吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

学会出張 その9

2014年05月31日 05時32分29秒 | インポート

 おそらくデッキへいって携帯の通話をした若者は平成生まれであろう。彼が物心ついたときには携帯電話というメディアと付帯的にマナーも当たり前のように定着していたと思われる。ところがマナーを順守されていない自分の隣の高齢男性は、少なくとも彼の小さい頃には固定電話すら持たない世帯もかなり多かったはずである。この高齢男性もいつからかは知らぬが、きっと年配になってから携帯電話を保有されるようになったと考えられる。たぶん固定電話のイメージを引き摺ったまま携帯電話に突入したのだとしたら、新たなるメディアに付帯するマナーを置き忘れてしまった可能性もありうるのだ。「今どきの高齢者は・・・」という括りは良くはないが、でもこの至福の時間への傍若無人な闖入者にはただ驚くばかりであった。まあ自分の隣の人が携帯電話で話をしていただけなのであるが、とりあえずこんなにこの話を引っ張ることのできる自分も大したものである(苦笑)。<o:p></o:p>

 


学会出張 その8

2014年05月30日 06時12分31秒 | インポート

 とにかく至福の時をdisturb された感じであった。この高齢男性が口に手をかざして会話でもしてくれていたなら、「ああ、一応周りに気遣っているんだな」とこちらもある程度は納得できる。しかし「大声で」「堂々と」した会話なのである。自分の元同僚で大阪出身の医者が言っていた。「関西空港行きの国内線に乗ったら関西のおばちゃんの団体が一緒に乗り合わせ、到着するまで機内はものすごい関西弁の嵐。大阪人の自分ですら、うるそうて敵いませんでしたわー」と。・・・まあここまで高齢男性の声が過激であったわけではないのであるが、やはり「堂々とした」態度ということで、マナーを守っていないというよりもマナーを知らないのであろうと推測されたのである。携帯電話(今ではスマホになったが)という新たなメディアの出現は、新たな約束事も発生するものである。その約束事には通話マナーも付随するものであろう。少しばかりそのマナーの成立理由に疑問は残るものの一度成立したマナーは高齢者であっても遵守する必要がある。<o:p></o:p> 


学会出張 その7

2014年05月29日 05時25分46秒 | インポート

    以前もこのことに触れたが、そもそも会話というものは相手があって成立する。車内での携帯電話の会話がいけないのであれば、車内で乗客2人が会話をするのもいけないことになる。たとえば夫婦で旅行中、楽しく会話をしてもいけないことになる。携帯電話は、話している相手がそこに存在しないという理由だけで会話がいけないといわれているのだろうか? しかしながら一時期、心臓ペースメーカなどの医療機器の誤作動につながると言われていたので、この観点からは使用は控えるべきである。いずれにせよ、なんだか納得できないまま、今では車内通話はマナー違反であると世の中に定着したのである。「悪法も法」である。一度定着したなら従わないとただの偏屈親父になってしまうので今では自分もマナー違反であると認めているのである。そこにきて今回の新幹線の出来事である。「今どきの高齢者は・・・・」とすべての高齢者を一括りにした物言いはフェアではないが、かつてはそのアンフェアな物言いで若者が揶揄されてきたのである。<o:p></o:p> 


学会出張 その6

2014年05月28日 05時26分12秒 | インポート

  さてその直後である。その隣の高齢男性は携帯電話のボタンを押してどこかに電話をかけた。「おい、ほー、あ、俺だ、今新幹線だ。○時ごろには着くから・・」 どうやら自宅にかけているらしい。通路をはさんだ向こう側の座席にいた会社員らしき若い男性は、いきなりたちあがり携帯を取り出した。「あ、○○です、あっ、はい・・・」 会話しながらデッキのほうに出て行ったのでどうやら彼も携帯に着信があったのだろう。たぶんデッキで通話しているに違いない。昔からよく使われる枕詞のようなものがある。それは「今どきの若いものは・・・」という言葉である。そしてそれ以下の文章には必ず否定的、揶揄的な内容が続くのが常である。ところが、これでは「今どきの高齢者は・・・」という枕詞に変えられてもおかしくはない。そもそも車内での携帯電話の会話は「今では」マナー違反として定着している。車内放送でも「携帯電話はマナーモードにして、通話はデッキにてお願いします」とアナウンスされている。この傍若無人な隣人はマナー違反をおかしているのだが、それにしても今でも思うのだが車内での通話がなぜマナー違反なのかその理由がよくわからない。<o:p></o:p> 


学会出張 その5

2014年05月27日 05時55分29秒 | インポート

  まあそれでもなかなか面白い講演も多く楽しかったのである。会場周辺は山があり、桜も多かったので観桜気分にもなれた。さて学会も終わりそのまま駅に向かい新幹線に乗車した。往復の楽しみでもある弁当と缶ビールを買って乗り込んだ。車内はほぼ満席であり自分の席は2人掛けの通路側であった。窓側には高齢の男性が座っていた。文庫本を片手にビールを飲みながら弁当をつつくという至福のひと時である。ところが突如けたたましく隣の高齢男性の携帯電話が鳴った。きっと耳が遠いのであろうかかなりの呼び出し音量である。私の至福の時間が切り裂かれた感じであった。「おっ、はっ、お~、ほうほい、先ほどはお世話になりました。久しぶりで楽しかったですよー、ようやく今新幹線に乗りましたわー・・・」 彼は座席の隣人に気遣う様子はなく大きな声で通話を始めた。そして数分間何に気兼ねするそぶりも見せず会話が続きようやく高歌放吟的な電話が終了した。<o:p></o:p> 


閑話休題

2014年05月26日 05時45分16秒 | インポート

 先代の院長である父の命日は昨日5月25日である。あの日も朝から日が照るつける暑い日であった。自分が実家にもどって家業を継いで、そしてなんとかここまで来れたのも父のおかげであろう。とはいえ昨今の開業医事情は安泰というわけではない。うちの診療所のように立地条件のあまりよくないところではなにかプラスアルファがないと今後も厳しいであろう。自分がここで診療をはじめてから7年目になるが、ここ数年1日の患者数が増加しているわけではない。収入も横ばいでまだまだ苦しい毎日である。父の命日を期に気を引き締めて頑張るしかない。


学会出張 その4

2014年05月24日 06時07分29秒 | インポート

   医学的な話になるが、大きな外傷や熱傷や大きな手術を受けたあとの数日間は、体の代謝が低下した状態になる。これは大昔の外科教科書にも、この時期は「ショック期」として記載されているほど有名なのである。この時期に栄養を入れても利用されないと言われている。なので水分出納の管理をし、栄養の投与は利尿がつく数日後あたりから考慮するというのが常道なのである。また集中治療の分野では30年以上も前から行われている尿中窒素の測定をするというような話がこの卒後セミナーでなされた。この尿中窒素の排出量をみて必要アミノ酸を算出し、失われた分を投与するのである。すでに30年前から救命センター時代は毎日これを計算し栄養管理をするのが日課だった。だから今回驚いたのは、卒後セミナーで今更これらの方法が講演されるとは思わなかった。もっと新しい栄養管理法が聴けると期待していたのであるがこの分野はまったく進んでいないという印象であった。というか、いかにも新知見という感じで講演されていたのに違和感を覚えたのである。<o:p></o:p> 


学会出張 その3

2014年05月23日 06時41分23秒 | インポート

   今回、卒後教育セミナーというものにも参加した。今回の講演内容は「合併症を有する患者の周術期管理」というものである。開業してしまうと全身麻酔をして行う大きな手術はもうすることはない。外来での小手術程度である。まあだから今回の講演内容は聴いていても今の診療に役に立つわけではないのであるが、専門医更新のクレジットになるので出席せざるを得ない。それぞれ呼吸器合併症、循環器合併症に関して演者が交代して講演された。まあ今では必要ない知識とはいうもののなかなか新知見もあり面白かった。しかし次の演題の「栄養障害の合併症をもつ患者管理」についての講演であるが聴いて驚いた。自分が30年も前に救命センターで学んだ栄養管理の水準そのままなのである。新知見はほとんどなかった。がっかりであった。まあこの演者(大学教授)が不勉強であるとは思わないが、本当にきちんと調べたのかしらんとも疑ってしまった。いやいやきっとこの栄養管理の分野は30年間進歩していないのだろうと思ったのである。<o:p></o:p> 


学会出張 その2

2014年05月22日 05時23分40秒 | インポート

    ホテルに1泊して翌日学会場に地下鉄で行った。まあ桜見物の観光客で電車はラッシュ状態。それにしても大学勤務医時代は、学会も会期中はすべてに参加できたのであるが今では診療を数日以上休んでまで参加できない。学会参加の目的は新知見の勉強のためばかりではなく、学会専門医更新の卒後セミナーを受講するためでもある。学会の専門医を更新するにはいろいろな条件があるが、ここの学会では5年間のうち総会に3回以上出席すること、および5年間で100例以上の外科手術施行を必要としている。まあ普段、ケガの縫合やら陥入爪の手術やら、皮下腫瘍の摘出などしているので症例数は軽くクリアはできる。あとは年1回開催される学会に5年間で3回でればいいのであるが、これがなかなか地方開催だと難しいのである。東京であれば診療の休み時間にでもちょこっと出席できるのであるが・・。<o:p></o:p> 


学会出張 その1

2014年05月21日 05時30分34秒 | インポート

   4月5日のことである。土曜日であるが休診にして学会出張した。前日の金曜の夜、診療終了後に新幹線で開催地に行き1泊して翌日学会に参加、そして夕刻、学会終了後新幹線で帰京した。出張時間はたった24時間の弾丸出張である。桜の季節でしかも国際的観光都市だったので、まあ観光客の多かったこと・・・。この時期にここでの学会開催はやめてほしいものである。宿泊予約であるが、学会プログラムが届いてから聞きたい講演の日時をみて宿泊予約をすることになる。しかしこのプログラムが届いたのが1か月前である。この桜の時期の宿泊予約はわずか1か月前ではとうてい無理である。なんとかようやく駅の南側のホテルを1泊だけとれた。学会主催者は細切れにしか学会参加できない開業医を締め出していると言わざるを得ない。まあさておき普段遠出もままならない開業生活である。自称元「乗り鉄」であるので新幹線に乗っているだけでも楽しいのである。もちろん乗ったらおつまみ、缶ビール、そして弁当を食すのがたまらない。学会出張の楽しみの8割はこれであると言っても過言ではない。<o:p></o:p> 


小児外傷 その3

2014年05月20日 06時19分08秒 | インポート

    うちのクリニックではスタッフの手が足りないときは積極的にご家族にもお手伝いいただいている。大泣きに泣いている子供をお母さんは抱っこしながら「痛くないよ、痛くないよ、もう少しで終わるからねー」と声をかけることがある。でもそれは嘘である。「痛くない」ことはないし、「すぐに終わる」わけでもない。でも泣いている子供には他に声をかけようがないのだ。まさか「まだまだ痛いからね。あと10分以上はかかるよ」などとは言えない。よくよく考えれば幼児あたりの年代は言ったことを理解してくれるわけではないので、何をどう声がけしようとも泣き止むことはないのである。諦めるしかないが、こちらもやむことのない「騒音」の中でイライラと処置をすすめる羽目になる。そしてようやっと処置が終了した時点でどんなお母さんでも必ず言うセリフがある。それは「よしよし、よく頑張った、よく我慢したね、偉かったよー」である。冗談じゃない、あんなに泣いて大暴れしておきながら「頑張った」もへったくれもないもんだ。この時こそいつも内心自分は思うのである。「我慢して偉かったのは私」と。でも別にいいでしょう? 罰は当たらないと思いますが。<o:p></o:p> 


小児外傷 その2

2014年05月19日 05時06分47秒 | インポート

    つまり大声で泣いて暴れる子供の処置と、いろいろと飛んでくる祖父母の質問の両方に対応しなければならないのでこれがまた一苦労だったのである。スタッフで子供を動かないように押さえつけ(と表現すると語弊があるが、でも実際そうなのでるからしょうがない)、麻酔の注射をして縫合処置を開始するのである。「ホーホー、ボクはとても元気がいい子だねぇ~」と心にもない声掛けをするが、おかまいなしに子供はずっと泣いて大暴れしている。知らない人がみたら幼気なこどもをいたぶっているようで確実に自分が悪代官に見えるはずである。救急外来にきた別の患者から「あんな騒ぐなら全身麻酔の注射でも一本打って寝かせればいいじゃないの」と的外れで無責任な意見を言われたこともあった。それもまた余計なお世話なのである。このように子供、特に幼児のケガは面倒くさいのである。6歳以下の縫合処置は保険点数が幾ばくか加算されている。幼児の縫合処置はとにかく大変なのであることがこの点数配分でも理解できよう。<o:p></o:p> 


小児外傷 その1

2014年05月17日 06時20分41秒 | インポート

 外科研修中の話である。傷の縫合の腕を磨くために救急外来に張り付いていて、もしケガの患者が来れば自分が率先して診ていた時代があった。これは本当にいい経験になった。特にそこの病院では子供の怪我が多く、よく子供の縫合もさせてもらった。しかし子供でもまだ学童あたりは何とか聞き分けもあるのだが、特に幼児あたりではまったく何を言っても理解してくれない。ただ泣きわめいて大暴れするのみなのである。連れてきたお母さんに縫合中、暴れないよう抑えてもらおうとお願いしても、まったく役に立たない。抑え方が優しすぎるのである。まるで大岡裁きの話で、本当の母親が子供の手を強く引っ張れないのと同じなのである。ましてや祖父母の付き添いはもっと頭が痛いのである(私の)。彼らは、子供の既往歴や現病歴をよく知らない。こちらが子供のことを聞いても「さぁ~どうなんでしょう?」ときちんと答えられないことが多かった。その割にはこちらにいろいろと細かい質問を投げかけてくることが多かった。両親不在時の孫のケガなのでおそらく責任でも感じているのであろうか、両親からあとで聞かれてもいいようにその答えの準備と思われるのであった。<o:p></o:p>

 


携帯型空間除菌グッズの怪 その6

2014年05月16日 06時21分50秒 | インポート

    まあ譲歩したとして、ほとんど開け閉めしない狭いロッカー内やクローゼット内の除菌は可能であろうが人間がここに居住するわけではない。この消費者庁の措置命令に対応して、販売元の対応コメントがだされた。「広告表現の問題であり製品性能には問題ない」とか「二酸化塩素には空間中のウイルスや菌を除菌する働きは確認されている」である。間違いではなかろう。しかしこれはあくまでも通常では用いられない限定条件下における製品性能であり、また二酸化塩素の薬理的性質を述べた一般論である。購入者の通常の使用環境下ではとても除菌効果が期待できるとは思えない。しかもこの販売元もきっとそう思ったのであろう、その「免罪符」として「利用環境により成分の拡がりは異なります」と注釈を入れている。これならば全く効能がみられなくとも「注意書きに書いてある」と逃げられるのである。まさに言葉のパズルを解いているようであるが罠にはまらないよう注意しないといけない。まるで一時期流行した「抗菌マット」や「抗菌ボールペン」を思い出してしまうのである。<o:p></o:p> 


閑話休題

2014年05月15日 06時00分51秒 | インポート

 ゴールデンウイークも終わり、そろそろスギ花粉症も終息を迎えてきました。しかし先々週まではぼちぼちインフルエンザ陽性の方もいましたし、なんとなく夏風邪?で高熱を出す方もこられるようです。しかも発熱と下痢を呈する感染性胃腸炎らしき患者さんもいて、なんだか季節外れの疾患が混在して今の時期の集中しているような印象です。なんだかそんなことを言っているうちにもう今年度の特定健診が来月から始まります。誕生月の早い方は今月末あたりから区よりお知らせの封書が届きます。お見逃しのないように。