吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

マシュマロ喉に詰まり重体 沖縄・石垣の学童クラブ その3

2024年05月21日 06時35分00秒 | 日記
 居合わせた人が心肺蘇生などに参加し救命できた事例では消防組織から表彰されることがよくあります。表彰されることは素晴らしいことと思われます。ただ今だに残念なことにその表彰の文言の中に「応急救護に携わった『勇気』を称え・・・」という言葉が入ることがあります。これはいまだに消防組織が古い体質から抜けきれない証拠です。このような文言が流布されれば「ああやはりこのような応急手当をするには勇気が必要なんだな」(自分には勇気がないからできないのかな)と何も知らない人は誤解して講習参加に尻込みします。応急手当講習はあくまで傷病者の状況を見ながら一連の手順を「型の如く」すすめるものであり、そこには勇気とかを必要とさせないように教えるのが重要です。そのため「救命のために行われた行為はその結果の如何にかかわらず法的に問われることはない」という法的擁護があるくらいです。この「勇気」という言葉で現場で手当てを行う人のハードルを上げているかもしれないことはとても残念です。