紅麴サプリ服用で緊急入院した40代女性 約1か月で体重7キロ減 診断はファンコニー症候群 医療費は20万円近くに その５

　この女性の文言の一部分だけを切り取って判断するは不正確なのですが、「健康のために毎日飲み続けた」と言っています。「健康のため」というのは極めてあいまいなイメージです。何がどうなると健康なのか自分で目標をきめておかないといけません。漠然としたイメージだけで毎日続けるのは極めて危険です。例えば血圧が以前より平均して10mmHg以上落ち着きましたとか、コレステロール値が以前より下がりましたとか、何か判断材料がなければあまり意味がありませんね。
　もっともこれら目標を遂げたいのであれば医療機関で投薬受けたほうが安全確実でしょう。
　漠然とした「健康のため」にという動機で、情報のないものを毎日摂り続けるほうが「不健康」だと思います。

紅麴サプリ服用で緊急入院した40代女性 約1か月で体重7キロ減 診断はファンコニー症候群 医療費は20万円近くに その４

　この思考根拠は、「ああ漢方薬ならば効き目はマイルドだし副作用もほとんどなく安全そうだ」という誤解に通じています。漢方薬も用法、用量、内服期間をきちんと守らなければ全く効かなかったり、重度の副作用を起こす可能性もあります。まあ漢方薬は薬局でも買えますが、もし医療機関から処方されていれば処方した医師に、効能や副作用などの管理責任があります。副作用の発現をもし医師が見落としたとしても、少なくとも自分の判断だけで飲み続けるサプリメントよりは安全だと思います。もしサプリを「効能は医薬品ほどでなくとも安全だから大丈夫」というイメージであれば問題です。情報がないものを盲目的に「安全」と判断する思考背景は危険かと思います。

紅麴サプリ服用で緊急入院した40代女性 約1か月で体重7キロ減 診断はファンコニー症候群 医療費は20万円近くに その３

　非常に残念な事件です。不幸中の幸いにも障害をうけた尿細管は回復してくれたということですが、場合によってはこのまま尿細管は回復せず、場合によっては今後、血液透析を生涯必要としたかもしれないですね。
　それにしても以前から危険だと思っていましたが「サプリメント信奉」もう改める必要があります。これは市民側にも問題があります。コレステロールが高くて下げたいのであれば医療機関にいってきちんと抗コレステロール薬を処方してもらい定期的な副作用検査をしてもらうべきでした。なぜサプリに走るのかその思考背景が理解できません。サプリメントは食品扱いですのでその主たる作用も必ずしも期待できないばかりでなく、副作用もわかっていません。分かっていないものを「まあまああまり効かなくても薬より安全だから」という考えであればそれはまったくの誤解です。

紅麴サプリ服用で緊急入院した40代女性 約1か月で体重7キロ減 診断はファンコニー症候群 医療費は20万円近くに その２

4/12(金) 19:31配信　TBS NEWS DIG Powered by JNN
　名古屋市立大学病院　濱野高行医師 「吐き気がひどく、腎臓の機能が落ちている状態で、全身状態があまり良くない状態でしたので（その日に）入院を決めた」 診断は「ファンコニー症候群」。日本腎臓学会の調査でも、小林製薬のサプリを飲んで健康被害を訴えた人の大半が同じ診断を受けています。 女性の腎臓の組織を染色した画像を見ると…
　名古屋市立大学病院　濱野高行医師 「赤く見えているのが尿細管。青く見えているのが線維化を起こしている。言ってみれば焼け野原の状態」 女性は緊急入院し、サプリの服用もやめて、症状は改善に向かっていると言います。
　名古屋市立大学病院　濱野高行医師 「この薬剤が原因というふうに考えざるをえない」 これまでにかかった医療費は20万円近く。小林製薬は診断書を送るよう連絡してきましたが、医療費の負担については、まだ何も決まっていないと言います。
　女性 「もう少し考えてサプリを飲めばよかったなって」

紅麴サプリ服用で緊急入院した40代女性 約1か月で体重7キロ減 診断はファンコニー症候群 医療費は20万円近くに その１

4/12(金) 19:31配信　TBS NEWS DIG Powered by JNN
　小林製薬の紅麹サプリを1年近く飲み続けて緊急入院した40代の女性が、JNNの取材に当時の状況を語りました。女性はサプリの服用をやめて症状が良くなったといいますが、支払った医療費はおよそ20万円にのぼっています。
「ショックでしたね。毎日それを飲んでいたんだなと、怖くて…」
　こう話すのは愛知県内に住む40代の女性。1年近く前から、小林製薬の紅麹サプリを飲んでいました。 女性 「職場の健康診断があって、コレステロール値が少し高かったのでサプリを飲んでみようかなと思って…」 健康のため1日3粒、ほとんど欠かさず飲み続けていましたが… 女性 「2月の初めごろから吐き気で気持ちが悪くなって食欲不振、けん怠感」 わずか1か月ほどで体重は7キロ減少。2月に飲んでいたサプリを見せてもらうと、小林製薬が「想定されていない成分を含む可能性がある」と発表した製造番号でした。

サプリメント

　特定機能食品や特定保健食品などは、あくまで食品であり医薬品ではありません。もし医薬品ならば厳しい管理のもとに、どのような副作用がどのくらいの頻度でおこりうるかなどときちんと情報が提示されています。もちろん医薬品が100％安全というわけではないですが、起こりうる副作用の情報は明示されています。ところがこれらサプリメント等は、副作用の情報がありません。ということは安全性は担保されていないばかりか「何が起こってもおかしくない」はずです。「食品だから安全」という誤ったイメージがあるのかもしれません。情報がない分、医薬品より危険であるし、また効能も医薬品ほど期待できるものでもありません。
　今回の紅麹は、紅麹自体の副作用ではないようですが、もしコレステロールを下げるという効能を期待するのであれば、医薬品内服したほうが確実で安全だと思うのですが。そろそろサプリメントに対する認識を変える時期に来たと思われます。

感染症あるある その３ 続きその２

　「テニス後の会食」において、「会食」が記憶から消えて、「テニス」を感染原因に持ってくる不思議な思考背景ですが、自身のなした行為をなかったものにする話はいろいろな場面で見受けられます。例えば、糖尿病などでダイエットが今一つ進まない方ですが、食事内容を尋ねると、わりと３食の食事内容はきちんと節食されているようです。ご本人も「食べていないのになんで体重減らないのかな」と仰います。尚もよく聞いてみると、なんと間食やお菓子類はやめていません。それを指摘すると「え？　甘いものは食事じゃないので・・・」「これは別腹じゃないんですか？」と苦しい理由を述べられる方もいます。本当に誤解されていたのか言い訳なのか、いずれにせよ「なかったこと」にして記憶から消しているのでしょうか。まあ確かにお腹一杯たべたあとでも甘いものは食べられますね。別腹というのは分からないでもないですが。

感染症あるある その３ 続きその１

　最近、紅麴サプリ商品による腎不全死亡事故が起きています。少しずつ実態が分かるにつれて、特定生産ロットでの事故ということなので、これは紅麹自体の毒性ではなく、紅麹を生成する段階での原因物質の混入か、あるいは突然発生が原因らしいです。
　どうやら特定工場からの製品からしか発生していないとまでわかってきたようです。ということは紅麹そのものが原因ではなく、偶発的か技術的かは不明ですが、いずれにせよこの工場における製造過程での問題ではないでしょうか？
　しかし世の中の風評とは恐ろしいもので「紅麹が悪者」ということになっています。「木を見て森を見ず」の格言通りで、まるでコロナ感染の原因がテニスを悪者にしてそのあとの会食行為に気が付いていないという思考背景に似ているような感じです。

感染症あるある その３

　患者さんにコロナ感染を告げると「え？　いつうつったのかなあ、いつもマスクしてるし・・あ　そういえばテニスだ、テニスしたから感染したんだ」とスポーツ自体を感染源にされる方が結構います。でもコンタクトスポーツではないのでそれは考えにくいのですが、ご本人は「テニスが悪い」とされています。「テニスさえしなければなあ」と後悔されているようですが、お話をよく伺うと実はテニス後の毎回のメンバーと会食しているようです。原因はこちらでしょう。不思議と会食やおしゃべりを忘れているのか、あるいは「これら行為は原因ではない」と思っていらっしゃるのでしょうか。不思議な思考背景です。

感染症あるある その２

　自動スプレーなどでアルコールを手に噴霧させたあとは本来では手に擦りこむ必要があります。ところがまるで柏手を打つように濡れた手をパンパンと叩く人がいます。手についたアルコールはそのまま擦り込んで乾燥させて初めて消毒効果があります。手を叩いてアルコールを飛び散らすとウイルスも飛沫しますし消毒効果も落ちるでしょう。いかにも威勢のいい感じですがなぜ柏手をうつのかその理由はよくわかりません。その人の個人的な癖なのでしょうか。
　また物をつまむのは指であって掌ではありません。指先にも十分塗布して擦りこんでくださるように。

感染症あるある その１続き

　コロナ蔓延当初、死亡される方の報道があいついでなされました。コロナ感染と診断した時の御本人の反応は「えっ、自分が？　どうして？　重症になるんですよね。死ぬんですか、ああ」という悲嘆にくれた方が多かったです。しかしワクチン接種もすすみ感染者数は減らないものの重症化率が低下してからは「コロナ陽性ですね」とお話しても「え　ああそうですか、それでいつ治ります？」と落ちついて話されます。まあそれでも重症化する人もいますし、後遺症などに悩ませられている人もいますのでかならず治るというわけでもないんですけども。喉元過ぎればというところでしょうか。
　今でもお子さんで脳症を併発して今後完治するかどうかわからないと言われたという話を聞きました。やはり予防が肝心なんですけどみなもうマスクしてませんね。エアゾル感染はほぼ飛沫感染ですのでマスクさえきちんとしていれば感染は防げると思うのですが。

感染症あるある その１

　コロナ蔓延当初の冬、インフルエンザがほとんど流行しませんでした。当院からの一人も出ていませんでした。昨年～今年はインフルエンザが大流行しましたが、親御さんに「お子さんインフルエンザ陽性と出ましたよ」と告げると、昔は「ああどうしよう、家族も感染したかもしれない、学校の休みどうしよう」などと結構いろいろと心配されました。しかし今ではコロナ感染症の経験から、インフルに罹患した患児の親御さんの反応は「ああ　そう」程度で、最近はあまり慌てる様子もありません。コロナのほうが怖いというイメージなんでしょうか、それともコロナ蔓延時の対応経験からいろいろと「馴れて」しまったからなのでしょうか。

次女へ遺骨引き渡し、国が控訴 オウム松本元死刑囚 その２

　麻原の遺骨は通常人のものとは別の意味があります。信仰の絶対的な対象となるため親族に「遺骨を悪用する意志はない」といってもなんら保証はありません。当時、麻原の入浴した風呂の水さえ信仰の対象として信者に売られていました。例えば毛髪の１本でもあればそれは信仰の対象になります。仏教の仏舎利の場合でも、ほんのわずかでも何らかの関わりさえあれば信仰の対象になっています。麻原の遺骨が散逸しないという保証は全くないばかりか、むしろ散逸の可能性は高いですね。地裁判決ですので控訴後の高裁判決に注視したいところです。これはどちらに転んでも高裁までいくかもしれません。

次女へ遺骨引き渡し、国が控訴 オウム松本元死刑囚 その１

3/18(月) 11:31配信　KYODO
　2018年に死刑が執行されたオウム真理教松本智津夫元死刑囚＝執行時（63）、教祖名麻原彰晃＝の次女が国に遺骨や遺髪の引き渡しを求めた訴訟で、国側は18日、引き渡しを命じた東京地裁判決を不服として控訴した。
　13日の地裁判決は、遺骨引き渡しは「父を悼む目的」と認められ、次女の権利乱用ではないと判断。国側は、元死刑囚の身体や使用した物品は絶対的な帰依や求心力向上に使われてきたと強調し、遺骨が利用されれば犯罪の危険性が高まると主張していたが、判決は次女に遺骨を悪用する意図があるとは立証されていないとして退けた。

願書出し忘れに両親怒り…「ミスじゃなくて犯罪」「訴訟する」 その３

　この願書提出時間に２時間遅れて頑として受け付けなかった組合教育委員会の対応を見て思い出したことがあります。駐車違反監視員の対応です。まずは下痢をしたのでタクシー運転手が公園脇の路上に止め公園トイレに行った数分間で違反切符が切られた話です。そして介護施設から自宅へ利用者さんを送る際に運転手は車を路上に駐車して、体の不自由な高齢者を歩行介助しながら自宅玄関まで送り届け戻ってきたら車に切符が貼られていたという事件です。
　どちらも公平公正に監視員は仕事をしたのかもしれません。どちらもわずか数分の間だそうです。おそらく車をそこに止めた理由は監視員の視界に入っていたかもしれません。機械のように仕事に忠実ですが心が通った仕事をしているのかどうかは何とも評価しがたいでしょう。