吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

いろいろ その3

2018年01月31日 06時49分30秒 | 日記
 ついでに・・と言ってはいけないのだが、ご高齢の方では時に、自分のペースで関連のない話を延々と話し続け、こちらの診療上の質問にまったく答えてくれない(こちらの話をまったく聞いていない)患者さんも多いのである。
 これは一見、会話形式になっているので会話の内容が聴こえなければ周りの人は普通に診療していると思うだろう。しかしこちらの問診を投げかけても、まったく関連のない話で応えられてしまうのでこれも診療がすすまない。診療に必要な質問をその患者さんの冗長な話の間に何回も滑り込ませるのであるが、その質問に気が付いてくれてそれに反応してくれるには数回試みないとダメなこともある。おそらく耳が遠い場合もあるのであろうが、こちらの言葉には無頓着であることが多い。

 さて質問に答えられずに付き添いの母親の顔を伺う中学生と、片や人の話を聞いてくれないご高齢の患者さんと・・・まあ結局、どちらもあまり変わりはない。小学校高学年や中学生くらいであれば「ハイっ、きちんと答えてごらん、痛いか痛くないかはお母さんにはわからないだろ?」と言うのだが、ご高齢の方になるとそういう訳にもいくまい。なので、どちらが辛いかといえば・・・、あっいやどちらでも構いませんが。

いろいろ その2

2018年01月30日 06時24分19秒 | 日記
 児童の発達具合はまさにさまざまであるが、こちらとしてはもちろん後者(はきはきと自分の症状をハイ、イイエででも答えられる)方がやりやすい。「はあ、この子は大人だな、きちんと答えられる」とついつい思ってしまう。
 もちろんこれらの対応だけで子供の自立性などの評価はできないのであろうが、まあ診療していて「やりやすい」のである。診療していて話が進まない、診察が進まないというのが一番やりにくいのは事実である。

 またやりにくい患児というか・・・幼児の場合で、診察を始めていろいろ親に質問しても「○○ちゃん、ちゃんと聞かれたことはきちんと自分で応えなさい、ハイ!」と子供にすべてを回答させようとする親御さんがいるのである。きちんとした症状など幼児に説明できるわけはない。にもかかわらず幼児の自立性の教育なのか幼児に回答を委ねてしまうのは、これは自立教育ではなくネグレクトである。
 とにかく話がすすまない。もっともこのような場合は、付き添いが親御さんと言うよりも祖父母の場合が多い。特に付き添いだけのつもりで同道してきた祖父母の方は患児の症状など把握していない。祖父母に症状聴いても答えられず、苦しまぎれに患児に「自分でこたえなさい」と言ってしまうのだろう。

いろいろ その1

2018年01月29日 07時07分16秒 | 日記
 うちは小児科をあげていないが、小児の患者さんも時々来る。面白いのは(面白いと言ってはいけないのであるが)、年齢と自立度では結構バラつきがあるもんだと思うことがある。小児では年齢による成長度のバラツキは結構あるので年齢に応じた診療を心掛けてはいる。ところが結構このバラつき具合は正常の標準偏差内のものなのか、あるいはそれから外れるくらいの偏位なのかと思ってしまう患児がいる。

 13歳(中学生)のお子さんで、例えば「昨日咳はひどかったの?」等のどんな質問でも、その都度、答えられずに付き添いの母親の顔をみる(たぶん「お母さん、どうなの、答えてよ」という意味の)行動をとる場合がある。自分の喉の痛みの有無等は、痛いのは自分なのであるからお母さんに答えられるわけはなかろう。質問の意味が理解できないのか、自分で応えられるだけの自立性がないのか不明である。
 またその逆で小学生低学年でも、きちんとこちらの質問(もちろん平易にわかりやすい単語にしているが)、それにきちんと返事をして付き添いの大人に頼らない子供もいる。

平昌五輪に行くかどうか? その2

2018年01月27日 06時05分00秒 | 日記
 外交は賭けであり胆力であると小泉信次郎が言ったらしいが、まさにその通りである。首相の五輪訪問という駆け引きは裏目に出るかもしれないが、でも笑顔で韓国入りをして笑顔で対応するほうが他国や当該国に対しても与える影響は大きいものと考える。
 若い世代に対して反日教育を施した挙句、キャンキャンと犬が吠えるように他国のことを悪く言うようなやり方よりも、この不気味な笑顔攻撃はきっと効果はあるだろう。たぶん向こうの大統領はこの日本の爽やかな笑顔にゾッとするかもしれない。

 昔、日本の首相で「ニコポン首相」といわれた人物がいた。ニコニコ笑顔で、相手の肩をポンと叩き(腹の中は分からないが)友好の意思をみせる態度をよくとるということであった。外交は腹の探り合いである。駆け引きは重要である。でもそれを吠えることなく落ち着いてニコポンの姿勢を示せば文句ばかり言ってきている相手も不気味に思うだろう。どうぞ日本国首相におかれましては五輪に笑顔で臨んでほしい。

平昌五輪に行くかどうか? その1

2018年01月26日 06時19分37秒 | 日記
 安倍さんが韓国五輪に行くかどうかで揉めている。この慰安婦関連の日韓合意問題を前にして「平昌五輪へいくな」という意見も自民党内に多い。確かに心情としては国家間合意を「あれは前政権のこと、実は合意はしていないのだ」などと平気な顔して言える国は国際的に信用できないし信頼もできるはずがない。過去、日本は某左翼系新聞のねつ造報道が遠因で村山首相が謝ったという事実を「あれはねつ造報道に振り回され誤ったので本意ではない」などと反故にはしていない。しかしながらあの事件で日本は随分国益を損ねた。
 オリンピックという平和の祭典を前にして、彼の国は約束を平気で反故にしようとするのであるから日本国首相には行ってほしくはない。でもそうは言っても日本はにこやか、かつ平和的に五輪に参加しますという姿勢をとれば対外的イメージアップにもつながる。また国内の「行くな」という反対意見を振り切ってでも韓国に行ったということは韓国に対しても(というかこの2国間の現状を知っている他の国に対しても)、日本国首相は彼の国に貸しを作ったと判断される材料にはなるだろう。


研修

2018年01月23日 05時37分07秒 | 日記
 一昨日の日曜は研修会で浜松に行った。前泊で浜松入りしたが、浜松は数十年前に約1年間勤務していた所である。その時勤務していた病院の前まで行ってみたが、病院はすでに立て替えられて当時の面影はなかった。病院の目と鼻の先の所のアパートに住んでいたが、行ってみるといまだにそのままであったので懐かしかった。その年の夏はとにかく暑かった。熱中症の患者は多くはなかったが、なんだか交通事故が多かったような記憶もある。

 さて翌日の研修会は駅前の立派なホールで行われた。朝の9時から途中5分の休憩2回のみで、食事中もランチョンセミナーと称し講演がぶっ続けで行われた。大変きついセミナーであるが集中的にやるので勉強になる。というかこのセミナーを受けないと専門医の更新クレジットがとれないのである。東京でも行われるのであるが、参加者が集中するので予約がとりにくいのである。まあ、でも久しぶりの街だったので楽しかった。
 帰りは鰻蒲焼弁当とビールを買って帰京した。これも楽しみのひとつ。

感染症 全盛期

2018年01月22日 05時38分10秒 | 日記
 1月に入ってから、インフルエンザ患者さんがぐっと増加した。今年はインフルエンザワクチンを打たなかった人も多く、今はA型、B型両方が猛威をふるっている。
 また子供では溶連菌感染も流行っており、そして通常の風邪やウイルス性胃腸炎の流行もあり、この時期は1年のうちでもっとも感染症の多い季節である。

 特にインフルエンザは爆発的に拡大するため院内でも待合室において患者さんの誘導やらに気を遣う。
 最近では咳をするかたはマスクをつけてこられる方も多いが、時に何も感染防御されてこない方もいる。
 適宜こちらでマスクをお渡しするのであるが、院内感染は特に心配である。院内の通常の換気扇だけではなんだか不安なのである。

冬期五輪

2018年01月20日 05時47分04秒 | 日記
 平昌五輪に安倍首相が出席するかどうかで注目が集まっている。
 自民党幹部は「スポーツの祭典と日韓合意破棄問題とは別なので行った方がよい」との意見もある。首相官邸では直前になるまでわからないとしているが、国会会期スケジュールの調整にはいっているそうである。
 
 たぶん安倍さんの本音は「誰が行くもんか」と思っているだろう。でも政治の駆け引きで、日本は国レベルでの約束を守らない国に対しても平和的にかつ友好的に接するというイメージを発信できるだろう。
 いわゆる懐の深さをみせつけられるので、たぶん安倍さんは行くものと思われる。

 現状であの気持ち悪い慰安婦像が増え続けていくのは約束破りである。誰もが腹立たしくなるこの状況でも安倍さんはきっと笑顔で韓国訪問するに違いない。
 私ならキレているが。

逗子ストーカー殺人事件における逗子市の敗訴 その3

2018年01月19日 06時23分31秒 | 日記
 「認定結果など情報を他に提供してもよいか?」という文言だと具体的によくわからない。何のことかよくわからないと人間は警戒してサインしない。ここにサインしなくとも介護認定の申請は可能なので申請手続き上は困らない。
 しかしサインがないとかかりつけ医療機関に区役所から情報提供されないのである。つまり区役所側の思惑は「個人情報提供はトラブルの元になるのでなるべく出したくない」のである。だせばいろいろ今回のような面倒な事件にまで発展する可能性があるからである。医療機関にとって必要な情報でも、行政側はなるべく情報を出さないで済むようにすれば面倒な事件は回避できると考えているのである。

 今回の加害者への情報提供が殺害の遠因であるとの判決は極めて重い。ぜったいに今後は市役所側は個人情報に蓋をして「情報が本当に必要な場合」でもなるべく提供しないようなシステムを作るようになるはずである。
 本来であれば「情報を外に出さない」システム作りではなく、「情報を本当に必要としている所を見極める」システム作りが必要なのだが豊島区役所の例をみても行政にそこまで期待するのは無理だろう。
 残念であるが今後は逗子市において個人情報を本当に必要とする各施設において不便になることは間違いない。この判決がもたらすであろう未来は重い。
 「羹に懲りて膾を吹く」ことは起こる。

逗子ストーカー殺人事件における逗子市の敗訴 その2

2018年01月18日 05時34分12秒 | 日記
 このような判例が出ると、行政では「羹に懲りてなますを吹く」ことが確実におこる。市役所側は今後あらゆる個人情報に鍵をかけるであろう。鉄壁の状態で情報管理して、あたかも金庫の中に入れっぱなしにして必要な時すらも外には出さなくなるような「行き過ぎた管理」になるはずである。
 情報提供しなければいけない人に対しても提供しなくなるようなことが絶対起こるはずである。

 豊島区の場合がそうである。個人情報の保護が鉄壁なのはいい。しかし介護保険における介護認定結果、これは各医療機関で必要なのであるが、基本的には医療機関にフィードバックしない思惑がみえる。
 こちらがその患者さんの認定会議に必要な書類(医師意見書)を記載して提出していても基本的には会議結果は教えてくれないのである。
 患者さんの申請書の一番下に「認定結果など情報を他に提供してもよいか?」という文言がある。これが曲者である。

逗子ストーカー殺人事件における逗子市の敗訴 その1

2018年01月17日 06時35分32秒 | 日記
 約5年前、逗子市で元交際相手の男から執拗にストーカー行為を受けた末に殺害された三好梨絵さんと言う方がおられた。三好さんの夫は、当時の逗子市の職員が閲覧を制限された自宅の住所を加害者側に漏らしたことがプライバシーの侵害にあたると主張。逗子市を相手に損害賠償を求めた裁判を起こしが、横浜地裁横須賀支部は1月15日、110万円の支払いを命じる判決をくだした。
 判決では「情報漏洩に起因して事件が起きた」と認定する一方、市の職員は嘘の申し出を受けて情報を漏らしたもので「加害者側の真の目的を知らなかった」とし、亡くなったことまでは考慮に入れられないとした。
 
 家族にしてみれば、市の職員が漏らした情報で被害者が殺害されたのだから市の職員を恨む気持ちは痛いほどよくわかる。
 しかし被害者の情報を加害者に提供しなかったとしたなら殺害は回避しえたのかという疑問も残る。悪いのは勿論加害者であるが、殺害の責任の一端が市側にもあるのだということが司法で認定されたのである。この判例は重い。

貴ノ岩の診断書 その2

2018年01月16日 06時46分43秒 | 日記
 まず診断書の病名だが、「裂創痕」「乳突蜂巣炎痕」などは「治った痕跡」という意味であり、現在は治癒している意味である。
 なので今後の生活制限の根拠にならない。だから補足説明で「慢性硬膜下血腫の危険があるため・・」などと今後の休場の理由をつけている。

 慢性硬膜下血腫は高齢者や抗凝固薬を服用している人の頭部打撲の後、1~3か月後あたりに徐々に発症する。若く頑丈で健康体の者にはおこらない。
 頑丈な力士に起こるとしたら(起こりえないが)、打撲時に最低限、脳震盪程度の意識障害くらいないととても理由がつかない。何も神経症状のない若く健康な力士に「慢性硬膜血腫」などは起こるはずがない。

 この診断書と補足説明をみたら、貴ノ花側が「次の場所も休場するので(させるので)、そのように診断書を書いてください」と病院側にねじ込んだのがわかる。
 病院側も有名人相手の診断書には困りものであったろう。有名人でなければ「いや、でも今後の運動制限は必要ないですよ」と補足はかかなかったであろう。担当医もつらかったろうに。
 うちのクリニックではなくてよかった。

貴ノ岩の診断書 その1

2018年01月15日 06時37分07秒 | 日記
 相撲協会は暴行を受けた被害者でもある貴ノ岩に対して診断書の提出を条件に、初場所を全休しても十両の最下位に据え置かれる救済措置をとることを、昨年12月20日の臨時理事会後に公表していた。
 そして1月11日に提出された診断書(「頭部外傷、頭皮列創痕、右乳突蜂巣炎痕」)には繰り返す頭部打撲は慢性硬膜下血腫発症の危険性を増すため、受傷後約3か月程度は頭部打撲を避ける必要があるとの補足説明がなされており、昨年九州場所に続き2場所連続で全休することとなった。

 この診断書の病名みると、現在の状態では「完治」と受け取れる。これなら次の場所も休場しなくてはならないという必然性はない。補足説明で今後、慢性硬膜下血腫の危険性があるため・・・などと記されているが、その危険性はほとんどない。医者の目で見れば、これは苦しい言い訳にしかうけとれない。