吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

無作為抽出の怪 その3

2017年11月30日 06時02分56秒 | 日記
 しかしこの10%の東京マラソンの当選確率よりはるかに低い0.6%の確率がなぜいきなり自分なのか疑ってしまう。そんな「無作為抽出」を謳う種々の行政アンケートがなんで開業して10年の間に何回も当たるのか不思議である。

 これは裁判員候補者の抽選でもそうである。これも「無作為抽出」を謳っている。でも、それにもかかわらず自分はここ10年で2回も当たっている。(因みに自分が裁判員であることをネットで表明するのは違法のようだが、あくまで「候補者」としての登録の段階のことだから表明は許されると解釈した) 

 そしてなんだか裁判員制度についての小うるさい説明文やら、漫画仕立てのQ&Aが送られてくる。だいたいこの裁判員制度だって、国民間での議論はなかったでしょう。
 知らない間にあれよあれよで決められた感じ。これと同じ話でマイナンバー制度も気が付いたら施行しますよだって・・。過去に国民総背番号制度は総スカンで廃案になったことがあったでしょう。なんで今回は隠密裏に決まっちゃうの? あの甘利さんが「私じゃない、私じゃないのよ~」とゲスの極み乙女。(だったか?)というバンドの歌を唄ってこのマイナンバーを宣伝したのを思い出す。

無作為抽出の怪 その2

2017年11月29日 05時23分22秒 | 日記
 先日、某行政団体が自分個人あてにアンケートを求めてきた。アンケートの返送先はこの行政団体ではなく、委託業者に・・である。やはりこれだって個人情報を扱うには失礼であるし不適当である。
 委託業者の名をかたれば詐欺行為も可能である。いくら「目的以外には情報は利用しない」などと書いてあっても、もっと詐欺師のほうが「もっともらしい」文言を使うはずである。
 しかも「豊島区のなかから『無作為に』抽出された2000人の方にご協力お願いしています」という、もっともらしい嘘までかいてある。
 豊島区の人口は約30万人である。つまり自分の当選した確率は、2000/30万であるので0.6%である。
 それが今まで、毎年(行政団体の違いこそあれ)何回も当選するのか? 

 因みに東京マラソンの当選確率は10%(10人に1人)である。なので10年に1回当たる確率である。自分はここ10年で1回しか当たっていないので、こちらこそ「厳正な抽選で無作為に」といわれれば納得する。

無作為抽出の怪 その1

2017年11月28日 06時36分44秒 | 日記
 開業して10年になるが、その前の勤務医時代と比べて郵便物の変化がある。それは行政からのアンケート(調査も含めて)である。
 大学勤務医時代には行政から自宅(勤務先ではない)に送られてくるアンケートなど皆無だった。しかしここ10年やたらと行政(それが訳の分からぬ外郭団体もふくめて)からの調査票が多いのである。
 注意が必要なのは医院開業しているので、条例等によりその事業所に対しておくられてくる調査票には回答義務があるものもある。
 しかしその他の義務のないものは面倒くさいし、しかもそれに個人情報を記載するのもなにか癪なのである。一瞬、このような形で悪用したら情報収集詐欺もできるんだろうなとも思ってしまうのである。
 胡散臭いのでたいていこんなものはごみ箱に捨ててしまう。

 しかしそれは事業所に対してであるが、個人に対して個人情報を提出させるアンケートも多い。「行政(あるいは外郭団体の名前)を出せば安易に個人情報を収集してよいと思っているのだろうか?

漢方薬雑感 その4

2017年11月27日 05時59分07秒 | 日記
 いざという時のお助けになるのが漢方薬である。
 しかし、漢方薬には苦手な部分もあるようである。
 それは、例えば「鎮痛剤」関連のものである。

 高齢の方に多いのが、明け方、寝ていて足の筋肉のけいれん(こむらがえり)を訴えることが多い。これは確かに西洋の鎮痛剤よりも漢方薬の方が即効性も効能もあり、患者さんにもすでにしっている「漢方の68番下さい」と希望される薬がある。

 しかし、実際の痛みである、頭痛や打撲やケガなどの痛みの場合は、とりあえず効能が謳われている漢方薬のものもあるが、いわゆる西洋薬の「非ステロイド系鎮痛薬」のほうがはるかに患者さんには効くようである。

 もちろん数日間服用していれば漢方系も効いてくるのかもしれないが、除痛目的の場合、患者さんは即効性を期待しているのであるから「あ、いやっ、漢方ではないのにしてください」と言われることも多い。

 やはり患者満足度というものは、症状が早くとれるかどうかなのであろう。

漢方薬雑感 その3

2017年11月25日 06時30分51秒 | 日記
 漢方薬はいざという時に西洋薬にはない切れ味で時に「お助け薬」となってくれる。特に多彩な症状の場合は西洋薬では対応しにくい。

 西洋薬では鼻水、咳、痰、咽頭痛・・といえば呼吸系の処方をする。また腹痛があり、下痢、嘔気嘔吐があれば消化器系の薬が選択される。
 しかし手足が冷えてむくんで、頭痛があり、イライラして時にいきなり「のぼせ」や「ほてり」があって、食欲はないが体重は減らず、生理は多いかもしれないが気にならない・・・と言うご婦人は西洋薬では方向性が立たず対処しきれない。
 このような時には漢方薬の出番なのである。漢方薬をやっている医師なら候補薬はピンとくるであろう。このような場合には2~3の漢方薬が候補にのぼる。しかも効き目は結構あるのだ。

 以前、漢方薬を扱わなかったときは、このような不定愁訴には手をあげた。でもいまは何とか満足いただいているようである。

漢方薬雑感 その2

2017年11月24日 05時37分21秒 | 日記
 漢方薬は効き目も穏やかで、副作用も少ない(ない)とのイメージがあるが、それは全部嘘である。どこからそんなイメージが行きわたったのか不明である? 
 漢方薬と一括りに言うのはよくないだろう。滋養強壮主体のものもあれば、急性期にのみ効くものもある。また長期連用ですごい副作用(時に致命的な)をもたらすものもある。

 やはりきちんとこれらを理解して診察、処方する必要がある。数日前にも日記に書いたが、あたかもカタカナの名前をつけて漢方薬らしいイメージを払しょくし薬局で販売している漢方薬もある。
 体格、体質(漢方の世界では「証」というが)、それにあわなければ効かないばかりか肝機能障害やら間質性肺炎の原因となる。厳しく管理したほうがいいのではないかと思うのだが・・・。

 それにしても漢方薬は奥が深い。うまく細菌にヒットした時のような抗菌薬と同じくらい、漢方薬でも、その切れ味の鋭さに時に驚くのである。

漢方薬雑感 その1

2017年11月22日 05時55分30秒 | 日記
 漢方薬については医学部時代に講義を受けたことはない。医者になってしかも10年前に開業してから講習会などで勉強した。
 印象としては効かない人にはまったく効かないが、効く人には本当に良く効くという印象。今まで西洋薬で全く取れなかった症状が、いざ漢方薬で効果が表れるとなると本当に患者さんに感謝される。
 あるいはそこまで患者さん本人の口から効能が聞かれなくても、「最近薬が余ってきている」とか「薬飲み忘れることもある」と外来で言われることもあるが、これはある意味、漢方薬の効能がみられてきていると解釈できる。
 
 医師の中には「漢方薬は科学的根拠がないので効能は疑わしい。自分は使わない」と言う人もいる。それも結構。でも患者が「あ~今までの症状はほとんどとれましたよ」と言われると根拠があるなしの問題ではなく、患者満足度は高いと感じるのである。
 漢方薬は極めて奥が深く、西洋薬で手詰まりになった次の一手に有用である。

ワクチン不足

2017年11月21日 06時32分23秒 | 日記
 昨日、医師会の委員会にいった。
 やはりどこの医療機関もインフエンザワクチンが枯渇しているようだ。どこも行き渡るかどうか確約できないので予約はとっていないとのこと。みなうちと同じようである。
 
 いろいろな噂があった。前年度、余剰分を返却した医療機関は今年度の納品が後回しにされているとか、前年度の使用本数の6掛けしか納品しないとか・・・でもそれって納入している医薬品問屋が操作できるものでもないと思うのであるが・・・。

 とにかく今年は、うちでも予約は取っていないし、新たに入荷しても患者さんに電話連絡して告知しているわけでもない。在庫があるときに、たまたま来院された患者さんには接種提供しているというだけである。

 それなのに、ワクチンが入荷されると、小さなお子さんを連れた家族単位で、どっと来院される。なにやら「ママ友ライン」でもあって「あっ、今日はねー、吉田クリニックにあったわよ~、でもね今日でなくなるらしいって~、午後一番で行った方がいいわよ~」などという情報網でもあるような感じである。小さい子供を連れた家族が、まさにドカッと集中し、さながら予防接種会場のようになってしまう。
 今年はうちのクリニックが初めてというような家族が多いのはそのせいかもしれない。
 12月になれば供給量が増えるという噂は本当なのだろうか? 今年は困ったものである。

だから何?

2017年11月20日 06時09分31秒 | 日記
 日馬富士の暴行事件であるが、貴ノ岩の警察に出し診断書と協会に出した診断書が異なっているって世の中で話題になっているらしい。
 でもこんなこと不思議でも何でもない。診察した時期や施行した検査も異なれば違った診断が出ることも不思議ではない。頭部のX線だけとCTスキャン検査でも診断精度は異なる(当たり前である)。また診察時期が異なれば症状や病勢はかわってくる。

 診断書の内容はあくまで診察したその時点での(ピンポイントの)診断結果でしかない。またその後の経過や新たなる診断について保障するものでもない。
 そのために「~の疑い」という確定診断ではない病名をつけているのである。

 うちのような小さなクリニックにはCTはないから頭部X線だけしか施行できない。にもかかわらず「その場」で「確実な」診断を要求されたらたまったものじゃない。
 マスメディアは、どんな医療機関を受診しても、その場で正確無比な診断ができなくてはいけないとでも思っているのだろうか? 甚だ迷惑である。

誇大広告? その2

2017年11月18日 06時06分01秒 | 日記
 コッコアポ(防己黄耆湯)だかコッコアポLやナイシトール(防風通聖散)だかは定かでないが、これらはやせ薬のイメージはあるが体重減少の効能はない。
 正確にいうと内臓脂肪は減らす効果はあるらしいが体重減少には有意差がないそうである。確かにTVCMでは「やせますよ」とか「体重落としますよ」とは言っていない。「内臓脂肪を減らしますよ」と言っているがこれは嘘ではない。
 嘘ではないが何となくCMの映像を見ているといかにも体重を落とせそうなイメージを持ってしまう。確かに誇大広告ではないので文句はないのであるが、でも見ている人に与えるイメージは誤解を招くものである。

 いずれにせよ漢方薬はうちでもおおくの患者さんに処方するが、マイルドな薬ではない。「漢方薬は効き目は穏やかで副作用もない」というイメージがあるようであるが、それは嘘である。体質、体格によって全く効き目がなかったりするので、医師が診察して目の前の患者に適応するかどうかの判断は必要である。また連用で重篤な副作用も経験する。
 結構副作用あるのである。処方するなら万全のフォローが必要なのであるが・・・。

誇大広告? その1

2017年11月17日 06時20分12秒 | 日記
 以前よりTVCMで感じるのであるが、某製薬会社から売られているいろいろな薬に??と思うのである。
 例えばビスラットゴールド、コッコアポ、コッコアポL、ナイシトールなどである。
 これらはCM見ていた人はどんな薬だと思うのであろうか? たぶん「やせ薬」とイメージしているかもしれない。

 実はこれらは大柴胡湯、防己黄耆湯、防風通聖散であり、つまりは漢方薬なのである。
 名称をカタカナにしているが、体格や体力を考慮して内服しないと副作用が起こりうる。

 うちでは「やせ薬」として処方はしないが適応があれば副作用に注意して処方している。
 しかしこれらの薬局でかえる薬を無制限に購入、内服されたら実は怖いのである。

インフルエンザワクチン接種雑感 その2

2017年11月16日 06時17分24秒 | 日記
 毎年思うのである。爆発的な流行の大元はやはり保育園やら小学校の集団生活をしているところなのである。
 大昔自分が小学生の頃は学校でインフルエンザワクチンの集団接種した記憶がある。流行を元からたつという観点からまたこのような集団接種を再開したらいいと感じている。

 各自治体は高齢者に補助をだして接種を勧めている。これは高齢者のインフルエンザが重篤化して死亡するのを抑える目的であろう。しかしどうであろうか? 
 印象では高齢者は学童や幼児に比べ家から外へ出て集団で生活する機会は少ないであろう(もちろん施設入居者や通所者は別だが)。
 でも罹患率にすると幼児、学童に比べて高くはないと思われる。(罹患した場合の死亡率は高いかもしれないが)。

  爆発的流行を阻止するためには、子供の医療費を無料化しないで、部分的に有料にし、その分を子供の無料集団接種用の財源に回した方がよいといつも思っている。

インフルエンザワクチン接種雑感 その1

2017年11月15日 05時41分47秒 | 日記

 今年もワクチン接種の季節になったが、とにかくワクチンが足りないのには閉口している。不定期に少バイアルずつ納入されるのである。少し納入されると、毎日電話で確認された方々がどっと来院して、さながらインフルエンザ予防接種会場のような感じになり、診療所の雰囲気は一変する。
 今年は、いかんせん「モノ」が極端に不足しているので、予約や取り置きの確約はできないのである。約束しても供給できるかどうかわからないので、今季は、来院してそのときたまたま在庫があれば接種するという方針にした。
 すると電話で「えっ、今あるんですね? じゃあ、午後に行きますが・・、はっ? 午後にはなくなるかもしれない? え? 取り置きもできない? じゃあ10分後に子供連れていきますから・・・」と電話口で戦々恐々なのである。
 おそらくいろいろな医療機関に問い合わせているのだろう。
 今年は困ったものである・・・。

街角あるある その9

2017年11月14日 06時15分07秒 | 日記

●ようやく対向者とすれ違うことができる狭い都区内の歩道をジョギングしていて、イラッとするもの

「リードを1m以上伸ばして犬の散歩をさせている人」 

(すれ違う寸前に犬が自分の前を横切るとリードに足が引っかかり転倒する。特に若く落ち着きのない「興奮犬」は要注意)


男なら

2017年11月13日 05時52分12秒 | 日記
 プロ野球の話。今季限りで巨人の村田修一内野手(36)が自由契約となった。まだまだ戦力になるらしいがナインの若返りを狙っての放出らしい。
 
 しかし当の放出した巨人首脳陣からは「まだまだ戦力になりケガにも強い。若手の手本にもなる。万が一他の球団が獲得に動かなければ、再契約もありうる」となんだか未練たっぷりと言うか、訳の分からないことを言い出した。
 もしそうなったらの仮定の話であるが、村田には再契約の話が水面下で進んでも、是非他球団にいって(できればセリーグで)活躍してほしい。
 そして対巨人戦ではガンガンホームランを打ってほしいのである。彼に意地があるなら、そうしてほしいのである。

 昔、巨人が投手の江川獲得の引き換えに小林投手を阪神にだした。古い話であるが、小林は巨人戦でガンガン投げまくり30セーブぐらい取ったと思う。小林が意地を見せたシーズンであり見ていて男を感じた。

 まあプロの世界である。「自分を必要としてくれている球団があるならどこででも精一杯頑張りますよ」などというステレオタイプな発言は期待しない。また「巨人戦だけは意地でも打ちますよ」なんていうど根性的コメントもききたくない。
 とにかく見ていて「お 意地を見せているな」というプレイを期待するのである。