吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

隠密指令 その2

2010年08月31日 06時47分30秒 | インポート

 医療とはお互いの信頼の上に成り立つものである。だからこちらも相手の「顔」が見えないと困るのである。したがって今まで会ったことも話したこともないご家族からの「指令」を「ハイ わかりました」とは言いがたいのである。しかも電話でこのような依頼をするご家族のほとんどが「依頼したことは本人に内緒にしてくれ」と言うのだ。今は昔ほど医師の言うことに対して妄信的に従属してくれる世の中ではない。患者さんご本人を説得できるだけの医学的理由がないと検査や治療も先に進まない。つまりおいそれとはご家族の希望だけで話は進まないのである。これを無理にすすめたら、とんだトラブルになった。あ~あ・・・。


隠密指令 その1

2010年08月30日 06時52分22秒 | インポート

 仰々しいタイトルであるがこれに悩まされることがある。つまり患者さん本人には内緒で家人がクリニックに電話し「本人は嫌がっているが○○の検査をしてほしい」「本人は望んでいないが○○の治療をしてほしい」とお願いされることである。しかももう一つ「あっ、それからこのようなお願いの電話をしたということは本人には内緒にしておいてください」と付け加えられることである。これはとても困るのである。現代の医療はご本人にきちんと説明して、それが理解され納得された上で検査や治療がすすめられるのである。だから本人の知らないところでの「密約」は本来はルール違反なのである。ところが・・・。


Yちゃんのこと4

2010年08月28日 06時40分50秒 | インポート

 もうYちゃんがいなくなってしまった状況であれば、ますます彼のうちに行く理由がなくなってしまった。それから数年後、自分の兄が学校の自由研究で地区の水質調査をしたようであった。その時、Yちゃんの家の井戸から水をわけてもらうために訪ねて行ったのがたぶん最後であろうと思う。ところがすでにその井戸は使用されておらず、採取された水はビーカーの中でかなり混濁していた。昔、夏の暑い日に皆で飲んだ井戸水は冷たくて美味しかった。しかしあの清冽な液体の煌めきはYちゃんの思い出とともにどうも色褪せていったようだ。その後、彼の家はどちらかへ転居し、今ではその跡地は増築された消防署の建物になっている。


Yちゃんのこと3

2010年08月27日 06時44分24秒 | インポート

 それから兄と自分は小学校を転校したので彼とは共有時間がなくなり、近所に住んでいながらほとんど会うことはなくなった。その後、音信不通の状態が1~2年ほど続いたろうか、ある日突然彼の訃報を聞かされた。昭和30年代の終わりの頃であろう、大分昔のことなので死因ははっきり聞いていない。事故とも病気ともなんとも自分には聞かされなかった。母に連れられて彼の家に行き微笑んでいる彼の遺影に焼香した。自分の生まれて初めての焼香という経験である。もちろん悲しかった。しかし当時、彼とはしばらく会っていなかったせいであろうか、それは不思議とどっと湧き出してくるような悲しい感情ではなかった。むしろ「なんでこんなにあっけなく逝去するのか」という空虚感のほうが強かったと記憶している。もちろん「簡単に」逝ったのかどうかは音信普通だったので知る由もない。子供心の思考背景は複雑である。あの時感じた「空虚感」は今でも謎のままなのである。


Yちゃんのこと2

2010年08月26日 06時52分52秒 | インポート

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Yちゃんとは兄が同年代だったので、自分もくっついてよく遊んだ。やせて背が高くて、性格は大人しく声を荒げることはなかった。彼のうちはすでに社会人(と記憶しているが)のお兄様とお母様の3人暮らしであった。彼のうちで遊んでいると、時々お兄様がネクタイ姿で帰宅し「おいY、家の中は整理整頓しておけといったろう」と彼を叱ることがあった。厳格な兄と比較してお母様は自分にもやさしくて時々、自家製の樽に漬けたラッキョウや海苔を巻いたおにぎりなどを作ってくれた。海苔は当時高価で家でもあまり食べた記憶はなかったので1帖を使った大盤振る舞いのおにぎりはとても美味しかった。近所では水道が普及していたが彼のうちは井戸をつかっていた。汲み上げ用の棒を上下させると、地下からこんこんと透明な液体が湧き出てくるので、その不思議さに目をみはったものである。

(写真は左より自分、兄、Yちゃん)


Yちゃんのこと1

2010年08月25日 06時46分32秒 | インポート

 自分が小学校低学年のころは外で遊ぶことが多かった。もちろん家の中でも遊んだが、自宅兼診療所だったので、よく診療中の診察室に入っていったり、あるいは手術中に窓から手術風景をのぞいたりもした。特に父から「あっちへいってろ」と注意されたことはなかった。今では個人情報云々だとかプライバシーだとかで子供を診察室にうろちょろさせることはない。大らかな時代であったろう。しかし何となく「診療中は入ってはいけない」ということを自然と覚えてからは、次第に外で遊ぶことが多くなった。ところで同じ区画には消防署があるが、その裏手に住んでいるYちゃんという子がいた。


インタビューその2

2010年08月24日 06時27分48秒 | インポート

 最近、相撲界の賭博事件で親方や力士が解雇になった。現役時代は闘志あふれる気風のいい相撲で人気を集めたO嶽親方も解雇になった。彼もインタビューを受け、何回も頭を下げるという謝罪会見がTVで放映された。おそらくは相撲界には一般社会からかけ離れた慣習や金銭感覚が過去半世紀以上にわたり常在していると考えられる。O嶽親方も「え? なんでワシだけが解雇?」と思ったかもしれない。しかしながら親方より年下と思われる女性記者の質問にはあきれた。「もう二度と博打はしませんね?」と。 これは質問ではない。まるで母親が息子を叱責しているような「物言い」だった。


インタビューその1

2010年08月23日 06時44分35秒 | インポート

 記者会見などで報道関係者がインタビューする場面をTVでよく見かける。ところがその質問内容に時々違和感を覚えることがある。最近、北海道で東京R大の学生4人が登山中の鉄砲水に巻き込まれ、うち3人が亡くなった。このような登山事故ではその計画性や技量などがインタビューの俎上にのぼる。生存した学生はリーダーではなかったが、ただ一人の生存者なのでTVで記者からのインタビューを受けざるを得ない。目の前で仲間3人の亡骸を確認した生存学生の心境は如何ばかりかと察する。そんな辛い心理状態にあって、いろいろと事故の経緯や状況を質問されるのはしょうがない。ところが最後にこんな質問があった。「もう二度と山には登りませんか?」と。 この質問は余計なお世話である。


気持ちは少し複雑4

2010年08月21日 06時52分20秒 | インポート

 気持ちは複雑である。こちらを主たる医療機関としてみてくれているのは嬉しいのだが、こちらでいろいろと内服薬を出しているのではない。つまりうちではおかかりの病気の治療はしていないので、他院からの薬をこちらで増やしましょう、減らしましょう、などとは言えないのである。時々この患者さんは「あそこの医院さんから、こんな薬がこれだけ出ているけど、これ大丈夫なんでしょうかね?」と聞いてくる。投薬内容が心配なら処方した医師に聞くのが一番の早道である。もしうちで処方している薬であるならいくらでも疑問に答えるが、他院の投薬内容のコメントはしないのが礼儀である。まぁ、当院を「本当のかかりつけ」にしてくれれば話はややこしくはなくて一番いいのだが・・・。


気持ちは少し複雑3

2010年08月20日 06時34分19秒 | インポート

 思い出した。何をもって、うちを「かかりつけ」としたのかは知る由もないが、この患者さんは定期的に通院している患者さんではない。風邪をひいたりお腹をこわしたりした時に、たまに来院される方である。実はこの患者さんは高血圧や糖尿病をお持ちなのだが、これは「別の医院」に通院中であり、そこから投薬を受けている。通常は、そちらの医院さんがおかかりなのであろうが、うちに風邪などでたまに来られる時に塩分制限などの話をするので、ご自身はうちをおかかりと考えていたのだろうか? まあうちを主たる医療機関に選んでくれたのは嬉しいが、夜間の出来事であり、かつ主たる疾病の継続診療はしていないのだ。とにかくいままでの検査データもないので状況がわからないのだ。う~ん、気持ちは複雑である。


気持ちは少し複雑2

2010年08月19日 07時02分23秒 | インポート

 最初、店の人からの通話では「お宅にかかりつけの患者さんだそうですが・・・」といっていた。しかしお名前を聞いても、どうも自分の記憶にないのだ。かかりつけなら覚えているはずである。最近自分も認知症の可能性がある。しかもご主人は電話口で「あ~すぐそちらに行きますので」と通院しなれているような口ぶりであった。ただ、病状からするとどうも緊急検査や点滴が必要そうなのでうちではムリである。救急病院を受診するようお伝えして電話をきった。その後、医師会の会議に戻ったがその患者さんのことが気になってほとんど会議を聞いていなかった。さて、しばし考えていたら「あ~、もしかしてあの人かも・・・」と思い出したのである。


気持ちは少し複雑1

2010年08月18日 06時57分01秒 | インポート

 大分前のことになる。夜間、医師会の会議中、携帯がなった。慌てて会議を中座して電話にでると、ある商店からであった。夜間、クリニックへの電話は在宅患者さんの便宜を図るため自分の携帯に転送するようにしている。電話内容はどうもある店先で女性患者さんの具合が悪くなり、そこのお店に駆け込んでうちに電話するよう頼んだのであった。気分が悪くて嘔吐しているという。患者さんに同伴しているご主人に電話をかわってもらったが、「あ これからタクシーひろってクリニックにすぐ行きますから・・・」と。もちろん夜間であり診療時間ではない。しかもご主人高齢のため?か私が今、外出してクリニックには不在であり、かつこの電話が転送されていることをどうしても理解して頂けていないのだ。うーん弱った。


猛暑日

2010年08月17日 06時45分55秒 | インポート

 さて昨日は、今年一番の暑さのようでした。休み明けの初日であり、診療にもエンジンがかからないところ、この暑さでしたのでバテています。昼休みの時間帯に在宅医療で訪問診療しているお宅に伺いましたが、ちょっと外に出ただけで身体中からブァーっと汗が吹き出てきました。サウナでさえも汗をかくまでには5分くらいかかるのですが、今日の暑さは外出しわずか1~2分後には汗だくになりました。汗をかくのが目的ならサウナより効果的?と言うことになるでしょう(笑)。自分が子供のころと比べ確実に夏の不快指数は上昇しているようです。やはり森林を増やしていかないと気温は抑えられないのでしょうか?


本日より診療

2010年08月16日 06時57分33秒 | インポート

 本日より診療開始いたします。さて皆様はお盆休みをどのようにお過ごしでしたでしょうか? 今年の夏はかなり暑いですね。昨年と比べると自分の身体のバテ具合もかなり違います。今年はかなり身体に堪えます。患者さんには「昼間の運動は脱水となり危険なので避けるように」と診療時にいいました。しかし自分は水分を十分取れば大丈夫だろうと、ついつい日中の炎天下に一日中、外出したらこれだけで体力を消耗してしまいました。直射日光や紫外線によって産生される活性酸素の障害を忘れていました。そうです、UV対策もきちんとしないといけませんね。まだまだ暑い日は続きます。夏ばてに注意しましょう。


来週より夏休み

2010年08月07日 06時45分08秒 | インポート

 明日8月8日(日)より8月15日(日)まで夏季休暇を頂きます。くれぐれも水分補給をして脱水を起こさないようご注意ください。尿の回数が多くなるので飲水量を減らす方がいますが、脱水に陥って生命の危険がありますので逆効果です。小さなお子さんでは脱水から熱発することがあるので体温も測りましょう。また就眠時の冷房は、喉をやられて風邪を併発することも多いので外気温から2-3℃下回る程度の設定にしましょう。では8月16日(月)より診療を開始します。それまで日記はお休みします。

 えっ? 夏休みは何をするかって? たまった証明書や診断書などの書類かきと、日ごろ読んでいない医学書で勉強です(えらいっ!・・・当たり前かぁ~)(爆)。