Hさんは高齢者住宅にお住まいである。この高齢者住宅に別の患者さんの訪問診療にいったら廊下でHさんに出会った。「あ Hさんお元気ですか?」と聞いたところ「ありゃこれは先生、ごぶさたです。あれからお腹の調子が悪くて便秘で苦しんで・・・」とHさんは今の体調を話し始めた。ひとしきり会話したあとで別れ際に「あ~そうだ、以前に吉田(クリニック)さんで検査やったんですが、何でもないと言われてね。でも心配だから今度は先生のところで検査してくれますか?」・・・・?? え~っと、ずっと今ここで話してる相手が吉田なんですけども・・・。
先日、継続して胃薬を投与している患者さんが再来された。「あ、またいつものようにガスター10だしといてください」というので過去の処方箋をみました。するとガスターは今まで20mgが継続投与されており、これはあまり長期になると保険で切られる恐れがあったので、しかも患者さんもガスター10(10mg)を希望されていると思って、10mgに減量して処方箋をかいた。すると院外薬局からの電話で患者さんからクレームがあり「薬が前とかわっているので戻して欲しい」とのこと。どうも、もともとの「ガスターテン」という薬が「ガスター」という薬に変更されたと思ったらしい。また私の説明不足であった。すみません。
一昨年の特定健診事業から介護関連用語が増えた。「介護予防」と言う言葉は確かに誤解をまねくだろうなーと思っていたが案の定でした。先日「介護予防事業を受けることが勧められる」と健診結果票に記載された患者さんから「私はこんなに元気なのになんで介護事業を受けなければならないのですか?」とお叱りを受けた。これは介護を受けるのではなく、将来介護を受けなくてもいいように予防するための種々のプログラムですとご説明申し上げました。それでも余り納得されず、ぶ然とした表情でお帰りになられた。う~ん、複雑である・・・。元気に生活している人にとっては「介護」も「介護予防」も同じことであり、「介護」と言う単語自体が禁句なんであろう。
そして、ここまで細かく接種年齢、接種対象者、接種開始日を「朝令暮改」的に指示してきた割には、ここにきて、ついに「すべての人に対してワクチンを接種してもよい」と急に発表されてしまいました。返品のきかない大型のバイアルが小さなクリニックに納品されてきて、一度開封したら24時間以内に使わねば破棄しなければなりません。こんなリスクが高い中での、このめまぐるしく変更される「朝令暮改」・・・。印象としては、このワクチン行政、手に余ってポンと投げ出されたイメージです。あっ、余ったのは「手」ではなくワクチンであり、品数がダブついてきたからなのでしょう。一体、ここ3~4ヶ月のバタバタ騒動はなんだったのかと・・・。さー次は花粉症の季節だーー。
この度の新型インフルエンザワクチン接種で我々医療現場が混乱した原因は沢山あります。①摂取優先順位が設けられたこと ② (1.ワクチンが配給制だったこと) (2.その割りに返品がきかないこと) ③接種回数、接種年齢などがコロコロ変更されたこと ④接種対象者によって区からの補助の有無に違いがあったこと そして一番の混乱の原因は、⑤まず最初にネットやTVに決定事項を発表してしまったことであり、そのため医療現場では「えっ? そんな話、寝耳に水」ということになったわけです。
昨年11月から始まったワクチン接種に関して「接種優先順位」なるものが行政にて決められ、その順番どおりに打つように指導されておりました。しかしここにきて、ついにすべての人に新型インフルエンザワクチンの接種がバタバタと許可されました。ところがその接種日の発表を我々医療機関にではなく、まず最初にメディアに発表したのはやはり順番が違うと思うのですが・・・。患者さんから「テレビで〇日から接種できるといっていた」と電話がかかってくることがよくあります。しかしながら医師会を通じての正式な通達で接種が開始されるのであって、テレビ報道だけで接種はできません。「えっ? テレビで発表があった? いや、まだこちらには何も連絡はきていませんが」と患者さんに言うのは癪である。メディア発表は医療機関に通知してからにしてほしいものです。
昔はよくオシッコされたくない場所に「鳥居のマーク」がかかれていた。神社の鳥居にオシッコすると罰が当たるということでこのマークが描かれていたようだが、果たしてその抑止力はどうであったのだろうか? 最近ではオシッコよけのスプレーや粉末製剤などがペットショップで売られているがこれも効果は数時間程度のようだ。やはり「鳥居のマーク」のほうが効果は永久的かも? それにしてもペットであるイヌのオシッコよけのスプレーをペットショップで売っているとは、ナンダかどうも奇妙である。
「当て逃げ」ならぬ「オシッコかけ逃げ」も結構つらいです。飼い主さんの中には犬がオシッコしたあとにペットボトルに持参した水をかけて、洗い流してくれる人もいます。まだこれなら、まあまあよいマナーといえます。しかし「洗い流すと犬が次からオシッコする場所が分からなくなるので尿はそのままにしておく」という人もいます。 はぁ~・・(ため息)、でもうちの門柱をわざわざ「オシッコ場所」に指定して頂かなくとも結構なんですけど・・・(泣)。
ただパイロンの心配は ①盗まれる可能性がある ②イヌのオシッコの標的となりやすい(笑)という懸念があります。事実、昔から使っている「吉田外科」のネーム入りのパイロンは時に朝みるとオシッコのシミがついていることがあります。この既存の「吉田外科パイロン」はクリニックの電光看板の横に置いてあります。これを置いておかないと電光看板にオシッコされて金属が腐食するのでやむなくパイロンを「生贄」にしているのですが、もうこのパイロンはボロボロ状態です。ウ~ム、「当て逃げ」はけっして車だけではないということが結構、曲者かも・・・(謎?)。
まあパイロンのかわりによっぽど太くて大きな鉄柱でもたてればいいのでしょうけど、クリニックのイメージにはそぐわないのであきらめています。 同じ番地での北側のお宅の角には昔からコーナーに大きな石を置いてあります。これは自分が物心ついたときからありますので年季が入っています。きっと何回も曲がってくる車にぶつけられたんでしょう。でもびくともしていませんね。結果的にこれが一番安上がりかもしれませんが、でもうちの駐輪場の角にこれを置くのもなんか周囲に威圧的な存在感がありそうで・・・。(本音は威圧したいのですが)
とりあえず「ここに支柱(ポール)がありますよ」という告知のため、目立つようなパイロンを置くことにしました。すこし蛍光色でも入っていれば運転手への警告にもなるでしょう。ただこの駐輪場の四つ角は道幅が狭いため、右折左折が難しく切り返しが何回か必要です。この切りかえしの際、車のバック時に駐輪場のポールを潰していくようです。だからパイロン設置だけでは効果はないかもしれません。パイロンごときなどでは運転手の意識下に入らないけど、でも設置はやむをえないでしょう。
クリニックの駐輪場の周りには鉄製のポールを立てて診療時間外にはチェーンで境をしている。ところがどうも道路通行中の車がぶつけていくのか、何回かポールがひん曲がって破損している。修理費は結構馬鹿にならない。ところが当て逃げなのでどうしようもないのだ。これからは、どうせまたぶつけられるであろうから、ぶつけても曲がらないくらいの太いポールにするかも考えている。でもトラックにこすられたらポールを太くしても簡単にひんまげられてしまうだろう。さて困った・・・。
それにしても自分が行ったそのドイツ~フランス~スイスの視察は自分では始めての行政関連の調査研究旅行だったので楽しかった。特に傷病者のヘリ搬送に関する自分らの報告書は日本のドクターヘリの「草分け的報告」であったと自負している。そして行く先々では見るもの聞くものすべて真新しいことばかりであり、さて日本の救命士教育にどのように取り入れたらよいか、また報告書にはどのように記載しようかなどと毎日がエキサイティングであった。役人さんの視察旅行も自分の仕事の関連施設を回るのだから興味があるだろうなーと思うのだが、そんなに覚えていないものなんでしょうか? あっ、でも自分が今やっている仕事に興味がなければしょうがないでしょうけど。
どうもその「視察・調査研究」の内容を覚えていないことに対して悪びれる様子もないので、自分はいけないことを聞いてしまったのかな?と思ったくらいである。しかしこれこそ「視察」に名を借りた「職員旅行」なのだなと後になって実感した。 人の興味は様々である。少なくとも行政でアレンジした視察ならば、通常の個人旅行では入れないような施設に堂々と調査として入り込める。しかも向こうの職員がきちんと説明したりして、よく対応してくれる。以後報告書を書くか書かないかは別にして、「通常入れないところに入れる」という期待感と優越感だけで一生の記憶に残ると思うのだが。それにしても「ドイツに旅行した」ということだけでドイツのどこに何をしにいったかすらも覚えていないのであれば税金の投入のし甲斐はなさそうである。これは仕分け対象だろう。
その職員は自分が何の調査研究で行ったのか憶えていないのだ。私は救命士の教育システムの調査でベルリン消防局やら地元の大学病院へいって教育・訓練体制の調査やらをしてきましたが・・・などと話し、「で、あなたはドイツのどちらでどんな調査を?」と聞いたのだが、「え~っと、さてどこでしたかな? ライン川くだりは行きましたな。川辺のお城が素晴らしくてね・・。えっと食料関係の倉庫を視察しましたかな? ははは、よく憶えていないですわ」と屈託がない。記憶がないというので話がすすまないのである。