吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

尿路結石で入院していた女性が死亡 病院が適切な処置行わなかったと遺族が訴え 6300万円の損害賠償金支払いで和解 その2

2025年02月18日 05時49分50秒 | 日記
 尿の流れる経路を「尿路」と言いますが、腎盂、尿管、膀胱、尿道がこれにあたります。通常、これらの結石では発熱はありません。部位に応じた痛みはありますが、もしも腎盂結石の場合で発熱が見られたなら「腎盂腎炎」ということになります。
 この場合で高熱が続くようならこれは敗血症に移行する可能性もあります。おそらくこの患者さんの死因は敗血症ではないかと思われます。
 ただ40℃を越える高熱は確かに異常ですが、このような発熱をきたす疾患はいくらでもあります。たとえばウイルス性疾患など各種感染症でもおこりえます。この患者さんのこの高熱が腎盂腎炎であると、この時点で診断がついていたのでしょうか?
 詳しい情報がないので何とも言えませんが、この記事にある「診断できるのが常識」という文言はどうでしょうか? 発熱の原因を診断するのはそう容易いものではなく、なかなか診断がつかないこともよくありえます。予期せぬ急激な悪化をきたしたのか、手を尽くしたけれど診断がつかないまま悪化したのか分かりません。ですが、とにかく残念です(合掌)。

尿路結石で入院していた女性が死亡 病院が適切な処置行わなかったと遺族が訴え 6300万円の損害賠償金支払いで和解 その1

2025年02月17日 06時44分28秒 | 日記
2024/12/30(月) 16:18配信 BSS山陰放送より
 入院中の女性が亡くなったのは、病院が適切な処置を行わなかったためとして、遺族が訴えていた問題で、このほど病院側が遺族に6300万円の損害賠償金を支払うことで和解が成立しました。
 鳥取地方裁判所米子支部に提訴していたのは鳥取県米子市の博愛病院に入院していて亡くなった40代の女性の遺族です。 原告側代理人によりますと、女性は、2017年6月尿路結石で入院し、40度を超える高熱が出たにもかかわらず、看護師が医師に報告せず解熱鎮痛剤で対応し、その後、敗血症を併発し死亡しました。 このため遺族は「尿路結石の患者が高熱を出した場合早急に対処しなければ死亡してしまう危険性があることは医学的な常識である」として、病院側に約7300万円の損害賠償を求めていました。
 そしてこのほど裁判所からの和解勧告があり12月20日、病院側が6300万円を支払うことで和解が成立しました。 和解について遺族は「亡くなってから時間が経ちましたが、悔しいという気持ちが消えることはありません。同じようなミスがなくなるのであれば妻も喜ぶのではないかと思っています」と、コメントしています。 また博愛病院は「患者様がお亡くなりになられたことは非常に遺憾で真摯に受け止めています。最善の医療を提供して再発防止に努めてまいりますとコメントしています。

愛知 津島市議会議員 泥酔し病院搬送 看護師らに暴行し辞職 その2

2025年02月15日 06時22分31秒 | 日記
 救急隊や医療関係者はエッセンシャルワーカーです。このような公的職業の従事者に協力しないばかりか暴力をふるうということは理解不能です。お酒のせいで記憶がなかったという言い訳は、今の世の中では通用しません。これは「覚えていないのだから悪気はない」とか「暴力も情状酌量になる」との感覚なのでしょうか? むしろ「覚えていない」とお酒のせいにすることが余計立場を悪くするものと思われます。 日本では昔から「まあまあ酒の上での出来事ですから」とお酒を理由にその場を収めるような風潮がありました。最近では通用しません。完全にコンプライアンス違反です。

愛知 津島市議会議員 泥酔し病院搬送 看護師らに暴行し辞職 その1

2025年02月14日 05時34分31秒 | 日記
 2024年12月20日 21時08分 愛知県 NHK NEWSより
 愛知県津島市の共産党の市議会議員が今月13日、酒に酔った状態で病院に搬送された際、看護師や消防隊員などに暴力を振るったとして被害届が出されました。議員は20日、記者会見を開いて謝罪するとともに辞職願を提出したことを明らかにし、受理されたということです。
 津島市の共産党の松井由美子市議会議員は今月13日の夜遅く、酒に酔った状態で市内の病院に搬送され、研修医の胸ぐらをつかんだり看護師の胸や背中を蹴ったりしたほか、止めに入った消防隊員の腹を蹴ったとして暴行を受けた3人が被害届を提出し、警察が受理していました。
 これを受け松井氏は20日、津島市役所で記者会見し「けがをされた方々、市民の皆様に多大なるご迷惑をおかけしおわび申し上げます。皆様に謝っても謝りきれない」と述べ謝罪しました。
 一方、暴行に至った経緯について「自分では泥酔するほど飲んでいる認識はなかった。歩いている途中に転倒したと思われるがそこから全く記憶がない」と説明しました。
 そのうえで「市民を守る立場の議員である私の行動が市民を傷つけてしまった。辞職をもっておわびしたい」と述べ、辞職願を提出したことを明らかにしました。
 津島市議会によりますと辞職願は受理され、松井氏は20日付けで市議会議員を辞職したということです。

自身の平熱は?

2025年02月13日 06時19分58秒 | 日記
 とりあえず医療行為が必要になるかもしれ体温は37.0℃以上(大人)が目安になっています。
 発熱外来をやっていると患者さんの発熱に対する考えが様々だと分かります。
「自分の平熱は35℃台であり今日は36.5℃であるから自分は熱が出ているんだ」と主張される方もいます。またその逆に「自分は普段から元気で体温は高いので、今37.8℃? ああこれは平熱だよ、なんともないなあ」と言われる方もいます。
 また発熱外来は「発熱者」を基本的に対象にしています。ところが自宅で体温計測をしていないにもかかわらず熱っぽい感じがしたので「熱が出た」と受診を希望される方もいます。また通常外来に予約なしで「熱なんか出てないよ」と来院され、こちらで体温測定すると高熱であったりする方もいて、個人の感覚とは本当に様々だなあと驚かせられます。
 もっとも発熱がなくともコロナやインフルエンザに罹患している患者さんもいますので、当院では発熱外来という名称をあらため「風邪外来」と変更しました。熱がなくとも風邪症状のある方はすべて電話予約を頂いて診療しております。よろしくご協力くださるよう。

失神発作 その2

2025年02月10日 06時15分20秒 | 日記
 失神は突然扉のシャッターが下りたように意識を失います。格闘技でクビをしめたときに意識を失う「落ちる」という状態と同じです。脳は酸素がないことに極めて弱い臓器です。わずか数秒でも頸の両側にある頚動脈をしめて血液の流れを遮断すれば数秒で失神します。
 脳への血流量の急激な低下で突然失神するということは、身体のすべての力が抜けるので手すりにつかまっていても手は離れ、膝から崩れ落ちます。転んで大けがしないようにするには、目の前が暗くなりかけたら身をかがめたり膝を着いたりを瞬時のうちに行えば、倒れた時の衝撃が少ないでしょう。まあでも難しいかもしれません。

失神発作 その1

2025年02月08日 06時16分30秒 | 日記
 時々血液のうすい方がおられます。これを所謂、貧血といいます、血液が薄いと体に必要な酸素が行き渡らず、より酸素が必要な状態、例えば階段を上る時や走った時などで、脳に酸素が行き渡らずに突然失神する場合があります。
そのような患者さんには失神のおそれがあることを注意するのですが、中には「ああ、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。階段上るときは息が切れても、かならずしっかり手すりにつかまっていますので失神しても倒れませんから」と言う方が今まで何人かおられました。
 いやっ、・・そうではありません。「掴まっている」という行為は、意識下のものです。失神とは突然意識がなくなることなので、手は手すりから離れ、膝から崩れ落ちることになります。だから特に階段では注意されてください。失神は膝から崩れ落ちますので頭部打撲などよく見られます。

輸血・献血・採血あるある その2

2025年02月07日 06時51分21秒 | 日記
 その1と似たような話です。
 コロナワクチンも散々接種してきましたし、過去インフルエンザワクチンの接種もずっと行っています。毎年きちんとインフルエンザワクチンをうちに来る患者さんも沢山います。毎年打っておられるのでお分かりになってると思うのですが、なかなかそうでもありません。
 なかには数枚以上の「長袖の衣服」に、なおかつ分厚いオーバーを着ながら診察室に入ってこられますかたもいらっしゃいます。こちらはすぐ打てるようにすでに注射の準備をして待っていますが、きつい腕まくりをして接種部位を出そうとします。
 とにかく時間がかかります。そしてようやく腕を出したかと思うと肘のくぼみを差し出してきます。
「そこは採血する場所でワクチンじゃないですよ」と言うと、驚いた顔をして「じゃあ脱ぎますね」と1枚1枚玉ねぎをむくようにゆっくりと御脱ぎになります。「ううん~毎年やっているのに採血とワクチン注射の刺す場所をおぼえていらっしゃらないのかなあ」と心で思ってしまいます。
 もっとも前もってスタッフに指示して待合室で脱衣してただければいいだけの話しなんですが。(笑)#

輸血・献血・採血あるある その1

2025年02月06日 06時03分45秒 | 日記
  健診の時の問診項目に「輸血の既往」を聴取することが必要とされています。
「輸血されたことありますか?」 「・・・え~っと、ある、ある、あるよ」
「いつ頃、どのようなご病気でですか?」 「え?病気? 病気なんかじゃないよ」
「病気じゃなければなにか大けがとか手術の際に輸血されましたか?」 「怪我? 手術? 何もないよ 生まれてこのかた病院なんかに行ったことがないのが自慢なんだ」
「では、どんな時の輸血ですか?」  「え知らないの? ほら、よくあるだろ、駅前のバスでさ」
「は? バスで・・・・乗ってどこに行くんですか?」  「違うよ、バスのさ ほら、あるだろ日赤だったか・・大昔に1回やった」
「ああ、献血ですか? それは献血ですね、違いますよ、お聞きしているのは輸血です、輸血です」 「はああ、 ああ、あるある、病院でさあ、きょうもやるんだろ? 針刺して血抜くやつ」
「それは採血です、採血・・違います、血をもらったことありますか? 他人の血を治療目的でもらったことありますか?」  「え なに、それはないな」  ようやく会話が終了する。
 これは落語や架空の話ではなく本当にあった話です。ここまでではなくとも、これに似たような会話はかならず毎年健診の時期には10人ぐらいいらっしゃいます。輸血と献血・・・難しいですが異なりますので。

急な難病発症→救急搬送の朝ドラ俳優 自身の経験経て…救急車に道譲らぬ歩行者に怒り その4

2025年01月14日 05時55分49秒 | 日記
 今回の俳優が罹患したギランバレー症候群ですが軽~重症様々です。自分も何回か診療の経験をしました。一番重かった患者さんですが、週1回出張に行く病院で「全身倦怠」で自分が出勤した前日に入院していた患者さでした。朝には「足の裏にスポンジがついているように痺れている。手の指先の感覚は鈍い」と言っていました。しかしその日の夕方には「胸に何か重いものが乗っているようだ。苦しいからどけてくれ」というようになりました。しばらくすると呼吸ができなくなったので、慌てて気管挿管し人工呼吸をしながら救命センターに搬送したことがありました。
  髄液検査にて本疾患と診断されて、結局数週間人工呼吸器管理で幸い回復しました。その症例も「ちょっと外来が多忙で診に行くのが遅れた」とか「この疾患を知らなかった」とか「気管挿管をできなかった」ということであったら助からなかったでしょう。つくづく人間助かるかどうかは運とめぐりあわせなのかなあと思っています。
 救急搬送時に協力的ではない周りの歩行者や通行車両は、結果的に搬送患者の命に脅威を与えていること気が付かなければなりません。

急な難病発症→救急搬送の朝ドラ俳優 自身の経験経て…救急車に道譲らぬ歩行者に怒り その3

2025年01月11日 06時11分33秒 | 日記
 サイレンを鳴らして赤色灯を回転させた場合、緊急自動車という扱いになります。周囲の通行車両のみならず歩行者も緊急自動車の通行を妨げてはならないのは常識です。しかし、これは自分の感覚なのですが、周囲の車や歩行者は、不思議とパトカーや消防車には道を譲るのですが、救急車に対しては無頓着なような気がします。どれもみな緊急度は同じですが救急車にも道を譲らなければならないという意識があまり見られないような気がします。自分の思い過ごしかもしれませんが何か差があるような気がします。自分の根拠のない感覚ですが、普段から緊急ではないのに救急車を呼んでしまうような方は、救急車を緊急自動車だと思っていないのかもしれません。そうだとしたらとても残念なことだと思われますが。

急な難病発症→救急搬送の朝ドラ俳優 自身の経験経て…救急車に道譲らぬ歩行者に怒り その2

2025年01月10日 05時37分36秒 | 日記
  2024年9月13日スポーツニッポン新聞社
 この日、「あの時適切な判断をして下さったから、今命がある。そして美味しいものが食べられる。今だから言えるけど軸索型という、劇症型だった、と。そこからここまで回復出来て本当に良かった、と仰っていた」と、劇症型だったと告白。
 続けて「先生もきっと色々悩みながらもいち早く手を打つしかない状況で、判断が難しかったと思う。沢山のことが重なって運良くここまで回復出来たこと、本当に感謝しかない」と感謝を伝えた。
 また「救急車が通るたび、搬送されている方がどうぞ無事でありますように、とこれまで以上に毎回強く思うようになった。そして、先生、看護師さん達何とかこの人を助けてください、と思うようになった」と打ち明け、「だからこそ救急車が来ているのに道を譲らなかったり、横断している車や人を見たりするとめちゃくちゃ腹が立つ」と怒りを投稿。  
 「もし自分が運ばれていたら?自分の家族が運ばれていたら?一刻一秒を争っている人もいるはず。皆運ばれたこともないし、周りでそういう経験してないから、そういう想像が働かないのかもしれない」と推察し、「もっと自分事になって考えてくれる人が増えたら、もしかしたら救える命は増えるのかもしれない」と未来を見据えた。


急な難病発症→救急搬送の朝ドラ俳優 自身の経験経て…救急車に道譲らぬ歩行者に怒り その1

2025年01月09日 06時14分55秒 | 日記
 9月13日スポーツニッポン新聞社
 小堀正博インスタグラム(masahiro619kobori)より© (C) スポーツニッポン新聞社
 俳優の小堀正博(36)が、13日までに自身のインスタグラムを更新。「ギラン・バレー症候群」を発症し、回復した現在の思いをつづった。
 小堀はNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」「マッサン」「おちょやん」「べっぴんさん」や、テレビ朝日「科捜研の女」シリーズなど数多くの有名作品で活躍する俳優。今年3月、SNSを通じて救急搬送されたことを明かし、その後、末梢神経に障害が生じて力が入らない、しびれるなどの症状を起こす難病「ギラン・バレー症候群」と診断されたと告白していた。
 入院し、一時は「明日来たら瞬きさえ出来なくなっているかもしれないから覚悟して」と家族に告げられる状態となっていたが、小堀は懸命にリハビリに臨み、4カ月半の入院を経て、7月に退院。仕事復帰を果たしていた。

「クマ送る」発言の秋田知事が真意説明…「『おまえ死ね』とかすごい発言ある」「トップの毅然対応が必要」 その2

2025年01月07日 06時24分07秒 | 日記
 いまだに続いている悪質な苦情電話です。たしかにもうこれ以上真面目な対応をしていたらきりがありません。「お前の所にクマ送るから住所教えろ」という切り返しは面白いです。悪質な電話にはウイットで切り返すのも一つの手でしょう。
 もっとも、このような電話はまず相手の住所氏名連絡先をきちんと述べさせてから話を聞くのがいいでしょう。すべてを名乗らない苦情電話は、「不審電話」と同じ扱いとし即断で通話を切ってもいいと思われます。
 クマの被害がない地域に居住し自分には生命の危機がないという立場での動物愛護論は極めて無責任です。しかも自分の素性を名乗らないで相手に物申す発言では何ら信頼性はありません。まさに「いたずら電話」でしょう。

「クマ送る」発言の秋田知事が真意説明…「『おまえ死ね』とかすごい発言ある」「トップの毅然対応が必要」 その1

2025年01月06日 06時27分25秒 | 日記
2024/12/18 読売新聞オンライン
 クマを駆除した後に寄せられる悪質な苦情電話に対して「クマを送る」と発言したことについて、秋田県の佐竹知事は18日、「本当に(クマを)送ることはできないが、そのくらい言わないと」と述べ、「トップが毅然とした対応をすることで職員がやりやすくなる。言葉でああだこうだ言っても聞かないですから、こちらも同じように対応するというのが必要です」と。
 報道陣の取材に応じた知事は「しっかり説明をしても、例えば『税金泥棒』とか『おまえが死ね』とかすごい発言があるんです」と明かした。悪質な苦情電話をかけてくる人に向けては「自分の身になってほしい」と理解を求め、「自分の家にクマがいたら、動物園のライオンが 檻から逃げて自分の家の前にいたらどうするんですか。人間の生命がまずは一番です」と断言した。
 また、「なんでもかんでも突っぱねるのではなく、丁寧に説明しながら、一方であまりにひどいものはしっかりはねつけるという両面作戦です」とも述べた。
 知事は17日の県議会予算特別委員会総括審査で「私にもし(苦情の電話が)きたら、完全に相手を威嚇する。お前のところにクマを送るから住所を送ってくれと。こうすると相手が電話を切ります」と発言していた。