牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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和歌と俳句、狂歌と川柳、みんな合わせて何と呼ぶ?

2017-07-05 12:42:47 | 新川大神宮と新川
                           
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十把一からげ」ではありませんが、色々なものを「まとめて」呼ぶ際の言葉(総称)ってありますよね。



例えば、夜の街の呼び込みでの「社長!」とか、飲み屋の主人への「大将!」という呼びかけ。





同じ飲み屋系でも、女性店員さんにちょっかいを出すとき、必ず「お嬢さん!」という方もいらっしゃいます。



お酒の場合、日本酒と焼酎はまとめて「和酒」ですし、お酒一般は「酒類」となります(そのままですね)。


そんな「まとめた呼び方」で、この前悩んだのは、


和歌と俳句をまとめて何と呼ぶのか(ついでに言えば狂歌や川柳も)」




ネット上の質問板でも出ていましたが、簡単かつみんなが納得するような答えはないようです。


俳諧」かなとも思いましたが、ちょっとニュアンスが違うようです。

「詩歌」とか「韻文」とかも総称としてはあり得るらしいですが、これらは意味が広く、短歌や俳句以外のジャンル(長歌、自由詩等)も入ってしまうらしい。

ピンポイント的には「短詩形文学」というらしいのですが、ちょっと「よそよそしい」表現ですよね。





で、なぜこんなことを、というと、今、新川を題材にしたこれら和歌や俳句(というより狂歌や川柳)を整理しているところ。


これらをまとめたページなどを作る際、「○○館」とかにしたいと思って、良い言葉を探しているんです。


見つからない中、とりあえず、川柳をちょっと並べてみましょう。


この前頂戴した「東京酒問屋沿革史」に「川柳江戸砂子より」として、5句ばかり出ていました。


新川は上戸の建てた蔵ばかり

新川の菰っかぶりは蔵住ひ

新川へ来るのでお寺名高し

新川と号し番頭深い川

新川へ玉川を割る安い酒



意味はそれぞれですが、最初と最後だけ読み解いてみましょう。


「新川は上戸の建てた蔵ばかり」

「上戸」は「酒飲み」ですから、当時新川に並んでいた(立派な)蔵は皆、酒飲みがお酒を飲んだお金が回って建てられた、という「ニシン御殿」的なものでしょうか。

そのココロとしては、3つほど考えられます。


①世の中の人が「人が飲んだお酒で建てやがって」と酒問屋と酒飲みを揶揄する

②上戸・下戸の言い争いと考え、上戸が「下戸には蔵なんて建てられないだろう」と揶揄している


などが考えられます。さらに、もっと単純に読むと

③新川の蔵は皆酒問屋の蔵で、酒問屋の主人は商売柄上戸だろうから、「上戸の建てた蔵」

となりますが、これはあまりにも「ひねり」がありませんね。

自分的には①の解釈かなぁ。。。




「新川へ玉川を割る安い酒」

これは当時の商習慣が分からないと厳しいかも。
当時、江戸に下った上方からの「下り酒」は、そのまま売られたのではなく、酒問屋で複数の樽が調合されたり、割水をして(=水を加えて)売られていました。
江戸の水道と言えば、玉川上水で、その時の割水を「玉川」と詠み込んだのでしょう。
要は、水で薄めすぎた「安かろう、まずかろう」という酒を揶揄した川柳ですね。


余談ですが、「白鷹」はそうした割水に際し、「薄めても不味くならない酒」としてその名が高まったと言われています。

最後は白鷹小ネタ、でした。



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