吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

綱引き その2

2008年05月31日 07時42分10秒 | インポート

 さて、中年女性は絶対この男性を恨んでいる。しかしこの男性は自分は別に悪くないと思っているだろう。しかし発車間際に持ち主が思い出して飛び込んでくることも十分予測できたはずである。いや、もしできなかったとしても、ぶら下がっている人のカサの上に自分のカサを重ねたら、おそらく何かしら「誤解」されるであろうことは明白である。少なくとも電車が発車するまではそのぶら下げられた空間を、その遺失物のあるがままの状態で保存しておくのがマナーだと考えるが。私見ですけど。


綱引き

2008年05月30日 07時42分30秒 | インポート

 ひさびさにJRに乗った。中年女性が座席の一番端に座っていた。角の手すりに自分のカサをぶら下げている。ある駅で女性はカサを置き忘れ下車した。すぐに初老の男性がその席にすわり、自分のカサをその置き忘れたカサにかさねてぶらさげたのだ。ところが出発する間際に下車した女性は急いで戻ってきて慌てて自分のカサをとろうとした。しかしカサが二本からまっていたので二本とも手をかけた。するとその初老男性は自分のカサをとられまいと二本ともカサをひっぱった。1~2秒綱引きしてる間、電車のドアは閉まりかけたので、女性はカサの手を放し慌ててホームに飛び降りた。ホームにはその初老男性に向かってものすごい形相をむけている女性が残されていた。さてどちらが悪いのだろうか? ただの偶然のいたずらか?


未遂

2008年05月29日 07時14分58秒 | インポート

 過去、リストカットをした患者さんもたくさん診療した。しかし完遂したものはほとんどみたことはない。傷の深さも皮下脂肪識くらいまでが多く、血管や腱までが切れている例は多くはない。この手段を用いることの目的は一つの自己主張かパフォーマンスであることが多い。同様に睡眠薬過量摂取でも残念ながら?そう簡単に死ねるものではない。一般的な睡眠薬の致死量は単純計算で数千錠くらいである。致死量に至る前に満腹でもう飲めなくなるだろう(笑)。


その瞬間

2008年05月28日 07時06分25秒 | インポート

 学生時代、T州会病院系の理事長 T先生の講演を聴いたことがある。かなり苦労されて医者になり病院を建ててきた経緯があったようだ。そのときでもかなりの資金繰りがつかず本当に死のうと思ったと述べていた。ビルの屋上に行ってフェンスを越えて、あと半歩すすめば落ちるというところに何回もいったらしい。その時の彼の思考内容は「悲しくも、嬉しくも、つらくも、楽しくもなく、まったくの真っ白な状態」だったそうだ。その瞬間というのは感情がまったく動いていない状態であるという話は興味深かった。現代でのリストカットとは随分違うようだ。


辞世の句

2008年05月27日 07時01分26秒 | インポート

 現代では自殺と言う行為が公序良俗に反する行為であることは事実である。一方、明治時代には「・・・曰く不可解・・・」という句を残し、華厳の滝に飛び込んだ藤村操の話は有名である。なにやら当時の事件簿には自殺の理由が「哲学研究の為」と記されているらしい。日本人の死生観は時代と共に変化しており日本人と言えども死生観は時代ごとに異なり一つではない。特に現代社会では多様化しておりその理由すら見出せない。唯一、藤村操の時と共通することは、その理由に差こそあれ同じ手段を用いて「後追い」する人が伝染的に存在することである。硫化水素・・・いい加減にしてほしい。なんなら密閉した部屋内に100人分の放屁をばらまいたほうが健康的である。


治療費?

2008年05月26日 07時19分32秒 | インポート

 最近、硫化水素ガスで自殺をはかるケースが多いようだ。でももし病院に運びこまれた場合、医療費は医療保険の適用にはならない。それは「自殺」という行為が公序良俗に反するためである。したがって自費請求されるのが本来の姿だが、何かしらの「精神科的病名」をつけて疾病として保険請求してしまうことがほとんど。本人に対し自費請求しても払え(わ?)ないし、自費請求にして経済的負担をかかえても、次回の自殺企図の抑止力にはつながらない。つまり自殺という行動形態は世の中では観念的にも経済基盤的にも認知されたものではない。


ガシャポン判決

2008年05月24日 07時19分42秒 | インポート

子供がガシャポンのプラスチック製の球状カプセルで気道閉塞し低酸素状態にて脳障害が残ったため、その製作販売会社が訴えられていた話。結局、裁判所は、両親も事故防止の注意義務を果たしたとはいえないとして、同社には責任を3割とした。裁判所の判決理由に構造上の欠陥を指摘し「のみ込んだ場合に備えて(中略)気道確保のための穴を複数設ける設計が必要だった」とした。しかしカプセルに数個穴をあけたところで人間が生存しうるだけの空気の流量が確保できるわけはない。本気でこんな理由をいっているのだろうか? それならいっそのこと、プラスチックではなくカゴ型の容器にすればいいのに。


糖 その3

2008年05月23日 06時54分53秒 | インポート

 糖尿病の人は、感染症にかかりやすいと書いた。昔、学生時代「糖尿病はなぜ感染症にかかりやすいのか?」ということが試験前に学生間で話題になった。だれもまともに説明できなかったが、試験前なので憶えなければならない。苦肉の策で誰かがこういった。「血糖値が高いということは体液が甘い状態。だから虫が寄ってくる。つまり水虫になりやすい→感染しやすい」と。まあ、確かにこじつけだが憶えることができた。 糖尿病の人は水虫が多いような気がするのであながち間違いではなさそうだ。


糖 その2

2008年05月22日 06時55分14秒 | インポート

 糖尿病とは血液中の糖分が代謝されないでいつまでも血管内に高い状態でとどまることである。これが長年放置されると、腎臓や眼がやられる。また心筋梗塞になる危険性がかなり高くなることは周知のことである。また免疫能が低下するため、いろいろな感染症にもかかりやすくなるといわれている。足の感覚が麻痺して些細な創から化膿して、ガス壊疽を起こして足を切断した人を何人も受け持ったことがある。


2008年05月21日 07時14分04秒 | インポート

 ブドウ糖は、人間の細胞が活動するうえでのエネルギー源である。細胞の中では酸素とブドウ糖がATPというエネルギーを作り上げる。細胞に酸素を供給しないと致命的であることは簡単に分かる。息もできない窒息状態ではわずか数分で意識がなくなり、10分足らずで心臓は停止するからだ。でもブドウ糖だって細胞に供給されなければ同様である。ただしこちらは時間的な余裕は少しある。理論上は脳細胞にまったくブドウ糖が供給されない場合の許容時間は90分といわれている。


特定健診

2008年05月20日 07時17分38秒 | インポート

 6月から特定健診がはじまる。後期高齢者制度など保険の枠組みが随分かわったため、健診事業内容もがらっとかわることになる。これら健診事業は国から示され、各区単位で施行される。したがって各区によって細かくその内容が異なっているらしい。区の財政により検査内容も区によっていろいろだそうだ。豊島区でもまだまだ細かいところでの調整がすんでいないらしい。これがすまないと、現場でどうやっていいかわからんわいー。


硫化水素

2008年05月19日 07時11分50秒 | インポート

 この前の土曜日の朝、大学に救急で患者さんを送ったので、午後に様子を見に行った。とりあえず入院して様子を見ながら、次の火曜に手術をするそうだ。とりあえずホッとしながら医局に寄ったら掲示板に「硫化水素中毒の対処法」などというマニュアルが張ってあった。近年、流行り?なので、「今まで何人くらい入院した?」と聞いたら、まだ一人も来ていないそうだ。発見されたときはすでに死亡していることが多いせいかなぁ?


天候不順とギョーザ

2008年05月17日 07時17分13秒 | インポート

 ここ2週間ばかり天候不順で気温が低かった。また寒暖の差も激しく体調を崩す患者さんが多かった。一番多いのが咽頭痛をはじめとする風邪であるが、なかでも激しいせきが長引く人も多かった。その次には下痢であろうか。一時期は医師会から「毒入りギョーザ」による症状が疑われたら届け出よと通知がきたが、正直いって診療経験がないから普通の下痢、腹痛と区別がつきにくいのだが・・・。


低ナトリウム血症 その2

2008年05月16日 07時01分43秒 | インポート

 最近夏場だけでなく、冬でも希釈性低Na血症をみることがある。いわゆる「ペットボトル症候群」というものだ。精神的な背景も関与するが、大量にペットボトルの清涼飲料水を急速に飲用してしまうものである。ときに1日数リットル以上を数日も続けることがある。腎臓からの水分排出がとてもおいつかないため体液が薄まってしまうのだ。時に甘い清涼飲料死のため高血糖を伴っていることもある。心肺機能、腎機能に障害を持つ人では致命的である。


低ナトリウム血症

2008年05月15日 07時56分32秒 | インポート

 身体の塩分濃度が低下する病態である。原因では、身体からナトリウムが過剰に失われる病気もあるが、それよりも多いものは塩分を含まない過剰の水分のみ補給で、身体の塩分濃度が薄まってしまうものだ(希釈性低Na血症)。例えば夏場に大量に汗をかいて、塩分を含まない水分のみを補給した場合である。身体の脱力感と筋肉の有痛性の痙攣やこわばりがおこる。大量の発汗にはスポーツドリンクが無難であろう。昔、夏場の炭鉱では坑内にはザルにもった塩が置かれていたそうである。