ちなみに過去の例ですが、子宮頸がんワクチン接種で一時期、重大な副反応が起こったとかなり問題になりました。今では種々の追試研究でワクチンと有害事象は関連がないと結論付けられていますが、当時はワクチン被害者団体が「ワクチン接種撲滅」の運動を展開していました。当時の厚労省もそのため子宮頸がんワクチン接種の積極勧奨はしなくなりました。そしてそれから接種される年代の女性がガクンと減り、その時期に打たなかった女性の子宮頸がんによる死亡率は数年以上もの間、先進国の中で日本が一番高い状況になりました。
その間、もしワクチンを打っていたら、そのかなり多く亡くなられた若い女性は助かったかもしれません。重篤な副反応を起こした個々の事例を見て社会全体を抑制させるのがよいのか、重篤な副反応を併発した個々の事例には手厚い補償をし、より多くの人の健康を守るワクチン行政をすすめたほうがよいのか、これはなかなか議論のある所でしょう。
その間、もしワクチンを打っていたら、そのかなり多く亡くなられた若い女性は助かったかもしれません。重篤な副反応を起こした個々の事例を見て社会全体を抑制させるのがよいのか、重篤な副反応を併発した個々の事例には手厚い補償をし、より多くの人の健康を守るワクチン行政をすすめたほうがよいのか、これはなかなか議論のある所でしょう。