吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

いざと言う時あまり役立たないもの その1

2020年02月28日 06時31分17秒 | 日記
「手術前や検査前に患者さんに記載してもらう同意書」
 
(記載義務も取得義務もなく、いざという時、何の法的効力もない。患者さんが事前に説明を聞きましたという覚え書きにすぎない。しかも「同意書」と言う割には、これにサインがあっても患者さんが手術や検査を同意したことの担保にならない。医療従事者側からすれば、事前に準備すべき書類のわりに、ほとんど意味のない文書)

顆粒? その2

2020年02月27日 06時27分27秒 | 日記
 まあ飲めないなら飲めないでしょうがない。しかし最近、「顆粒の薬・・・」といっても「は? 顆粒? 顆粒って何ですか?」と言われることが増えてきた。
 「え? 顆粒わからないですか? コンソメスープだとかだしの素みたいな調味料によくある粉よりも大きな粒ですぐ水に溶ける・・」と説明しても「あ、私、料理しないのでわかりません」という若い女性に何人も出くわすのである。
 まあ、これもこれでしょうがない。年齢が若くて知らないことは齢(よわい)を重ねれば知るようになるかもしれない。まあ「若気の至り」ということでそれでもよかろう。
 しかしである。中高年の女性の方に「顆粒の薬」といって「顆粒」の剤型をご存じない方も時々・・いるのである。その方に対してとやかく言うつもりはない。ないけど、ちょっとだけこちらががっかりしてしまうのは自分に包容力がないせいなのだろう。いくら説明しても「知らない、わからない」と言われてしまうとガッカリなのである。
 齢を重ねるってことはやっぱり重みがあるのだが・・・ううん、やっぱり自分の包容力のなさがいけないのかもしれない。

顆粒? その1

2020年02月26日 06時21分10秒 | 日記
 最近、漢方薬(エキス製剤)をよく処方する。これらは顆粒製剤である。事前に患者さんに「飲めない薬ありますか? 錠剤? 粉薬? 顆粒大丈夫ですか?」と聞くのである。大人の患者さんでも「あっ、粉薬ダメなんですぅ~」という人が結構いる。
 昔、自分が小学生の時の「大人への階段」は「粉薬が飲めるかどうか」であった。「あっ、粉薬のめたの~、お兄ちゃんになったわね~」とまるで大人になるための通過点のように褒められたのである。
 そうなると「粉薬飲めない人」はこの通過点を越えられない人であると必然的に刷り込まれてきたわけである。別に粉薬が飲めない人をとやかく言っているのではなく、飲めないことが成長段階での足踏みと過去に言われてきたことが正しくない解釈だったことを言っているのである。
 でも漢方にはいい薬も多い。ほかの会社では漢方薬でも錠剤はあることはあるが1日18錠くらいの服用量にもなるので、それだったら顆粒(たかだか2.5g程度)を飲んでもらったほうが楽だと思うのだが。

県職員が公園に高齢者置き去り…愛知の福祉相談センター その4

2020年02月25日 06時43分48秒 | 日記
 今回は福祉センター職員が男性を置き去りした、これはけしからんと言った論調である。世の中は福祉職員がとんでもないことをしたという報道である。確かにそうではあるが、その福祉センターへ目が行って、今回関与した他の行政部署の「対応のまずさ」が隠れてしまっていることが問題である。
 おそらくは今回の事件の原因は、関与したすべての行政部署が「うちの対応事例ではない」と放り出したことにある。福祉センターは「ああ、うちに押し付けられて貧乏くじを引いた」と思っているかもしれない(想像だが)。
 それにつけても消防が救急搬送を断ったというのは徹底的に検証すべきである。福祉センターの陰に隠れて「安堵」しているようでは最悪である。
 本当に救急医療が必要な病状かどうかを的確に判断するためにこそ救急救命士制度が発足したのである。本事例は脳梗塞を発症しそれで喋れなかったのかもしれない。だとすると本来、急いで抗凝固療法を開始すれば後遺症なく治療できるのであるから、そのチャンスを無にしたということで消防の責任は大きい。当該地区のメディカルコントロール委員会できちんと検証すべきである。
 これがそのまま闇に葬られたなら消防のプレホスピタルケアに未来はない。


県職員が公園に高齢者置き去り…愛知の福祉相談センター その3

2020年02月22日 06時19分48秒 | 日記
 まずよくしゃべれない身元不明の不審者であるが警察自体は身元確認作業はできなかったのか。またもしかしたら医療保護が必要な状態であるとは思わなかったのか疑問である。まずこの段階での警察の対応の検証は必要であろう。またここで警察は消防に連絡せずに福祉センターに保護させるというのはこの地区でのルーチンなのであろうか? 
 つぎに簡易宿泊所では収容は断られたというがその理由は何なのであろうか? またこの時点で消防に連絡が入ったそうだが、どうやら搬送を断られたというのである。
 過去、救急医療を長いことやってきたので、ある程度事情を承知しているが、消防が搬送を断ることは滅多にない。それこそ身元不明だろうが、意識はあるが喋れないなども含めて「何でも」病院に搬送してきた。しかも最終的には「脳梗塞」とこの男性が診断されていることから、疾病を併発しているであろう男性の搬送依頼を最初は断ったわけである。これは地区のメディカルコントロール委員会で詳細な検証が必要である。

県職員が公園に高齢者置き去り…愛知の福祉相談センター その2

2020年02月21日 06時43分30秒 | 日記
 詳細は、銀行のATMでこの高齢者が喋れないでウロウロしているところを警察に保護された。警察は福祉センターへ連絡し身柄を引き渡した。当該地区福祉センターは身元不明者を一時収容する簡易宿泊所に収容をお願いしたが健康上の理由なのか収容を断られ、次に消防に連絡したがこちらでも搬送を断られたそうである。そこで福祉センター上司の命令で、その男性を公園に置き、職員は身分を名乗らずに119番通報したとのことであった。
 メディアの論調は「置き去りにした→センター職員はけしからん」であった。
 でも果たしてセンター職員だけが悪いであろうか? なんだかカードゲームの「ババ抜き」のようである。最後に「ばば」を持っていた人が全責任を負うというのは疑問である。
 今回の流れの中で検証すべきはその他の関連部署の対応である。自分がババを引かなかったということで知らん顔をしていたらそれは無責任である。

県職員が公園に高齢者置き去り…愛知の福祉相談センター その1

2020年02月20日 06時36分29秒 | 日記
2020.2.5 SANSPO.COM
 愛知県海部福祉相談センター(同県津島市)の職員が警察から引き渡しを受けた身元不明の70代男性を管轄区域外の公園に連れて行き、深夜に置き去りにしていたことが4日、県などへの取材で分かった。男性はその後保護されたが、脳梗塞の疑いがあり、現在入院しているという。
 県や県警によると、同県大治町で1月17日夕、津島署員が男性を保護。会話や意思疎通ができない状態だったため、署員がセンター職員に引き渡した。職員2人が対応したが、消防から搬送を断られた。受け入れ先が見つからず対応に困り、名古屋市中村区の公園に男性を連れて行き、職員が偽名で119番した。

中国コロナウイルス 余波11

2020年02月19日 06時31分48秒 | 日記
 今回の場合、大量の「出待ち待機」の救急車である。緊急患者(緊急病態)は一人もいない。緊急搬送の必要はない。通常走行でよいはず。感染対策をした普通車や寝台車でいいのである。
 まず自治体消防がこれだけ救急車を出したその超法規的理由を知りたい。もしもこの出動にOKを出したこの自治体消防の権限者が、他の行政からの「お願い」ということで一肌脱いだなんて男気でも感じていたなら勘違いもはなはだしい。
 昔、これよりも緊急度が若干高い患者の搬送を依頼しても、頑として受け付けてくれなかった経験をもつ自分としては納得がまったくいかない。
 TVのレポーターが「救急車の中には各病院の救急車、そして普通のバンや寝台車も見られます。救急車ではなくてもいいんでしょうか?」と馬鹿なことを言っていた。
 普通の車でいいのである。むしろ自治体の救急車が多数参集することのほうに違和感を覚えてくれなくては困るのである。あんな映像みせられ「救急車でなくてもいいんでしょうか」なんていってるようでは、今後いつまでたっても救急車の適正利用を市民に啓蒙なんかできるはずがない。


中国コロナウイルス 余波10

2020年02月18日 07時05分57秒 | 日記
 その通りである。救急車はタクシーではない。タクシー代わりの利用はやめましょうって市民に啓蒙している時代である。患者の状態が不安定の場合こそ自治体救急車が利用できるのだと嫌と言うほど学ばせられた自分にとって、今回の光景は違和感そのものである。
 とにかく、埠頭に「自治体救急車が待機」ってありえない光景でしょう? 緊急病態なら「出待ち待機」などあるはずがない。明らかに緊急病態でもないのに自治体消防が出動しているのである。おそらく政府か行政の依頼により自治体が動いたのであろう。
 ならば慢性的に不足している救急車や救急隊員をそこに拘束し、市内の緊急搬送に対応できなくするよりも、救急車ではない普通車を埠頭に参集させ通常走行による搬送をしたほうが、当時、あれだけ「勉強させられた」自分には納得できるのである。

中国コロナウイルス 余波9

2020年02月17日 05時59分07秒 | 日記
 しかも違和感の続きであるが、今回の感染者の病院への搬送は「緊急搬送ではない」。これは重要である。緊急病態であれば救急車でサイレンを鳴らすこともよいが、今回の患者は緊急病態ではない。これを搬送するにはサイレンを鳴らしてはいけない(鳴らすと緊急自動車扱いになる)。通常走行で搬送するべきであるが、そうなれば救急車の必要がなく通常の寝台車などでよい。あえて自治体の救急車を利用する理由がわからない。本来では規定違反である。
 昔自分は、患者の病院間搬送依頼をお願いしたことが何度もあった。しかし患者の状態をつげたら「緊急病態ではないので自前の車で行ってください」と搬送を断られたことが何度もあった。
 自分の目の前に患者がいながらその患者が緊急状態にないことを理由に搬送を断られたことは嫌と言うほど経験した。でもその通りである救急車をタクシー代わりに利用することはしてはいけないのである。

中国コロナウイルス 余波8

2020年02月15日 06時23分51秒 | 日記
 きわめてこの光景に違和感を覚えた。何故、多くの救急車が大黒ふ頭に参集できるのか?である。
 東京でもそうであるが多くの地方自治体ではここ数年、搬送件数がうなぎ登りであり、救急隊も救急車も全く足りていない状況である。
 これがすべて種々病院、医療機関などの自前の救急車ならまだ話は分かる。しかしこれが消防の救急車だとしたらどこからかき集めてきたのか大いに疑問。余剰分などないはず。もしスペアの救急車であっても、それを動かす救急隊員のマンパワーなどには余裕はないはずである。
 これでは絶対、市内での通常の救急対応に皺寄せが出ているはず。
 その裏事情まで市民は知っているのであろうか?


中国コロナウイルス 余波7

2020年02月14日 06時38分11秒 | 日記
 クルーズ船の感染者、1人が重症 新型肺炎 新型肺炎・コロナウイルス
 2020年2月7日 11時27分 朝日新聞DIGITAL
 大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が着岸する横浜港・大黒ふ頭には多くの救急車が集まっていた。
 新型肺炎を発症した香港の男性が乗っていた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号(横浜港に停泊中)で、新たに乗客41人が新型コロナウイルスに感染していたことがわかった。厚生労働省が7日、残っていた171人分の結果を発表した。41人は20~80代で、重症者はいないという。東京と埼玉、千葉、神奈川、静岡の5都県の医療機関に搬送する。

 本論とは異なるが、多数の救急車が埠頭に参集している光景に違和感を覚えた。

中国コロナウイルス 余波6

2020年02月13日 06時14分57秒 | 日記
 後日、医師会から連絡があった。とりあえず医師会のスタンスとしては「2週間出席停止は構わないしそのようなスタンスでOK」とのこと。しかし校医としての意見には強制力を持たすことなく、最終判断は校長に委ねることにしてくれと連絡があった。そのため週明けに小学校の養護教員にその旨をつたえた。そしてその日の午後、今度は校長から連絡があった。「区の教育委員会でうちの小学校が差別的対応をしていたと問題になっている」と・・・。
 まさに、はあ? である。2週間留め置くことのどこが差別なんだ? 感染確認の検査法は開業医にはない。しかもこのウイルスは潜伏感染期でも人に感染させるという。
 武漢の人との接触がなければOKと言っているが、武漢の人と接触した第三者が日本人児童と接触したかどうかについてはわかるわけがない。しかも日本国内ではすでに3次感染が言われている段階である。確定診断を持たないのであるから我々は網を大きく広げたほうが安全だと思うのだが。
 とりあえず医師会からの指示で、出席の是非については校長の最終判断にゆだねるようにしたが、まあ別にそのことはどうも思わない。別に医師会の方針には全く文句はない。
 でも、それにもかかわらず自分が校医を務める小学校で差別的対応があったと教育委員会からいわれるのは心外である。
 校医ってなんなんだ・・・と思った。

中国コロナウイルス 余波5

2020年02月10日 05時52分29秒 | 日記
 コロナウイルス感染の確定診断の手立てを我々開業医は現在もっていない。ということであれば、我々校医が診察しても確定診断できなければ校医と連携といっても何をどういう基準で我々が登校OKの許可が出せるのかである。
 もちろん診察して「あ 肺炎おこしてますね」「気管支炎ですね」とかの診断はできるがこれがコロナウイルスの原因かどうかは分かるわけがない。したがって何か症状があればともかく、まったく潜伏期で症状のない児童を診察して「コロナウイルスじゃないですね。学校行っていいですよ」なんて許可できるわけがない。
 したがって今回の小学校からの相談であるが、この上海からの帰国児童は2週間自宅待機にさせた。この間になんら症状なければ潜伏期もこえるので登校できると判断した。自分が診察するよりよっぽど確実である。ところが・・・。