吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

認知症の症状? その2

2019年09月30日 05時42分51秒 | 日記
 「質問にきちんと答えられない」ということも認知症を疑わせる症状と言っていた。
 うちのクリニックでもこちらから「で、昨日は熱はあったんですか?」と聞くと「1週間前に体がだるくて、その後は市販薬飲んでも喉が痛くて、でも汗かいて・・・それから咳が出て鼻水が・・」などと延々続く患者さんもいるのである。でも結局こちらが質問した「昨日は熱があったかどうか」には答えてくれていない。このような場面はいくらでもある。
 でもこのような患者さんは認知症というわけではない。ただこちらの質問を聞いていないだけなのである。
 TVで認知症を疑わせる症状が提示されたが、認知症でないにもかかわらずこれらに合致する患者さんはうちには結構いらっしゃる。TVで提示された症状を鵜呑みにするとたぶん世の中ほとんど多くの方が認知症になってしまう。
 あっ? そういう自分も結構同じ話を何回か繰り返している。う~ん自分の場合はそろそろ怪しいかも・・・? 患者さんの顔と名前が一致しなくなってきた。


認知症の症状? その1

2019年09月28日 06時51分58秒 | 日記
 最近高齢者の運転する自動車事故が多い。この前テレビの情報バラエティ番組で家族への注意事項として認知症を疑う症状を紹介した。
「同じ話を何回もする」と「質問に対してきちんと応えられない」であった。これを見て疑問に思った。確かに認知症の方にはこれら症状がある。でもこの症状があったから必ずしも認知症というわけではない。これを認識する必要がある。
 うちのクリニックの患者さんの半分以上はこの症状に該当する。でも認知症というわけではない。患者さんはいろいろ具合が悪いとそのエピソードの最初から最後までの流れを2~3回は繰り返して話す。たぶん自分の具合の悪さを強調したいがためのものかもしれない。
でも時々イラっとして「その話、もう2回伺いましたよっ」と出かかってしまうのである。いけないいけない(笑)。


エレベータでの思い出 その3

2019年09月27日 06時29分17秒 | 日記
 まあまあ子供だってそういわれていても、いずれ大人になればこんな時にお巡りさんは来ないし、痛い注射もされないと分かるのである。しかしながら、なにやら言うことを聞かせるためにまるでこれら職業を閻魔大王みたいに使われるのも癪である。
「今晩、お化けが出て怖い思いをするよっ!」とか架空の者をもちいるならともかく、どちらも実在の者(職業)である。しかも自分の場合は至近距離で指までさされて「あいつに刺される」とまで言われているのである。腹立たしいことこの上ない。
 このように自分を安全な位置に置いたまま子供を律することはどうにも感心しない。
 ならばこの時のセリフを「子育てにヒステリックになっている若いお母さんが飛んできて、言うことを聞かないあんたのことを『違うだろぉ~~~、このボケェ~~~~』と怒鳴りまくるわよっ!」とでも若いお母さんに言ってもらった方がもっと効き目はあると思うのだが。
 また病院で若いお父さんには「お前が言うこと聞かないと、ほれっあそこ歩いてる人からお父さんが注射器を強奪し、その注射器をつかってお前をシャブ漬けにしてやるぞ! お前はぁーお父さんにそこまでさせたいのかぁ~~~!」とでも言ってもらった方がよっぽどましである(恐!!)。


エレベータでの思い出 その2

2019年09月26日 06時25分21秒 | 日記
 なぜこんなことを言うのかというと実は昔の自分の出来事である。
 病院勤務時代に白衣をきて外来玄関を歩いていたら、待合室の長椅子で子供が泣きじゃくっていた。
 隣のお父さんはイライラした様子で「ほらっ! 言うこときかないと、あれっ(と私を指さして)、あの人に痛い注射をされるぞ!」と言ったのである。私はムッとした。
 「ぼうやね、心配しなくてもいいよぉ~、痛ぁ~い注射はね、ぼうやじゃなくてねぇ~お父さんのオツムにしてあげるからね~」と心に思いながら、私は黙って横を通り過ぎたのである。

 全くひどい話である。子供を制するのに自分は「安全な位置」において、そして行為の主体を他人に(この場合通りすがりの私に)すり替えたのである。
 これは前項の「ほら、お巡りさんにおこられるよっ!」とまったく同じなのである。
 自分が子供を律することを放棄して、律する者を別の人にすり替えるやり方なのである。
 これなら自分は子供に恨まれない安全な方法である。でもずるいのである。
 指をさされた自分はいい思いがしない。

エレベータでの思い出 その1

2019年09月25日 06時30分17秒 | 日記
 ある時、デパートだかどこかのエレベータに乗っていたら、ぐずって大泣きしている女の子を連れた若いお母さんが乗り込んできた。
 さすがにエレベータの中は混んでいたのでお母さんは「ほれっ、そんなに言うことを聞かないとお巡りさんが来るよ、お巡りさんに怒られるよっ!」と怒鳴りつけたのである。
 その光景を見て自分は「はぁ??」と感じた。なぜなら、お母さんは嘘をついているからである。こんな場面でお巡りさんは飛んでこないし、怒りもしない。なんで「お巡りさん」を登場させたのか不思議に思ったのである。
 もしかしてお巡りさんを「怖いもの」として植え付けているのか? 取り締まるというイメージを子供の抑制に利用しているのか?などと色々考えてしまった。
 でもなんだかそれはよくない躾の方策だと思う。子供のcontrolの仕方はいろいろある。最近では体罰はだめと言われている(賛否両論だが)。体罰ではないがこんな嘘を言うのも疑問に感じる。
 それにしても、もし自分の夫が警察官であっても「お巡りさんに怒られるよ」っていうのかな? 
 誤った職業観を子供に植え付けてしまうんじゃないかとちょっと心配になった。


会話ができないパターン その10

2019年09月24日 06時30分34秒 | 日記
 9) 言語が通じない(若者言葉、流行り言葉など)

 さすがにクリニックの外来で若者だけに通用する「省略隠語」を使う人はいない。
 しかし自分が「一般語」と思っている単語が通じない時は「あ~この人には通じないんだ」と思うことがある。
私:「じゃあ解熱剤を『頓服』で出しときますね~」  
患者」「・・・? は?・・・なに? と、とんぷ、頓服? とんぷくって何ですか?」

 これは医療用語なのか?あるいは難解語なのだろうか? 大昔はこの単語を使ったが今は死語となり使わないというなら話は分かる。
 でも年齢の行った方でも通じないこともあり、逆に若い世代の方に通用することも多い。ということは過去の遺物というわけではなさそうである。知らないのは単に個人的な語彙力の問題かもしれない。
 でも年齢の行った方に「頓服」の意味を説明するのはなんだか申し訳ない気持になるのである。


会話ができないパターン その9の続き

2019年09月21日 06時44分11秒 | 日記
 まあ診察上の症状についてはきちんとつきつめて聞く必要はある。しかし、旦那がどうしたとか隣の人がどうしたとかのよもやま話は主語や時制がごちゃごちゃで話が分からなくとも「はぁはぁ・・」と相槌さえ打って聞き流していればいいのである・・・と思っていた。

 もう大昔の話である。来院すると大抵自分のご主人の悪口を延々と語り続ける方がいらした。こちらもご主人の悪口など聞きたくない。適当に受け流しながら「はぁ、そうですか、ウンウンそうです、そうですよね」ととにかく同調していた。ところが突然、
「ちょっと!そこまで同情してくれなくたっていいでしょ!」と急に言われた。
 迂闊だった。話をほとんど聞かずに「ウンウン」と強く同調したのがいけなかった。どうやらこの方の旦那の悪口は逆の意味での「旦那自慢」だったのだ。
 きちんと話を聞いて、「いや、いい旦那さんじゃないですか」などとその都度、褒めてあげるような返しをしてあげなければならなかったのだ。難しい!
 ちょっとなあ・・・まさか、そこまでの会話力が要求されるとは((´;ω;`)

会話ができないパターン その9

2019年09月20日 06時05分15秒 | 日記
 8) 予想外の反応(どこからボールが返球されるのかわからない)は対応に苦慮する

 このような方も時々いる。これはいくつかの話題を同時並行で話す方である。しかもその話に主語をいれないので、今がどの話なのかわからない。こちらの頭が混乱する。ご自身の話なのか、家族の話なのか、知り合いの人の話なのか、話題が変わるたびに主語を入れて頂けるとありがたい。
 主語は冒頭に1回だけ出てくるのみで、あとは各々の話題が交錯しても主語は省略されるので理解できない。
 そして症状を述べる時も頭痛の話や腹痛の話や腰痛の話がすべてゴッチャになり、そして時制をきちんと示さない人もいる。なので一体いつの話なのか、そして今はどこが痛いのかわからないことがある。主語と時制はきちんとしてほしい。


会話ができないパターン その8

2019年09月19日 06時24分53秒 | 日記
 7) 表現に比喩などの「変化球」が多いと相手に伝わらない

 患者さんへの説明では医学的な複雑な話をすることも多いが、それでは理解されないだろうとして比喩表現やたとえ話をすることもある。しかしそれが却って誤解されることもある。
 運動不足で関節痛を訴える場合、患者さんは「ぶつけたり運動したりもしてないのになんで痛くなるんですか?」と聞いてくる時がある。その時は「原因は運動不足ですね。車だってずっとエンジンかけなければ錆びてくるでしょう。定期的な運動しましょう」という。これはわかりやすい。

 ところが以前のトラブル例である。数日前に鉄棒から落ちて頭を打った子供の場合であった。元気はよく神経学的所見もなく何の症状もないので問題ない。しかし家族はCTスキャンを希望しているようなのである。でもまったくこれは不要である。
 説明の時に「このくらいの打撲でしたら特に検査はなにもいらないですよ。これで検査が必要ならサッカーボールでヘディングしているお子さんは毎日CTしなきゃいけないくらいですので、ハハハ・・・」と言ったら、なんだか付き添いの祖父(だと思う)がブツブツ文句を言い始めた。そして「うちの孫の頭がサッカーボールとは失礼だ」と言い出したのである。そんなこと言っていない。
 家族は希望する検査が受けられないので不満に感じたのであろう。そうなると言葉尻にでも文句を付けたくなったのかもしれない。比喩表現は時にトラブルになる。

会話ができないパターン その7

2019年09月18日 06時30分05秒 | 日記
 6) 相手の発信を過大な反応で返してしまう
 あまりにも驚愕したり大げさな反応を示したりすると、相手との会話がスムースにすすまない。あるいはこの反応でひどい場合は前項のようにドン引きされてしまう。

 自分は昔、救命センターに勤務していた。それこそ心肺停止(心臓、呼吸停止)の患者さんが毎日搬送された。心肺停止でなくとも今にも呼吸や心臓がとまりそうな重篤な患者さんも多かったが、迅速に対応しないと救命できない。なのでこれらの語句には過敏に反応する。
 開業してからはそんな重篤な患者さんは来ないのだが、身に沁みついた反応は怖い。

患者:「1週間前、前から来た自転車にぶつけられてね、ハンドルが自分の胸に当たった瞬間、こちらの呼吸が止まりましてね・・」
 私:「ええっ? 呼吸停止?!!! 本当ですか??」 
 患者:「・・・、は、はあ・・息止まりましたよ。痛くて痛くて。あまりにも痛くて心臓も止まりそうになりましたよ」
 私:「ええっ? 呼吸は停止し、心臓停止寸前だった? で、こんな重症でもう退院できたのですか??」
 患者:「・・・?? い、いやっ、にゅ入院してないですけど?」
 私:「え?? こんな重症で入院してないって!!!なんですと! だって呼吸停止したくらいの重症でしょう?」
 患者:「(ドン引き)・・・はぁ」

 お願いですからうちのクリニックで「大げさな表現」はやめてほしい。というか、自分も患者さんの表現を頭から信用しないほうがいい。 

会話ができないパターン その6

2019年09月17日 06時06分31秒 | 日記
 5) 相手が引いているのに不適切なまましゃべり続ける

 1) で示した、こちらの話は全く聞かずに自分一人で喋り続けている場合の逆パターンである。
 こちらから大抵「先月は如何でしたか?」「散歩してますか?」「食欲はありますか?」などと聞くのだが、「はぁ」「まあ・・・」「そう・・です。はあ」とレスポンスをほとんどしないような患者さんの場合である。ほとんど口が重く向こうからしゃべりださない人もいる。こちらが喋らないと、完全に会話は途切れるのである。ついついこちら主導で話をすすめがちになるが、でもそれもやむを得ない。
「じゃあ本日は採血ですのでお隣で採血・・・」「・・・え? さ採血・・・・ですか? 今日は食事しているので・・・えっと、空腹時採血なら次回に・・」
 なんだはっきり喋れるようだ、もしかしたら自分が調子に乗った会話をつづけたため患者さんがドン引きして喋れなかったのかも? 
 常に相手を気遣って会話をすすめなければいけない。う~ん会話って難しい。

会話ができないパターン その5

2019年09月14日 06時14分10秒 | 日記
4) 会話を相手のレベルに合わせられない

 患者さんは千差万別である。職業背景も違うし生活背景も異なる。また年齢も異なり小児もいる。
 なかなかその方の医学的レベルを察知してそれに合わせてお話をするのは初対面では難しい。小児でもなかなか面倒なことがある。学童などでは一人で来ることもあるので本人が分かるように問診や説明をする必要がある。大体きちんと自分の症状が告げられるようになるのは10歳以降である。なので10歳以下で一人でこられると難渋することもある。
 逆に大人の付き添いがある場合でも、祖父母が付き添いの時は、きちんと孫の症状を把握していることはほとんどない。症状を子供にきいてもよくわからないし、また付き添いの祖父母に聞いても
「は? 何かな? いや息子の嫁に頼まれたのでついてきているだけなんだが・・・(10歳以下の子供に向かって) さっ、自分できちんと説明しなさい!(できるわけない)」と残念な療養担当者なのである。
 小児は現在医療費が無料である。大人が同席しての会計は必要ない。付き添いしてきても、こちらの質問にお答えいただけなければ患児が一人で来るのと同じである。現病歴がとれないと困るのですが。

会話ができないパターン その4の続き

2019年09月13日 06時28分33秒 | 日記
 3)会話をどう返していいかわからない

 ずいぶん昔のことである。足腰が最近めっきり衰えてきたという口の達者な高齢の方であった。年齢が行けば当然足腰は衰える。それを少しでも阻止するにはやはり毎日運動(散歩など)を続けることである。これは当然である。
 なので「毎日、辛いかもしれないけど外に出て散歩しましょう。同年代で1日8000歩くらい散歩している人はたくさんいますよ」とアドバイスしたのである。
 すると「え~っ、外に出ろって? 出ないよ、私は、・・・だって転んでケガするから外へ出るなって娘から言われているんだよっ、外で散歩なんかして何かあったらどうすんのよ!」と一喝された。数秒以上自分の返答は止まった。会話のしようがなかった。
 しばらくして「・・・まあ、まあそんなこと言わないで足鍛えましょうね」と返すのが精一杯。それでも患者さんは「だめだよ~娘の言うことは聞かなくちゃ」と、医者ではなく娘さんの言うことのほうが重要そうであった。
 もう来院されなくなって数年以上になる。今、どうされているのか心配である。お元気だといいのであるが。


会話ができないパターン その4

2019年09月12日 06時27分04秒 | 日記
3) 会話をどう返していいかわからない

こちらが返答に困る場合である。
患者:「夜、微熱が出るんですよ」 
私: 「診察しましたけどどこにも異常所見ないですね。少し呼吸音に雑音あるので胸部レントゲン撮りましょう」 
患者:「え~?1か月前に撮ったでしょう。整形外科(他院)でも手首の撮影でとったので、またやったら被ばく量が多いのじゃ?」 
私: 「このくらいならOKですよ」 
患者:「でも~レントゲンはやめてください」 
私: 「では採血して炎症反応、白血球など見ましょう」 
患者:「え~? だってこの間、他で採血したばかりなので、しばらくは嫌ですよ」 
私: 「じゃあ検査しないと詳細不明ですね。解熱薬だけ出しておきますから」 
患者:「え? 薬って、診断ついたのですか? 先生一体私のこの微熱の原因は何なんでしょう。どうしてなんですか?」
(身体所見もほとんどない。なんら検査もさせてもらえない状態。それで診断してくれは無理。こちらも返答に窮する) 何か手掛かりをいただけると幸いなんですが。会話が返せないです。


会話ができないパターン その3

2019年09月11日 06時13分51秒 | 日記
2)相手の理解度など考慮せず会話しすぎる

 特にこちらが説明しているときに、ただいつも「うんうん」と頷いてくれる人は要注意。どこまで理解されているのかわからない。時に分かっていない時でも「ウンウン」と取りつくろってわかったふりをしていることがある。その都度、どこまでわかったのかこちらから確認する必要がある。
 物分かりが良すぎるような態度の人は注意が必要。あとで家族からの電話で「先生からの話はどうだったのよ?と(患者に)聞いたんですが、『いやあ、先生は特に何も説明してくれなかったよ』というので、きちんと病状説明してほしいのですが」と言われることが時々あり。ええっ?説明したのに・・・と思っても、こちらは何も言えない。話している内容がよく理解できていない時は「説明を受けていない」と仰るパターンが時々あるのである。
 なので、きちんと患者さんの理解度を考慮しながら話す必要がある。