幼児(就学前)のワクチン接種では泣く子が多いようである。しかしながら幼児と言っても様々である。さんざん大泣きして接種した後も待合室で大暴れして備品に八つ当たりする4歳の子供もいれば、最初からおとなしく、じっと涙を噛みこらえて我慢する2歳の子供もいる。この頃の精神発達は個人差があるのか本当に様々な反応するので興味深い。自分が幼稚園の時の集団予防接種のことを覚えているが、「泣かないこと」が周囲に対して一つのステイタスだったような気がする。「あっ 強いねー おりこうさんだねー」という褒められおだてられが嬉しかったのであろう。しかしまあなんと自分は単純だったことか(笑)。
現在、介護認定会議の委員をやっている。これは介護サービスを希望する人の調査書と主治医意見書をあわせて、その人の介護度を認定する仕事である。その人の生活自立度や病気の具合を書類上で判断するものだからとにかくよく読みこまないと分からない。しかも必ずしも書類にきちんとその人の生活状況が記載されているとは限らないので大変である。それを数人の委員の先生方と合議で介護度を決定するのであるが、昨今の「行政予算仕分け人」と内容的には似ているかもしれない。しかしまず削減ありきではないのでご心配なきよう。フェアに判断しているつもりです。
1ヶ月前は熱発患児の9割はインフルエンザ反応が陽性でした。ここのところ熱発で来院するお子さんの数は随分減ってきたようで、38.0℃以上の子供はほとんどいません。そのかわり?インフルエンザワクチンの接種患者が多く先月から目が回るようです。このような中で、ワクチン接種をする直前に「あ ちょっと待って。新型は副作用ないですよね?」「**の薬飲んでるけど大丈夫ですよね?」などと聞かれることがあり、なかなかスムーズに接種が進まない事もあります。注射器に薬液を詰める前にご相談ください。ドタキャンになると薬液は破棄することになりますので。
今回の新型ワクチンは1瓶10mlなので、大人なら18-20人、子供なら40人分くらいは取れる勘定になる。生物学的製剤のため、開封したら24時間以内に使い切らないと破棄しなければならない。しかしながら子供40人の予約を24時間以内に集中させるのは大変な労力である。また実際の接種もかなりの手間である。しかしながらここに来て、当日に熱を出しただのキャンセルだので少しずつ破棄しなければならないワクチンも出てきた。やはりどう考えても10ml瓶は無駄が出るようだ。長妻厚労相いわく「10ml瓶のほうが製造が早いから」というが、現場で使えない分が破棄されたら元も子もないと思うのだが・・・。
今年度から季節性インフルエンザワクチンの希望者も予約制にしました。これは季節性ワクチンが品薄であることを考慮して今年から予約制にしました。案の定、問屋からの入荷は不定期で少しずつしか入りません。予約制にしてよかったのですが、昨年は予約制にしていなかったので「えっ ワクチン打ってもらおうとせっかく今日来たのに・・・じゃあ いいです、帰ります」と患者さんからお叱りを頂いております。申し訳ありません。どこの医療機関でも同じような状態だと思います。お電話で確認の上、ご予約くださるとありがたいのですが・・・。
今週、新型インフルエンザワクチンの子供への接種がはじまった。新型ワクチン接種は予約を取って時間帯をそろえて接種するよう行政から指導されている。現在配られているワクチン1瓶で数十人分の分量でありそれを24時間以内に使い切らないと破棄しなければならない。したがって子供達がうちの待合室に溢れんばかりとなった。これだけ集まるとかなりの嬌声と泣き声で阿鼻叫喚である。きちんとした診察や説明はとてもできるような環境ではなくなる。正直、小児科の医院さんは毎日これなのかと思うとすごいなぁ~と頭が下がる。
最初から行政の正式発表では今回の新型ワクチンの位置づけは「個人の発症予防」ではなく「重症化して亡くなる人の数を減らす」のが目的だったはずです。ということは春から11月までのA型感染者の中で新型の感染者は9割以上もいるのですから、この春から11月までの罹患者は「放置しておいて差し支えない」ことになります。ただ残り1割弱は季節性インフルエンザの可能性もあるのでこの子供たちに新型ワクチンが行き渡らないのは問題ですが、でも最初から「個人の感染予防ではない」と言っているのですから、この1割弱を救うために、残りの9割に対しても「不必要である」ワクチン接種を拡大するのは、最初言っていた「新型ワクチンの位置づけ」からすると矛盾していると思います。新型ワクチンは足りないんだから何とか有効活用するよう方策を立ててほしいものです。ここのところ朝令暮改の行政発表ばかりで嫌になってしまいます。
新型インフルエンザ罹患後に新型ワクチンを接種することに「不利益はない」と書きましたが、個人的意見では不利益はあるかもしれません。というのは春から11月ごろまでのA型感染者は9割以上が新型ですので、これら人達に打つ予定となっている新型ワクチンをその次の接種優先順位者に回してあげたほうが、より感染阻止効果及び重篤化して死亡する人たちを減らせるのではないかと考えるからです。
夏から秋にかけて流行っているA型インフルエンザはほとんどが「新型」のようです。ですから確かにこの時期にかかったお子さんには新型ワクチンは必要ないともいえます。しかしながら少ないながらに「季節性」も混ざっていることと、全例に確認検査をしているわけではないので新型ワクチンは接種しておいたほうがよいでしょう。新型インフルエンザにかかった後に新型ワクチンを接種しても何も不利益はありません。
よく1週間置けば次のワクチンを打っていいだろうと混同される方がいますが、これは「異なる」ワクチン(例えば新型と季節性)の場合です。異なるワクチン、特に不活化ワクチン同士の場合は、間を6日置くように国から指導されています。これは増強効果云々とは関係なく、接種の副反応がでるかどうかを「少なくとも6日間」確認しなさいということです。インフルエンザワクチン同士はどちらも不活化ワクチンなのでこれでいいのですが、麻疹などの生ワクチンを打ってしまうと以後27日間は経過を見なければならないので、約1ヶ月は他に何もワクチンは打てなくなります。間をおいて接種することはワクチンの副反応の有無を見る場合と、ワクチンの効果増強を期待する場合の二通りあります。
現在、新型ワクチンと季節性ワクチンの二種類のワクチンを平行して接種しています。そのために少し混乱があるようです。このように種類の違うワクチンの接種ではなく、もしも同一ワクチンを接種する場合、2回目接種の時期は、前回接種した同じワクチンから約1ヵ月後となります。この理由は同じワクチンを計2回打つ場合、2回目を打つ時期のタイミングによって効き目の増強作用が変わるからです。一番抗体産生が増強されるのは2回目接種の間隔を約1ヶ月を置いてからだそうです。
接種回数の見直しについて厚生労働省から通知がありました(10/20)。
*「医療従事者」、「妊婦」、「65歳以上の者」「健康成人」は1回接種
*1歳未満の乳児の「保護者」、優先接種対象者のうち身体的理由により接種できない者の「保護者」も1回接種
*1歳から6年生は2回接種(中学1年生に相当する者であっても接種時に13歳になっていない者については2回接種)
*「基礎疾患を有する者」は1回接種とするが、著しく免疫反応が抑制されている者は2回接種としても差し支えない
*「中高生」は当面2回接種とするが、今後の臨床試験の結果を踏まえ判断する。
幼児や学童を中心に新型インフルエンザが流行しています。しかしうちのクリニックには高齢の方で罹患したという患者さんは、いまだに一人もおりません。大昔に流行したインフルエンザに似ているとの説もあり、そうすると昔かかったことのある人は抗体が存在するということになります。しかし疑問なのはインフルエンザの抗体は終生免疫ではなくたかだか数ヶ月しか持続しないというので、その「大昔罹患説」も怪しいものです? たぶんお年よりはあまり外に出ないからというのが本当かもしれません。でも足腰のためには散歩はかかさないように。
幼児、学童を中心に新型インフルエンザが蔓延、大流行しています。7月の夏場からずっと流行していますので今年のシーズンはついに切れ目なく流行し続けていることになります。それにしても10月までのA型インフルエンザ陽性ならば、この時期には季節性が流行しないことから新型にほぼ間違いないと言えました。しかしもう季節性インフルエンザも混在してきていますのでA型=新型ではないようです。どうやら1~2割くらいは季節性インフルエンザのようです。となると夏に罹患してまた秋から冬に罹患する人もいることになります。毎日「綿棒鼻ほじり」で大変。
いや~も頭が混乱しています。クリニックでは現在、季節性インフルエンザワクチン接種と特定健診と、そして特定健診のj結果説明などを通常診療と同時に行なっています。これで新型インフルエンザワクチン接種もはじまりますので、業務が混乱いたします。特に大変なのは予約を受ける段階で、子供の場合0.2ml、0.3mlそして13歳以上は0.5mlの3種類あるので、うまく予約日をあわせないと余剰薬液が発生して破棄することになります。ただでさえ品薄なのですから0.1mlでも捨てないようにしたいものです。