吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

明日よりインフルエンザワクチン

2010年09月30日 06時44分09秒 | インポート

 明日10月よりインフルエンザワクチン接種を行います。今年は新型も季節型も混合して打てます。豊島区在住の方で満65歳以上の方と1歳~13歳未満の方は区からの補助があり、その対象者の方はお手元に予診票が郵送されます。持参されないと一律¥3600ですが、お持ちいただければそれぞれ¥2200、および¥1500にて接種が受けられます。因みに接種する日がそれぞれの「満年齢」に達していないと補助の対象にならず一律¥3600になりますのでご注意ください。つまり予診票が送られてきても、まだ誕生日前で対象年齢になっていない人(つまり現在64歳で今年度の誕生日に65歳になる人、または現在0歳で今年度の誕生日に1歳になる人)は誕生日がくるまで待ってから接種をお受けください。


思考過程9

2010年09月29日 06時44分44秒 | インポート

 今回は「過去の痛い思い出(不安)」→「今回も痛いはずだ(恐怖)」→「でも切らないと治らない(逡巡)」→「麻酔効果あり(驚き)」→「無痛手術(喜び)」・・・といった思考過程だろう。最初の恐怖が強ければ強いほど、以後の驚きと喜びは一層強調されるのかもしれない。それにしてもえらいオーバーアクションの患者さんでした。思い込みの強い方のようです。以前の痛い手術の時は、その医者のことをさんざん言っていたので、今回の場合うまくいってホッとしている。「先生は上手だぁー すごいわぁー」と散々言われたが、あまり嬉しくはない。何故なら裏を返せば、もし「痛かったら」他のところで私は「ヤブ医者」にされることが容易に想像できるからである。何が怖いって、この手の患者さんの口コミがとても怖いのである(笑)。毎回一球入魂です。


思考過程8

2010年09月28日 06時51分29秒 | インポート

 さて切ることになって、局所麻酔の注射をした。「あ、あ、イタイイタイ、痛いよぉ~」と叫び始めた。案の定「先生! やっぱり痛いじゃないの!!」と・・・。「ごめんなさいね、麻酔の注射も痛いんですよ。でも効き始めたでしょう? もう痛くないはずですが・・・」と私は爪をバチバチ切り、膿をにゅるにゅると圧しだした。「えっ? もうはじめているのですか? まったく感じません。え?えっ?あぁーよかったぜんぜん痛くないですよぉ~!」と、とたんにその患者さんの態度は180度かわった。手術が終わるまでこの患者さんは饒舌に喋り続け、「ありがたい」「痛くない」「夢のようだ」「すばらしい」と礼賛を続けるのだった。少し気が散るので静かにしてほしかった。しかし興奮して?しゃべり続けているので口を挟む余地はなかった(笑)。


思考過程7

2010年09月27日 06時36分04秒 | インポート

 このまま、患者さんに治療法の選択を任してもラチがあかないようである。こちらとしては手術するかそのまま帰るかを選択してもらわないと困るのである。ままよ「では、麻酔して切りましょう。なに私が麻酔すれば痛くないですよ」と言ってしまった。これはもう賭けである。もしも痛かったら外で「あそこの医者は私が痛いと最初から分かっているのにもかかわらず、効かない痛い麻酔をして無理やり切った」と言うであろう。こう吹聴されるのは困る。でもこのまま外来で悩み続けられて座り込まれてももっと困るのである。とんだ博打をするはめになったが太鼓判を押して「やりましょう」と言った手前、もうしょうがない、やるしかない。さて、いざ麻酔をして切ることになった・・・。


思考過程6

2010年09月25日 07時05分50秒 | インポート

 このような患者さんのお気持ちは分かる。しかしこのまま治療を受けるわけでもなく、かといってお帰りになるわけでもない状態だと、次に待っている患者さんから「待ち時間が長い」と苦情が出る。以前「看護婦3人に押さえつけられて切られた」というご経験がトラウマのようであるので、「こちらではそんなことはしませんのでご自分で治療法を決めて下さい」と選択肢を3つ出した。(①麻酔してから切る ②麻酔がいやなら麻酔しないで切る  ③何もしないでそのまま帰る)  過去の経験から麻酔しても痛いだろう。ましてや麻酔しなければ絶対痛い。かといって切らなければ治らないのは患者さんも分かっているので帰らない。この①~③の堂々巡りのサイクルに嵌ったまま患者さんは座ったまま外来を動かないのである。どうにかしてよぉ~(笑)。


思考過程5

2010年09月24日 06時41分58秒 | インポート

 麻酔が効くかどうかはやってみないとわからないが局所麻酔が効かないことはない。過去の「効かない」という経験は本当なのだろうか? もしかしたら麻酔のやり方が不十分だったのか、あるいは本当に麻酔薬耐性の患者さんなのだろうか? いずれにせよやってみないと効くかどうかはわからない。ところがこの患者さんは「自分は麻酔が効かない体質である」と信じ込んでいる。今回は切らないと治らないというのも分かっているようだ。でも麻酔なしで切るのもいやである。かといってこのまま何もしないで帰るのもいやであるというのだ。じゃあ、どうしたらいいのだろうか? こちらが困ってしまうのだ・・・。


思考過程4

2010年09月22日 06時23分37秒 | インポート

 この前、近くの皮膚科の先生から高齢の女性患者さんが紹介された。足の爪が食い込んで指が化膿し抗菌薬にても炎症はおさまらないので切開、排膿をお願いしたいとのことだった。いつもご紹介いただくのでありがたく診察させて頂いた。みると親指の爪が内側に食い込んでおり、それが原因で化膿して膿がでている。確かに爪の食い込んだ部分を切除し、膿のたまった部分を剥破しなければならない。さて、いざ取りかかろうとしたところ患者さんは「ちょっと待って! 昔、私は指の処置の時に麻酔の注射が効かず看護婦さん3人に押さえつけられて切られたことがある。また抜歯の時も麻酔が効かないのでずっと痛く、抜歯後は歩いて帰れなかった。今度も麻酔は効かないのだろう?」と聞いてきたのである。さてと・・困った。


予防接種早見表

2010年09月21日 06時41分02秒 | インポート

 10月よりいよいよインフルエンザワクチンの接種が始まります。今年度、豊島区民は65歳以上が¥2200、1-12歳は¥1500、そして13-64歳は¥3600の窓口自費負担と決まりました。補助のある65歳以上および1-12歳の人は区から配布される予診票を持参しなければ、補助のない13-64歳の方々と同じ単価の¥3600になります。ちなみに13-64歳の単価は、自由設定ではなく行政より「自費の場合一律¥3600にするよう」と指導がありました。 したがって国と契約を結ばなかった医療機関を除き、今年はどこの医療機関で接種しても¥3600ですので、安く接種できることはありません。

 その他のワクチンについても早分かり表に記しました。参考までご覧ください。ご希望の方は来院頂ければPhoto この表を差し上げます。


思考過程3

2010年09月18日 06時31分56秒 | インポート

 ただどうしても腑に落ちないのは本当に「煙草の煙は咳を誘発しない」あるいは「重い体重は膝への負担にならない」と思われていたのであろうか? もしかしたら本当は「身体にはよくない」と思ってはいたのだが、あらためて私が指摘したものだから「知らないふり」をしたのではないだろうか? となるとそのような回答をさせたという私の聞き方が悪かったのであろう。実際は「いやぁ~確かに分かっているんですが咳が出ても煙草がやめられなくてねぇ~」という回答がすんなり患者さんの口からでるように私の質問の仕方でうまく誘導してあげなければいけなかったのかもしれない。患者さんもいろいろ、医療もいろいろ、いやはや一人ひとりオーダーメイドの対応を心がけなければならないです。ふぅ~・・(ため息)。


思考過程2

2010年09月17日 06時54分11秒 | インポート

 しかしながら昔から世の中では煙草の副流煙の悪影響が言われており、周囲の人への健康被害にまで言及されている。とすると自分で吸うことは副流煙どころかまさに主流煙であり、自分自身へ悪影響があることはもはや「常識」であると思っていた。ところが前述のような返事があるということは本当に「煙草は咳の原因とはならない」と思われていたのだろうか? 患者さんの認識には個人差がある。診療時のこちらの対応の仕方は重要であり、相手の医学常識がどのレベルなのかを少しずつ会話の中で把握していく必要がある。それにしても患者さんの反応や応答は様々であるので大変だ。


思考過程1

2010年09月16日 06時50分04秒 | インポート

 世間一般での医学常識と、我々医療従事者が患者さんに期待する医学常識とでは時々ズレがある。例えば風邪をひいて咳が止まらない患者さんに「煙草は吸ってますか?」と聴くと「ハイ吸ってます」と返事されることがある。「煙草は気道を刺激しますので、咳はおさまらないですよ」というと、「え~、そうだったんですか」と初めて聞いたような反応をされることもある。また膝が痛む患者さんで肥満体の方に「体重減らさないと膝の負担はとれないですよ」というと「えっ、体重が関係するのですか?」と聞き返されるときがある。これは当然と思っている知識が、患者さんにとっては常識ではなかったことになる。


昔話9

2010年09月15日 06時49分03秒 | インポート

 その鉄筋がささった傷は肉芽組織が盛り上がるまで、毎日傷口のガーゼ交換が行われた。このケガも今考えると足ではなく胸や頭だったらと思うとゾッとする。私はかなり運がよいのだろう。しかしながら特に父は、ケガをした私をみても少しも慌てることはなく、また「今後少しおとなしくしているように」などと言うこともなかった。自分が父親だったら当然「謹慎蟄居」を言いわたすだろうが、まあ自分の父は、きっと子供は元気があったほうがいいと考えていたのかもしれない。

ところでK君と遊んでいると時々彼の母親がスルメを焼いて細長く割いたものを持ってきてくれた。あれは旨かった。その後、随分あとになってからK君の母親が胃がんで亡くなったのを聞いた。彼らはその後転居した。今ではK君の家と倉庫はマンションになり、自分が死に損なった空間は昔の面影をとどめていない。


昔話8

2010年09月14日 06時31分00秒 | インポート

 ところで、昔は道端には錆びた廃車が時々放置されていることがあった。こんな廃車も絶好の遊び場である。運転席でハンドルを握りながら、悪人の車を追いかけるという遊びができた。「ぐわぁ~ん、ぶぉい、ぶぉ~い、まて! この悪漢どもめ・・・、あ~、道は急カーブだぁ・・」と右のドアに寄りかかったらドアがはずれてそのまま地面に落ちた。運悪く下には鉄筋コンクリートの破砕片があり太い鉄筋が上向きにむき出しで伸びていた。その鉄筋が自分の大腿部の外側に刺さったのである。泣きながら家に帰った。父はゾンデで創を探りながら「おぉ、これは結構深いな」と言いながらリバノールガーゼを傷口に押し込んだ。これがまたとてつもなく痛かったのでまた大泣きした。


昔話7

2010年09月13日 06時32分58秒 | インポート

 K君の周りにはいつも近所の子供達が集まっていた。彼にはリーダーシップをとってみんなを統率する力があった。倉庫の中には時々工事用の軽トラックが駐車してあった。その荷台でみんなと遊んだ記憶がある。K君はビール瓶の蓋を用いてK少年探偵団のバッヂを作って皆につけさせた。かっこよくてみんな探偵気分になった。自分は悪漢の追跡だとばかりに赤信号で停車中のトラックの荷台の後ろに気づかれないよう張り付いて、次の信号で停止するまで走り出したトラックにぶら下がっている遊びをよくやった。今考えるととてつもなく危険である。案の定、ある夏の暑い日に自分は走行中に振り落とされて肩と背中を思い切り擦りむいた。あぁしかし運がいいというか、今でも自分は生きている(笑)。泣きながら家に帰った。まぁ~毎日の処置の痛いこと、痛いこと(泣)。


昔話6

2010年09月11日 06時53分26秒 | インポート

 倉庫の天井のやや下にはむき出しの太い梁が横にかけてあり、そこには工事用の道具が吊り下げられて保管されていた。我々は壁際に積み上げられた廃材の上に登り、その梁の上を伝わって遊んでいた。当時は冒険科学小説やドラマが流行っていた。自分も、もしかしたら空を飛べると思っていた。飛べないまでも「落ちないだろう」と考えていた。自分はその梁の上を小説の主人公の如く、悪人を追跡するような設定で走り出した。すると案の定、梁の上から足をすべらせ片足が落ちたのだ。このまま数m下まで墜落かと思った瞬間、もう片方の足と腰が梁に吊り下げられていた工事用の道具の取っ手に引っかかりかろうじて落ちるのをまぬがれた。もしこの工事用の道具の固定具合が甘ければ、道具もろとも地面を直撃していただろう。命拾いをした。今でもこの時の恐怖の瞬間を忘れない。