時47分14秒 | インポート

 今年もあっという間に過ぎていきました。特にこの年齢になると思うのですが、健康でけが一つしない毎日が大事であると実感しています。さて今年は父の診療所を継承し自分が開業し6年目になりました。「石の上にも3年」が2回分になっています。当初、元同僚からは「3年もてばなんとかなる」と言われましたが、6年たってもなんだか石の上にいるような感じでまだまだ不安です。6年たつといろいろな機器もへたって来るのか、修理やらメンテやらが必要になってきました。それほど使用していない内視鏡も小さなトラブルに見舞われ修理費が結構高くつきました。「あまり使っていないのなんで壊れるの?」と業者にいっても「はあ・・精密機器ですから」の一点張り。また電子カルテも導入に数百万かかりましたが、「そろそろOSのサポートがなくなりますので、カルテを入れ替えましょう」と平気で行ってくるわでなんだかリース料も含めて支出の額はこれからも減りそうにありません。毎日が溜息です。「はぁ~・・・」


クリスマス

2013年12月25日 07時02分12秒 | インポート

 今日はクリスマスです。まあクリスマスと言っても別段特別なことをするわけではないのでいつものような1日が過ぎていくと思います。大昔の研修医時代もクリスマスや正月などの時はたいてい当直業務が入っているのであまり世の中の流れとは無縁な感じでした。去年もそうでしたが、感染性胃腸炎や風邪の患者さんを診ていると、「ああそういえばそろそろクリスマスね」と条件反射的に思い出すような感じです。しかしこの時期に外来に感染性胃腸炎の患者さんが増えてくるのはここ3~4年のような気がします。開業したての頃はあまり多くはなかったような気がするのですが・・・。でもあの感染性胃腸炎の感染力はすごいですね。嘘か誠か知りませんが、吐物や便の飛まつの吸入でも感染するといわれているので怖いです。この時期、外を歩いていて、どこの酔客か知りませんが、夜間に吐き戻された路上の吐物を見るにつけ「おっと、危ない危ない」と思ってしまうのは自分だけでしょうか?


難渋

2013年12月24日 06時38分25秒 | インポート

しかしながら今年ももうクリスマスイブである。ついこの間まで猛暑でフーフー言っていたような気がする。なんだか寒くはなってきたのであるがまだあまり冬という感じがしないのは何故か? たぶん感染性胃腸炎は大流行してはいるが、インフルエンザがまだ下火の状態だからなのであろうか? 例年であれば年内にはうちにも陽性の患者がたくさんいるはずである。ところがいまだに陽性者はいない。地元の小学校では数名の発症をみたとの報告があったものの爆発的な流行はない。この分だとおそらく来年に流行のピークがくるのであろうか。いまから戦々恐々としている毎日である。しかしながらインフルエンザはきちんとマスク、うがい手洗いして感染者の住環境を換気するなどして整えれば感染の心配はさほどなく、また予防接種していればさらに心配はない。ところが・・・感染性胃腸炎だけは感染力が強いし現場にウイルスが残っているからやっかいなのである。クリニックの待合室やトイレではかれたり下痢されるとその消毒に難渋するのである。


感染性胃腸炎について(再)その7

2013年12月21日 06時33分23秒 | インポート

   経口補水液なるものが売られている。スポーツドリンクよりも塩分は濃いめである。つまり体液により近い組成なのでより生理的であるといわれている。しかしながら、ものすごい下痢状態で腸の粘膜がすべてただれて損傷されていたり、あるいは粘膜浮腫等もきたしていたら、そう簡単に腸からこの補水液が吸収されないと思うのだが。それでもまあ吸収効率がよいのであれば飲用はすすめられる。またこの補水液の代わりに家庭で作れるレシピがある。グレープフルーツジュースやリンゴジュースまたはオレンジジュースなどの生ジュース500mlに水500mlと塩3gをいれるとどうもこの経口補水液の組成と同じくらいになるらしい。今ではスポーツドリンクも経口補水液も簡単に手に入るので自作にしなくてもいいのであるが、いざというとき冷蔵庫の中のもので事足りそうである。コンビニさえ周囲にあれば冷蔵庫の中のもので作るより買いに行ったほうが早そうであるが・・・。<o:p></o:p> 


感染性胃腸炎について(再)その6

2013年12月20日 05時27分56秒 | インポート

   まあとにかくこの肛門蛇口状態を経験してわかったことがある。「便の中にはウイルスがたくさんいるので止痢剤で下痢を止めてはいけない」といわれているが、この下痢はちょっとした止痢剤など到底効くとは思えないほどの勢いなのである。しかも腸の動きはかなり亢進しており、蠕動音などは1m離れているひとにも聞こえるほどの音量で鳴るのである。とにかくいろいろ薬は飲んだのであるが、一向に効果を見せる気配はない。ある程度下痢が続いて自然に治まるのを待たなければならない感じである。その間、脱水状態になって重篤化するかどうかだけが問題であって、人が治すとか薬が効くとかの世界ではないような気がした。だから脱水にならないようにこまめに何回も飲水するか、あるいは点滴で水分補給するかのいずれかになるのであろう。確かに治るまで自分の体力が持つような人はよいが、高齢で体力のない人は腎不全になるのだろうなと思いを強くした。<o:p></o:p> 


感染性胃腸炎について(再)その5

2013年12月19日 06時21分58秒 | インポート

 まあそれにしても、この「大腸肛門鉄砲水」と書いたが、むしろ「肛門水道蛇口」状態といったほうがいいだろう。トイレにすわるとまさに蛇口を開いた時の水の流れる音のような「とーーーー」という感じなのである。経験した人ならわかるだろうが、大腸内視鏡検査の前処置で使用する経口洗腸液を服用した時のようなのである。しかしながら感染性胃腸炎の時の下痢を経験すると「あ 人間の身体って水分でできているんだな」と実感できる。あとからあとから水様便が出てくるのである。しかし急性の高張性脱水である。運動して汗をかいた直後のように、喉の渇きを訴えてもよさそうであるがほとんど水分がほしいと感じないのである。「あぁ、もしかしたら高齢者や小児が脱水になるのは口渇を訴えないからかな?」とまた変にさめた自分がいるのである。


感染性胃腸炎について(再)その4

2013年12月18日 06時07分50秒 | インポート

 昨年、自分も感染性胃腸炎にかかった。まあとにかく毎日、毎日、この患者さんを触診しているわけである。気を付けてはいたがやはりかかった。最初は「なんだかどうもお腹がはるなー、胃がもたれる。気持ち悪いな」といった感じであった。翌日、消化器症状はほとんどないが猛烈に身体がだるくなった。「なんだ、この体のだるさは? これはなんかおかしい」と思ったが消化器症状がないのでまさか感染性胃腸炎とは思わなかった。そしてその日の夜である。いきなり「大腸肛門鉄砲水」に襲われたのである。この鉄砲水は延々と一晩中続いた。不思議と腹痛はないのである。お腹が痛くてトイレに駆け込むのではない。肛門がムズムズし、少し腹圧をかけると漏れそうな感じがするのでトイレにいくのである。そうすると大量の鉄砲水が「えっ、まさか、こんなに?」と思うほど、それはあたかも大河がゆったりと流れていくように、「とうとう」という感じで出てきたのである。そしてそれは何回も繰り返されるので「なるほどこれなら容易に脱水状態に陥るな」と、そこには変にさめた自分がいたのである。


感染性胃腸炎について(再)その3

2013年12月17日 05時36分24秒 | インポート

 それにしてもノロやロタなどの感染性胃腸炎の倦怠感は、高ウイルス血症を呈している時の症状なのでかなりつらいものが多いようである。急性肝炎でも発症初期の倦怠感はかなりつらい。急性肝炎の患者さんの場合、やはり典型的な訴えとして「ちょっとでも身体を動かすのも嫌なくらい身体がだるい」「食欲がないので食べる気は起らないが、食欲があったとしても箸をもって手を動かすのもだるいくらいだ」とおっしゃる。そして1日中ウトウトと傾眠傾向になるのだが、寝ているわけではない。意識は自分ではしっかりしているつもりなのである。でもとにかく動けないのである。もちろん発熱は必発ではないが微熱程度がでていることも多い。実は昨年、この私も感染胃腸炎にかかったのである。


感染性胃腸炎について(再)その2

2013年12月16日 06時56分50秒 | インポート

 症状をお聞きするといくつか特徴的なことがわかる。感染性胃腸炎の場合下痢の前に、胃部不快感や嘔気や嘔吐がみられることが多い。そして同時に、本人は気が付かない程度の微熱から、時に高熱がみられる。そしてこの際、極度の倦怠感(体のだるさ)も随伴しうる。この発熱や倦怠感は実は、こらだの中でウイルスが増殖している状態なのである。だからこの症状は、ノロやロタのような感染性胃腸炎のみならず、インフルエンザの初期や風邪の初期や、はたまた急性肝炎、HIV感染などのウイルス性疾患において、ウイルスが体内に入り込んできた当初に共通してみられる症状なのである。これは血中にウイルスが増殖し、それが体内に循環している状態である。中にはほかに症状なく倦怠感のみを訴えてくる患者さんも多い。したがって他に身体所見がなければ、この時点において診断は難しいのである。でも、患者さんからは「先生、いったい(自分の病気は)なんですか?)」と聞かれるので「様子見ましょう」という常套句を使うことになる・・・。


感染性胃腸炎について(再)

2013年12月14日 06時15分29秒 | インポート

 大学時代はHIV/AIDS・結核対策委員なるものを仰せつかっていた。何のことはない、大学の中でこれら疾患の発見率が高いのが、呼吸器内科と自分のいた救命センターだったからである。結核は空気感染なので本来であれば飛まつ感染である感染性胃腸炎よりも感染性は強いことになる。つまり空気を吸って感染するものである。しかし自分の印象としては飛まつ感染である感染性胃腸炎のほうが感染性や伝播力は強いような印象である。結核は狭く締め切った室内で、咳を持続的にしている感染者と長い時間同居していれば感染する。しかし感染性胃腸炎とおもわれる症状の患者さんに聞いてもどうもいつ感染の機会があったかわからないことが多いのである。たとえば「幼稚園に通ううちの息子が下痢をしていてそれの片づけをした」などといえば、「ああ感染はこれですね」といえるのだが、結構「いや?、家族にも会社にも下痢や嘔吐した人はいませんでしたよ」といわれるとどこで感染したのか推測不能になるのだ。もしかしたら会社でほかの人が下痢しても「私、下痢しました」と社内に申告しないものだから、不特定多数が使用するトイレで感染したんだろうなあとも思うのだが・・・。


インフルエンザ

2013年12月13日 06時17分47秒 | インポート

 12月の中旬になりましたが、例年であればすでにインフルエンザが流行しているはずです。ところが今年は豊島区の一部の地域で学級閉鎖されたはなしは聞きましたが、ここ巣鴨地区ではまだ流行の話は聞いていません。時に10月には記念すべき?第1号患者さんがでるのですが、うちのクリニックでは12月になるのにまだ一人も陽性になっていません。むしろ感染性胃腸炎の患者さんのほうが多そうです。この時点でインフルエンザの流行の兆しも見えないとなると、この後、年が明けてからなんとなく猛威をふるいそうで不気味です。まさに嵐の前の静けさかも? 2月あたりに流行のピークがくると10月頃に予防接種を受けた方はもしかしたら抗体価がさがっているかもしれないので、もしかしたら発病してしまうかも・・・。もう一度予防接種を受けられたほうが無難だと思いますが・・・。


感染性胃腸炎の清掃

2013年12月12日 06時23分27秒 | インポート

ノロやロタなどウイルスによる感染性胃腸炎は吐物や便などから感染します。感染力は強いので飛まつからも感染するといわれています。使い捨ての手袋、マスクを着用してから使い捨てのキッチンペーパーなどでかき集めるようにしてすくい、ビニール袋に捨てましょう。なるべく掃除中はほかの場所に手をつかないように。手についたウイルスが、汚染されていないほかの場所に付着する可能性があります。清掃した処には塩素系の漂白剤を薄めたものをスプレーします。消毒液は500mlの水にキャップ2杯の原液を入れて薄めてください。

 


ノロウイルス感染

2013年12月11日 06時21分41秒 | インポート

 寒くなってからはノロと思われる感染胃腸炎が増えてきました。「思われる」と書いたのはうちのクリニックでは特に迅速検査は行っておりません。理由は患者さんにかかるコストが高いのと、医院内での便検査ですので二次感染のリスクがあることと、それから治療法の選択に影響しないことです。またどうもこの迅速キットの陽性正答率は60%くらいといわれているらしいです。ということは感染者の4割に「陰性でしたよ」と告げてしまい、以後の感染対策の手を緩めてしまうかもしれません。このことのほうが怖いです。しかも問診と診察のみでほぼ診断は可能です。いずれにせよノロやロタウイルスは昔から存在し冬場の下痢症で有名でした。治療法や感染拡大防止策は昔からかわることはありません。冬場の下痢はすべからく同様の対処でお願いいたします。