吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

全身麻酔の抜歯手術で17歳生徒死亡 歯科医師2人書類送検  気管から酸素チューブ外れたか 業務上過失致死の疑い その4

2024年10月07日 07時02分31秒 | 日記
 また全身麻酔の術中では術者は手術に集中する必要があるので、全身状態の変化の迅速な把握は難しいでしょう。全身麻酔の場合は麻酔科医か全身状態のモニターをする従事者の存在は必要でした。ただ、それも医療コストがかかります。保険診療でそのような点数配点が認められていなければその医療機関の赤字持ち出しになります。
 人員配置を至れり尽くせりにすれば事故は減りますが、医療コストはかなりかかります。その分の安全を上乗せしたコストを国が認めていなければ、ここは国の責任も考えなければなりません。
 このように障害者に対して全身麻酔を含めた歯科治療のできる施設は重要です。現場で対応した歯科医の対応もさることながら、責任をすべて2人に負わせて話を終わらせてはいけないと思います。

全身麻酔の抜歯手術で17歳生徒死亡 歯科医師2人書類送検  気管から酸素チューブ外れたか 業務上過失致死の疑い その3

2024年10月05日 06時18分37秒 | 日記
 その後の報道では、患者さんはかなり体が大きく、術中の機械の音を異様に嫌がり興奮するということなので全身麻酔が選択されたようです。親知らずと言っても埋没したり平行になっていたら全身麻酔の方が適当でしょう。歯科医も歯科麻酔ということで研修を積めば全身麻酔をかけることは可能です。もちろん合併症においても熟知しておく必要はあります。
 異変があった時に「まず気管支痙攣を考えた」とありますが、もともと気管支痙攣発作の既往にあったのか、また気管支痙攣をおこすような麻酔導入剤をつかったのか?などが情報としてありませんが、異変があって一番最初に考えるのは気管支痙攣よりも tube troubleでしょう。Tube が途中で外れるような事故は時々おこるのでそれをまず最初に考えるべきでした。

全身麻酔の抜歯手術で17歳生徒死亡 歯科医師2人書類送検  気管から酸素チューブ外れたか 業務上過失致死の疑い その2

2024年10月04日 06時41分02秒 | 日記
 特別支援学校に通学していたとありますが、どの程度のどのような障害をお持ちであったか情報がないので何とも言えませんが、通常親知らずを抜くのに全身麻酔ということはないと思います。それだけ手術中に患者さんからのご協力が得られない場合はこのような全身麻酔という方法もあると思います。
 一般的に全身麻酔のイメージとして「注射1本で寝たり起きたりさせられる」という安易なイメージがあるかもしれません。それはまずは認識不足です。近年では胃カメラなどでは「簡単に寝ている間に検査が終わる」などということで一般のクリニックでも鎮静剤が多用されています。
 このような胃カメラなどの鎮静と全身麻酔は異なりますが、それでも麻酔にはそれなりに危険が伴いますし、術中の急変もありうることでしょう。要はそのような急変にいち早く気が付いてリカバーで来るかどうかということです。手術の術野に集中していたらなかなか患者さんの急変に気が付かないかもしれません。
 このような気管からチューブが逸脱する合併症は一定の確立でおこりうることであり、これは常に念頭においてすぐに再挿管しないとこのような致命傷になります。
 まずはなくなられた方のご冥福をお祈りいたします。

全身麻酔の抜歯手術で17歳生徒死亡 歯科医師2人書類送検  気管から酸素チューブ外れたか 業務上過失致死の疑い その1

2024年10月03日 06時29分33秒 | 日記
8/26(月) 11:00配信 YTV
 診療所の報告書によりますと、2人は2023年7月、特別支援学校に通う富川勇大さん(当時17)の親知らずを抜く手術で全身麻酔を行いました。通常、全身麻酔を行う場合、自力で呼吸ができなくなるため、チューブを鼻から気管に通して直接、肺に酸素を送る必要があります。 しかし、警察によりますと、このチューブが誤って気管から外れて、肺に酸素が送られていなかったということです。勇大さんは、麻酔開始直後に通常なら96%以上とされる血中の酸素飽和度が変動し、最終的には20%台にまで低下。約1時間15分後には心肺停止状態となり、病院へ運ばれたものの、意識が戻らないまま、低酸素虚血性脳症で約1か月後に亡くなりました。勇大さんは搬送時、腹部が異常に膨張していたということです。  警察は2人がチューブが気管から外れていたことを確認しなかった上、男性医師は救急搬送の要請が遅れた過失で勇大さんを死亡させた疑いがあるとしています。  診療所は遺族に対し、「判断ミスだった」として謝罪したということですが、具体的な説明はなかったといいます。
 警察は8月26日、手術を担当した歯科医師2人を業務上過失致死の疑いで書類送検したと発表しました。

証拠捏造を断罪した無罪判決、捜査機関に衝撃広がる…静岡県警幹部「正直納得いかない」 その2

2024年10月01日 06時34分33秒 | 日記
 袴田事件の判決です。やはりミソ樽に詰められた血染めの衣類が後から誰かの手によって仕組まれたものとして、それが捏造として認められたようです。それにしても当時から取り調べに当たった刑事は全員、昭和の冤罪王と言われた紅林麻雄刑事の部下だったとのこと。
 紅林刑事は被疑者に徹底的な肉体的苦痛を加え自白を強要し、そして証拠を捏造し無罪の人をとにかく犯人にしたてあげるということを数多くしたそうです。そして自身の成績をあげて数多くの表彰がなされたそうです。当時のその方法を学んだ部下たちが最初に袴田事件を担当したというのであれば、推測の域を越えないが、「そう」したことも疑われます。
 このミソ樽の中に漬けられた着衣であるが、発見当時それについた血痕が事件が起きた1年前のものではなく、色鮮やかな血痕であったためごく最近ついたような色であったというのは何とも不可思議です。しかしながら真実はもう今となっては闇の中でしょう。
 もういい加減にしてほしいと思います。