吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

保証と責任 その3

2014年04月30日 06時17分09秒 | インポート

 

 さて大昔の話である。大学時代、大学祭の実行委員なるものをやったことがあった。大学祭のパンフレット作製に携わったが、広告収入を得るために製薬会社から広告を募った。それは過去の大学祭でも代々行われていたことである。当然何の疑いもなく広告を募り数社の承諾が得られ印刷用の版下ももらい印刷へ回す手はずになった。しかしパンフが出来上がった頃になって急にクレームがついたのである。大学生協の店長が「製薬会社のCMを学生のパンフに収載するのはけしからん」というのだ。どうやらこの店長の親戚が昔、薬害禍での被害者だったらしいのだ。忙しい中、何回もその生協店長と話し合いの席がもたれた。彼の一貫した意見は「CMを乗せるということは、その商品に対して100%の責任を持つということである。自分たちがその商品、その会社を保証し責任を持つということだ。君たちに薬の保証ができるのか?」と何度も言われた。まだ社会に出ていない医学生にとっては何だか訳も分からず社会の常識であるといわんばかりの理論をつきつけられたのである。<o:p></o:p> 


保証と責任 その2

2014年04月28日 06時16分27秒 | インポート

 インターネットの情報は、よく言えば「掲示板」、悪く言えば「情報の垂れ流し」らしい。つまり中には正しい情報もあれば、信用できない不確かな(あるいは間違っている)情報もあるという。玉石混交という表現が正しかどうかわからないがすべてをやみくもに信じるのは間違った付き合い方らしい。一方、確かにネットオークションは便利である。自分が必要としなくなった物品を、なるべく高く買ってくれる人を労せずに見つけることができるのである。ネットではお互いの顔が見えないので、お互いの信頼が前提になければなりたたない。ところがそこを悪用した詐欺行為があり、それが大昔にはありえなかった犯罪なのでとても面倒なのである。自分も以前ネットで海外出張時のホテルやバケーションレンタルの予約したことがあった。顔の見えぬ状態でクレジットカードのディポジットをいれたり、また相手にUSドル建てで小切手を送ったりしたこともあった。今考えると全く無防備であったが、でも当時トラブルがなくてよかったと感じている。<o:p></o:p>

 


保証と責任 その1

2014年04月26日 05時36分32秒 | インポート

   3月に男のベビーシッターが子供を預かり、故意か偶然か幼児を死に至らしめる事件があった。そしてこの男は逮捕されたのである。よっぽどの過失があったのか、あるいは故意による傷害致死なのかはまだ結論はでていないが、逮捕されたくらいであるからよほどのことであろう。まあしかしながら警察の逮捕も最近では行き過ぎや誤認逮捕もかなり多いので疑ってかかる必要もあるだろう。さてこのベビーシッターであるが、評判がもともと悪かったらしい。ネットで本名をだすと仕事の依頼がなくなるので偽名を使い、幼児を引き取る際も第三者に引き取らせていたという経緯があった。この仕事の仲介はネットの所謂仲介サイトで行われていた。母親も預ける相手の顔を知らず無防備にわが子を預けている。近年、インターネットがかなり普及し、あらゆる情報を簡単に得ることができて便利である。しかしよく言われているのであるが情報の信ぴょう性に乏しいことを理解する必要がある。<o:p></o:p> 


野生化 その4

2014年04月25日 05時57分51秒 | インポート

    廃墟と化した立ち入り禁止の街は、まさに自然界であり放置された動物は今後死滅するか、あるいはもし生き残れる遺伝子を持ったものは、代を変えるごとに「凶暴化」への道をたどるであろう。それはあの小笠原の前例で証明されているのだ。もちろん人間社会の再構築や避難住民の生活再建が最優先であることは言うまでもない。そんな放置されたペットの行く末を心配するのは優先順位が違う、本末転倒であると言われそうである。しかしながら最近のペットブームである。朝夕の犬の散歩をしている人をみるとかなり多くの家庭で動物が飼われていることに気が付く。時々散歩している犬がジョギングしている人に突然吠え付くのをみると、これを制しない飼い主もさることながら愛玩用とはいえ、垣間見えたその内在する「野生」というものに少しばかりの不安を覚えるのである。もし今後東京に直下型大地震が来て避難所にペットが持ち込めなくなったらどうするのであろうか? 飼い主はそこまで腹をくくって飼育をされているのだろうか? まさか終戦間際の殺処分などという事態には陥らないとは思うが、非常事態であればそれもあながちあり得ない話ではないと思うのだが。<o:p></o:p> 


野生化 その3

2014年04月24日 06時21分19秒 | インポート

 捕獲されたその野生化した猫は、檻の中から人間にとびかかろうとして大暴れをしている映像があった。体も 大きく凶暴なのである。猫の形はしているがまるで虎のようである。ジャングルの厳しい自然の中では強い遺伝子しか残れない。敵から身を守れるほどの大きな体格になれる遺伝子や、狩りをするに機敏な遺伝子や、そして敵とたたかっても負けないような凶暴な遺伝子などを保有した個体だけしか生き残れないのであろう。したがって小笠原に現存していた猫は、代々そのような遺伝子を持ったものだけが生き残っており、外観は猫の格好をしているが実は愛玩用のそれではなく猛獣であったのである。自然界の中では人間社会のような福祉や互助精神などまったく存在しない。当然のごとく他者を踏み台にしなければ生き残っていかれない。猫でさえこうなのであるから震災で廃墟の街に残された家畜や、はたまた繋がれていない愛玩用の犬の行く末はどうなるのか心配なのである。犬の中には中型犬や大型犬もいるのである。巣鴨駅前の街頭募金呼びかけをみて、動物が「野生に帰る」ことの恐ろしさを思い出したのである。


野生化 その2

2014年04月23日 06時01分03秒 | インポート

    終戦間際のことである。本土大空襲にそなえ動物園では爆撃された場合、もしも逃げ出した動物たちが人間を襲わないよう安全のため前もって殺処分されるという痛ましい事件があった。残念ではあるが非常事態時にはやむを得ない選択なのであろう。とりあえず平和で安全な世の中に身を置いている自分が、これをただ痛ましいとか単に可哀想だとか論評することは的外れなのかもしれない。また一方ではあの人間の愛玩用動物でさえ自然界で野生化すると生態系を大きくかえるものになるのだと実感した事件があった。小笠原諸島での事件である。昔、人間の飼っていた猫が捨てられたのか逃げ出したのかは知らないが、かなりの数が野生化して繁殖し在来種である鳥を絶滅に追いやったそうである。そこである獣医グループがこれら猫を捕獲し里親を探して引き渡すということをやったという。<o:p></o:p> 


野生化 その1

2014年04月22日 05時57分53秒 | インポート

   東北の震災時、仮設住宅に避難する際、飼い主が被災地に置いていかざるをえなかったたくさんのペット動物がいる。それら放置されたペットの犬や猫を集めて管理・飼育しているNPO法人がある。その人たちが最近よく巣鴨駅前で一生懸命、街頭寄付を募っているのだ。運営は経済的に苦しく本当に大変な仕事である。被災者の復興も遅々として進まぬ中、動物たちにまで想いを巡らせている活動には頭の下がる思いである。放射能が高度に検出された町では住民が退去を余儀なくされ、そのためそのような町は見るも無残な廃墟と化している。放射線防護服で身をかためたTVクルーの取材によって撮られた映像は何回もニュース番組で流されてきた。この映像で衝撃的だったのは人っ子一人いない廃墟の街中をダチョウが走っていたことである。どこか動物園のものなのであろうか? その他には家畜だったと思われる牛や豚、そして犬や猫の集団が映された。廃墟に残された動物はペットだけではなく、いろいろな種類の動物が街を彷徨っていたのである。<o:p></o:p> 


ゴーストライター疑惑 その15

2014年04月21日 06時06分18秒 | インポート

    芸術だけでは飯が食えないのは事実であろう。新垣氏が自身の才能としての楽曲を売るためには、佐村河内氏のイメージを借りる必要があったということも考えられる。最初は軽いアルバイトのつもりであったろう。しかし次第に事が大きくなりすぎてしかも週刊誌にゴーストライター疑惑報道がなされるに至り、もはやこれまでと思いカミングアウトしたのであろう。しかし自分の曲を買ってくれるという人がいたからこそ、じゃあそれでは曲をあなたに売りましょうということになったのである。一方、佐村河内氏も、このCD販売戦略がまあまあ当たってくれればいいと思っていたかもしれない。ところが予想外に有名?になり事が大きくなりすぎてしまったのである。あまり大きくならなければこのまま世間を「静かにだまし続けられた」と思っていたかもしれない。きっと予想外にマスメディアから大きく取り上げられすぎたのであろう。今回の結末は、小さな詐欺で済んでいたものが、どんどん巨大化して最後は自分の手でコントロールできないところにまで彼の虚像が成長しすぎた結末である。それにしても芸能界のみならず広島や被災者、そして身体障害者や、その認定に関与する医療側にまで与えたインパクトは大きかった事件である。<o:p></o:p> 


ゴーストライター疑惑 その14

2014年04月19日 06時16分05秒 | インポート

   それにしても新垣氏の芸術性であるが、それが高いか低いかは楽曲を聴きこんでいないので自分では何とも言えない。しかし彼の曲が売れるかどうかは芸術性の問題ではなく、芸能界のCD販売戦略によるものであると前述した。たとえは悪いがAKB48の楽曲を、むくつけき中年のおじさん連中が歌って踊っても売れないのである。つまり楽曲を売るためには、楽曲を取り巻くイメージが重要である。AKBの場合はイメージが主体で音楽は付加的なものである。結果的にトータルなイメージが先行して、後追いで付加的にCDも売れるのである。大変失礼であり残念だが、新垣氏が最初から前面に出ていたとしたらこれほどCDが売れたかどうかは疑わしいのである。別に彼を揶揄しているのではない。CDの販売戦略として種々のキーワードが必要であることも前述した。そしてその売れるためのキーワードの神輿上に、もし乗せるとするならば佐村河内氏のほうがインパクトはあるのである。たぶん新垣氏では注目も浴びずCDも売れない代わりに何ら問題になることもなかった。しかし今回の事件は佐村河内氏が神輿に乗ったので、注目を浴び評判になって、その結果このような大問題になったのである。<o:p></o:p> 


ゴーストライター疑惑 その13

2014年04月18日 06時17分31秒 | インポート

    新垣氏の人柄を知らないので彼にそのような計算があったかどうかわからない。推測の域をでない。しかも同僚のコメントでは「新垣氏はお金に執着しない芸術家肌の人」とのコメントをきいた。時々マスメディアは「いいコメント」と「悪いコメント」両方があるときは、本人を善人に仕立てたいときは「いいコメント」のみを、逆に犯人に仕立てたいときは「悪いコメント」のみを報道して、イメージの固定化(極論的表現であれば「思想誘導」)をはかることがある。現在、世の中の多くは佐村河内氏は「悪人」で、そして新垣氏は「善人」というイメージ図式になっているようだ。佐村河内氏については自分も異論はない。しかし新垣氏が本当に善人かどうかはまだ検証されていないと思う。オリンピック開催直前の新垣氏の発表に何か彼の意図があるものとしたなら、あながち「善人」とまでの評価には至らないかもしれない。メディアはもしかしたら新垣氏の裏の情報(あるのかないのか知らないが)をすでにつかんでいるかもしれない。しかし今は新垣氏を「善人」にしているので、その情報も佐村河内氏の時と同じように、まだ蓋をしていることも考えられる。<o:p></o:p> 


ゴーストライター疑惑 その12

2014年04月17日 06時20分45秒 | インポート

    新垣氏もなぜこの時期に事の成り行きを発表したのであろうか。ソチ五輪のスケート選手の競技に自分の楽曲が使われるのを知っていたはずである。それが競技直前にゴーストライター疑惑渦がおこれば高橋選手も動揺し競技に支障をきたすことは十分に懸念されたはずである。案の定というか、やはり彼は5位の成績であった。五輪の試合前の精神状態は繊細かつ過敏な状態である。新垣氏がわざわざこの時を選んで会見をひらいた理由はなんであろうか? おそらくは逆に五輪前だからこそ報道のインパクトを強く与えられ、自身を追い風状態に持っていくことができ自身の正当性を主張できると考えたのではないだろうか? また時期的にはちょうど年度末前である。もしかしたら自分の大学におけるポジションや人事の問題がなにかすでにあったのかもしれない。ここで対外的な問題が発生すれば、大学人事も外部から注目されることになり、大学が采配を振るいづらくなることも計算した可能性も否定できない。実際、勤務する大学の学生から嘆願署名運動が起こったという。<o:p></o:p> 


ゴーストライター疑惑 その11

2014年04月16日 06時02分25秒 | インポート

  フジテレビの男性アナウンサーが佐村河内氏の記者会見の席上で「我々を騙していた」といっていた。一個人が海千山千の芸能マスコミを手玉にとってそれらを騙せるほど、芸能マスコミは軟なものではない。おそらく各社は新垣氏のカミングアウトよりもずっと前から「佐村河内氏は怪しい」という情報は持っていたのであろうし、その裏付けもとっていたはずである。どだいスーパースターや注目を浴びる人が出てくれば、その彼の育った環境や若いころの仕事ぶりや元同僚のコメントなどはとうの昔に取材して映像を撮っているはずである。ところが彼の絶頂期にそんなコメントを一つも聞いたためしがなかった。それが不思議であった。たぶん世の中は彼がいま絶頂期でもてはやされているので、あえて怪しいという否定的情報は隠して、あえて彼を神輿にのせたままにしたのであろう。先頭だって自分のメディアから「でもあの人は怪しい」と口火をきることは、「障害者」である彼の絶頂期にできるはずがない。もしこれが誤報であったらリスクが高すぎる報道になる。ところが一転して新垣氏が実情暴露したあとであれば、「ああ、実は我々メディアも騙されていた」と知らないふりをすればいいのである。自分たちを安全な場所においておけば彼を正面切って糾弾できることになるのである。<o:p></o:p> 


ゴーストライター疑惑 その10

2014年04月15日 06時15分00秒 | インポート

    佐村河内氏が世の中を騙したことは言語道断である。しかし一時でも彼と触れた被災者の方に心の安らぎがあったのであればその結果についても考慮する必要はある。確かバーブ佐竹の歌だと思ったが昔の歌の文句に「どうせ私をだますなら、だまし続けて欲しかった」とあった。かなり乱暴で偏った解釈になるが、この佐村河内氏の一連の被災者慰問も、実状さえバレなければ誰もが心に安らぎをもったままだったかもしれない。当初、芸能マスコミは「現代によみがえったベートーベン」などと肩書を付けたが、その時に彼のことを「怪しい過去を持つ人」と報道したメディアはなかった。どこもかしこも彼を神輿に祭り上げたのである。芸能マスコミは、有名になった「時の人」には徹底的に、まさに夜討ち朝駆けのありとあらゆる方法でいろいろな情報を集めるものである。したがって彼が「ベートーンベン」に祭り上げられた時でも、若いころの良くない噂や元同僚の「彼に音楽的素養はありませんでしたよ」とかのコメントは裏で得ていたはずである。また被災地のよみがえった再生ピアノが弾けずに、その楽器店店主が「この人が本当にピアノ弾けるの?」という疑問をもったという情報もすでにわかっていたはずである。ところが一切その負の情報には蓋をして、彼をベートーベンにし続けた可能性は否定できず、この部分での検証も必要なのではと考えられる。<o:p></o:p> 


ゴーストライター疑惑 その9

2014年04月14日 06時02分24秒 | インポート

    おそらくこれから彼の障害を認定して書類を記載した医師の責任問題も追及されるかもしれない。またこの事件を契機におそらくは聴覚障害の認定審査も厳しくなるかもしれない。一番困るのはこのことである。本来認定を急ぐような聴覚障害を持った方の認定が遅れたり、認定からはじかれたりするようになったらいけない。将来、福祉サービスの必要な人たちに対して大きな制限となるかもしれないことは、この事件がかなり根の深いところにまで及んでいる証左なのである。耳が聞こえるかどうかは自身の演技でどうにでもなる。その演技で身体障害者2級がとれるまでに至るとは診断した医師の認定能力の検証も迫られるかもしれない。いつも世の中では客観的に判断する根拠として引き合いに出されるのが医師の診断書である。しかしながらこの書類の正確性にメスが入ったなら、今後世の中の医師は自己防衛のために100%わかっていること以外は診断書に記載しないようになる。このようになるといろいろな社会生活上で不利益も出てくるのである。やはりこの事件が投げかけた波紋は大きい。<o:p></o:p> 


ゴーストライター疑惑 その8

2014年04月12日 05時30分09秒 | インポート

   もう一つ重要な疑惑がある。それは全聾であるかのように偽り身体障害者2級を取得していたことである。2級というのはかなり重症であり、かなりたくさんの福祉サービスが受けられるのである。大分昔であるが、偶然か意図的かは知らないが、ある人を全聾として障害者認定をした医師が、実は本当は患者の耳が聞こえていたということで、虚偽の記載をしたという疑いをかけられた。その医師に罰則が与えられたかどうかの結末を自分は知らない。しかし少なくともその医師から障害者認定の資格は剥奪されたと記憶している。自分も人工肛門、人工膀胱(尿路変更)に関する障害者認定の資格を保持している。しかし人工肛門の認定は難しくはない。目の前の患者さんに人工肛門があるのかないのか、そしてその周りの皮膚に爛れによる皮膚障害があるのかないのかは自分の目で見ればわかるのである。聴覚障害の判定の仕方を自分は知らない。しかし患者さんの症状申告や主観で判断される部分が大きいのであるとしたら客観性に乏しいと言わざるをえない。<o:p></o:p>