吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

相撲 その2

2008年01月31日 08時28分08秒 | インポート

 いつも思うが、横綱審議委員の中でどれだけ相撲に詳しい者がいるのだろうか? やはり「審議」するのだから相撲に関しての見識・知識をもった専門家集団である必要がある。少なくとも自分よりも相撲に詳しくないと納得できない。しかしほとんどが「肩書き」ばかり立派で、相撲に関する知識はいかばかりかと疑いたくなる。結局は審議委員会などといっても権威付けのための集団であり、別に相撲は知らなくてもいいようである。やはり内容のある審議をするなら、デーモン小暮閣下、やくみつる、杉山元アナウンサーは入れるべきだ。でもそれはできまい。もともと相撲は、伝統や格式や様式美を踏襲する保守的な権威団体だからだ。だから「委員の先生方のご意見伺いますよ」なんて建前のポーズはやめて、いっそ「角界は頑なに伝統を保守するところですから外部の人の意見なんぞは聞かずに勝手にやります」といえばいいのだ。その方がクリアで潔い。


相撲

2008年01月30日 07時27分23秒 | インポート

 相撲には悪玉はいないと書いた。確かに過去には「素行不良の悪玉」の力士はいなかった。北の湖理事長も現役時代は強すぎて嫌われた。あの表情でマスコミ受けも悪かったので悪く書かれたこともあった。でもこれはマスコミの操作であった。また口ばっかり達者で土俵外でのコメントが面白かった「ほら吹き金剛」もいたが、これはワルではない。また素行不良で廃業した横綱 双羽黒(北尾)であるが、事件後すぐ廃業引退し次の出場がなかったため悪玉になりそこねた。これは残念、おしかった。とするとこの朝青龍はやっぱりすごい。最初から悪玉横綱で出場し、優勝すると本当に嫌われるのでぎりぎり準優勝した。休場中には相撲に精進したであろうことを示すべく勝ち星に残しつつ、最後の賜杯の行方は世の中の大多数の願望に調和させるなんざ、すごい! 彼は過去にはいない名横綱である。大嫌いですが。


朝青龍の予定調和

2008年01月29日 07時45分42秒 | インポート

初場所、朝青龍は優勝できなかった。で、結局場所はすごい盛り上がりだった。どうも日本人は勧善懲悪の予定調和が好きらしい。つまり水戸黄門のドラマみたいに最初から善玉、悪玉が配役されており悪の限りを尽くした悪玉は、ぎりぎり最後に懲らしめられるという筋書き。だから朝青龍は結びの一番で負けなければならないという必然性があった。もし勝っていたらドラマにならないし次の回につながらないし、また延々と反感を買い続けることになる。しかし今回の結果で大衆は「まあまあここまで頑張ったんだし良くやった」と彼を許し、朝青龍のみそぎはすんだことになる。彼は絶妙な勝ち星で上手いことやったね。本来、相撲はスターはいても悪玉は存在しないスポーツだった。この善玉悪玉の図式はプロレスにはあったが相撲ではありえなかった。新しい流れであろう。


IT時代

2008年01月28日 08時28分42秒 | インポート

 今後デジタル化されておそらくは紙の使用量が減少していくものと思われる。つまり過去すべて書類でつくられていたものがPCでやりとりされるため、書類のたぐいは減っていくものと思われる。しかし医療の世界は、前にも書いたが同意書やら経過説明書やら治療内容説明書やらが増えてきた。しかもこれがデジタル化できないのは、カーボンコピーの複写式になっており、説明医師と説明を受けた患者(または家族)の両者のサインが必要とされるからだ。10-15年前に聞いた話だが当時米国では、1回入院すると患者に分厚い小冊子が渡されるという。それには治療内容やら起こりうる頻度のまれな合併症やら事務的な手続きやらなにやらすべてかかれており、それを読んで了承したならサインをするというものである。これのサインはどうも法的な拘束力があるらしい。日本もいずれこうなるのか? こうなるのは本来の姿ではないと思うが、でもこうなったほうが今よりもずっと楽そうである。


仕事が増えた その2

2008年01月26日 07時17分39秒 | インポート

 電子カルテへの転換の波は病院ばかりでなくクリニックにまでも押し寄せてきています。今まで医者は診療して検査などのオーダーをして処方箋や点滴の指示をだせば終わりでした。ところがこの電子カルテになったらやっかいで、いままで看護師さんや事務さんがやっていた伝票のオーダーやら処置の請求業務やら使った器材や薬品やらの記載、はてはこの患者さんは何々の医学管理料が算定できるので請求しようとか・・・このような仕事を全部医者がせざるをえなくなりました。病院全体の仕事内容の一部(大部分?)が医者の仕事に上積みになったという感じです。それでいて同意書などの書類が増えたこともあわせると診療なんかに集中できるわけはありません。前にも書きましたが医学部の講義で訴訟対応学とか医療経済学とか保険請求学とか、やったほうがいいでしょう。本来は医学の追求をするのが本筋であり、これだと本末転倒だと思いますが・・・。


仕事が増えた

2008年01月25日 07時26分00秒 | インポート

 昨日、医者の仕事量が診療以外の部分で激増してきたと書きました。当然こうなれば本来の診療に集中できるエネルギーが削減されます。医療事故はきっと増えていくでしょう。増えればまた診療に関する説明と同意書がまたどんどん増えるわけで、これはもう今後の医療は悪化をたどるのは目に見えています。医療内容も常に訴えられないことを前提にした医療になりますから、萎縮して消極的な診療内容になることは目に見えています。そんな中、診療報酬はまたまた引き下げられて患者単価が下がりますので患者数を増加させなければなりません。となると特殊性を出す意味で高度先進医療に手を出すか自費診療にしてしまうかですが、どちらもリスクは高いです。これは患者さんにとっていいことやら、悪いことやら・・・。


書類の山

2008年01月24日 07時16分57秒 | インポート

 病院勤務医の仕事量は20年前に比べるとかなり多くなっています。その増えている部分とは本来の医学的な部分ではなく、事務手続きに関する内容が激増してきました。例えば各種同意書や治療内容説明書です。昔は手術同意書くらいでしたが、最近では各種生体検査の同意書、HIV等感染症採血の同意書、病理検査同意書、検査内容を医学教育用に使用してもよいかの同意書、疾病説明書、治療内容説明書等など数限りなく増えてきました。これは説明していなかったり、あるいは説明したのに「説明聞いてない」とのトラブルがあるため、きちんと説明しましたよという証拠書類です。もちろん同意書とはいいますが法的拘束力や強制力になるものではありません。まあこれだけの書類を説明して納得していただくだけでも1日が終わります。理解してくれなかったり、あるいは全部説明した後で「あ~今、息子が来ましたのでもう一度最初から話ししてください」なんてことはいつもあります。そしてたいていこの同意書を「とらされる」のは医者です。あ そ~だ、お医者さんは他の付け足し仕事で「診療」もあるんだっけ。忘れてましたよ。


結核 その5

2008年01月23日 07時07分56秒 | インポート

 結核の消毒法ですが、通常病室においては目で見える喀痰などで汚染されている以外は、リネン、衣服の消毒はいりません。部屋の消毒も必要ありません。前回お話したとおり感染形式が空気感染だからです。空中に浮遊している菌の吸入で感染するのですから、浮遊した菌を屋外に拡散させてやればいいわけですよね。救急車も結核患者を搬送したあとは、窓を開けて空気を入れ替えてあげれば済むことでしょう。わずか数分もあれば十分。しかしながら、それなのに車内を清拭し、なにやら車内をしめきり○○丁寧に消毒薬を燻蒸させていますので1時間以上はかかるようです。その間は救急通報があってもその車は出られないそうです。もしそれで緊急な対応ができないとしたら市民への不利益になると思うのですが。よく「あつものに懲りてナマスを吹く」といいますが、別に今まであつものを経験したわけでもないのにナマスばかりを吹いている印象です。 あ またアブない話になってきたのでやめます。「過ぎたるは及ばざるがごとし」


結核その4

2008年01月22日 12時58分54秒 | インポート

 結核は空気感染と書きましたが、これは結核菌が空気に乗ってフワフワと飛んできてそれを吸い込むことで感染する様式をいいます。風邪やインフルエンザは飛沫感染といい、咳やクシャミの「しぶき」がこちらの粘膜に付着することで感染します。ということは飛沫感染は「しぶき」の到達距離である数mよりも離れれば感染しませんが、結核は距離がはなれていても感染の危険性はあります。特に締め切って換気されていない室内に同席すれば危険性はきわめて高いですね。違う部屋でも同一の換気ダクトを有する建物で隣の部屋に居る人に感染した報告もあります。感染しないためには窓を全部開け放して常に風を通してやります。結核の飛沫核(菌体そのもの)は大気中に流れれば拡散してほとんど感染することはないでしょう。


アブない話?

2008年01月21日 07時42分49秒 | インポート

前回、アブないので話をやめましたけど、でもちょっとだけ・・。救急科という「診療科」は存在しません。したがって救急医という言葉も巷では言われていますが実態はありません。救急部門での売り上げは臨床の他の科の収益となり、救急医がどんだけ~働いたかは院内では明らかにはなりません。まさに救急医とは「○○○の連れっ子」だとよく自分の前の職場のボスが・・・、いやっ、これ以上はかけません。ちょっと前までの話ですが、救命センターに交通事故等で患者が運ばれると、あとから警察官がきて事情聴取をされますが、「・・・わかりました、で、ところで先生は何科の先生ですか?」と聞かれ「救急です」と答えると、「えーーーですから、何科の先生ですか? 調書に書くので・・・」と。こちらも懲りずにまた「救急です」というと「はぁああ、だから内科ですか?外科ですか?整形外科ですか!」と延々と押し問答が続きました。世間にも認知されていませんでした。


結核 その3

2008年01月19日 08時33分52秒 | インポート

ハイリスク・グループに属するものの症状として、数週間以上続く原因不明の微熱と咳があり、社会背景では糖尿病のある人、呼吸不全、免疫不全のある人、高齢者、介護施設入所者などが「教科書的」には言われています。でも救命センターに勤務していて、そんなのあまり見たことありません。流行り言葉でいえば「そんなの関係ねぇ~」といった感じでしょうか? 今まで見たのはタクシーの運転手さん、風俗嬢、心肺停止状態で搬入された老人などです。「教科書」を書くような人達はあまり救急の現状をご存じないのでは?と思ったこともありました。救急医療は世間ではその必要性が叫ばれていても、救急科としての標榜はみとめられていないといういわば二号さんの○○っ子のようなものです。過去、病院の他科からもそのアイデンティテイーが認められないという歴史もありました。

あ これ以上書くとアブない話になるのでやめます。


結核 その2

2008年01月18日 06時20分45秒 | インポート

 ツベルクリン反応というのがあります。これで、その人が結核にどの程度感染している状態なのかを判断します。例外もありますが、陰性であれば結核菌に感染したことがない人であり、陽性であれば結核菌に感染したことがあるということです。またもし強陽性であれば、感染していて発病の可能性がありうると考えます。つまり結核とは感染したまま発病しない状態が続くということがありえます。例えば大きな病気をしたり高齢になって免疫力が低下してから、以前罹っていた結核が発病するなんていうのもあります。このように感染が疑われる集団や発病しやすい状態を含めてハイリスク・グループといいます。また病院の中でも救急部門は感染した患者に接触する可能性が高くハイリスク部署ということになります。


結核 その1

2008年01月17日 06時56分30秒 | インポート

 結核は古代エジプト時代からあったそうです。日本でも明治、大正時代、昭和初期には死病として恐れられ、特に劣悪な集団労働環境である当時の養蚕産業などが女工哀史として有名でした。また石川啄木、樋口一葉、正岡子規などの文学者も結核で若くして亡くなっています。ところが現代でも結核は古くて新しい病気です。西暦2000年には結核非常事態宣言が出たくらいですから、まだまだ怖い病気です。なぜ怖いかというと、それは空気感染だからですね。大昔は塵埃感染だと考えられていましたので、吐いて落ちた痰から空中に菌が舞い上がるといわれ、そのため、町中のいたるところ「痰つぼ」が置いてありました。昭和40年代くらいまで駅のホームにも痰つぼがあって、ここでみんな痰はいてましたっけ。加山雄三の映画若大将シリーズでは田中邦衛が痰つぼでラーメンを食べるシーンがありました。ウゥ・・オエッ!


医師逮捕

2008年01月16日 07時50分36秒 | インポート

福島県で産科医が逮捕された話は耳新しい。事件の詳細、真相までは知らないが手術中に不幸にも患者さんが亡くなられたとのこと。聞けば地域の中で産科医の足りない中、孤軍奮闘されていたとのこと。もちろん手術を含めた医療行為には「絶対安全」はありえない。しかしながら医療行為にまつわることで医師が逮捕されたのは前代未聞。結局このことでもたらされたのは当該地域の産科医療の崩壊だけではなく、多くの産科医が萎縮して「お産を手がけなくなった」ことかもしれない。また近年の傾向は、特にクレーマーによる医療訴訟の増加も手伝ってリスクの多い医療分野での担い手が撤退しつつあることだ。この逮捕のおかげで、リスクがありそうな分野での医師不足はこれからもどんどん増加するだろう。たぶん「パンドラの箱」が開けられたんだと思う。 誰が悪いの? 僕はもう知らなぁ~いっと!


三種混合

2008年01月15日 07時29分16秒 | インポート

 医師会から三種混合ワクチン接種参加施設の募集があった。で、これに手を挙げようと思う。ちなみに三種混合とはジフテリア、百日咳、破傷風のこと。しかしながらこの接種規定が面倒くさい。まず第1期が生後3ヶ月から7歳半までの間に3回と、それに加えて1期の追加接種でもう1回うつ。13回の接種の間隔は3から8週の間にうつ。そしてその1年後から半年の間に1期追加をうつ。それからは第2期接種として1112歳の間に今度は2種混合をうつ・・といった有様らしい。さてところがそのように皆きちんといかない。たとえば1回打って以後わすれた場合、追加接種はどうするのかとか、百日咳にかかったあとだけどどうするのかとか、ケガをして破傷風トキソイドを1回、2回、あるいは3回終了したけど3種混合はどううつのかとか・・・。まあいろんなバリエーションがあって考えたらきりがない・・。はぁあああぁ・・・。