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ちょっとしたひっかけ問題かもしれません。
サッポロビールさんのニュースリリースで「北海道産のビール大麦を風味や泡の劣化を抑える新品種『きたのほし』に切り替え」というのがありました。
目指せ!北の星
以前ご紹介した、長持ちする泡へ、という流れの一環と思われますが、リリースの限りでは、北海道での(契約)栽培分5,000トンの「全量」を切り替えと読めます。
全量って結構な量というか、いきなり全部切り替えって大変だなぁ、と思いつつ、そもそもビール大麦(二条大麦ですね)の流通ってどうなっているのか、とちょっと勉強してみた。
上の図は、六条大麦とかも含めた大麦全体の流通経路を農水省の資料としてまとめられているものですが、これを見ると、国内での(契約)栽培が5万トン、これに輸入分が3万トンで、合わせた8万トンがビールメーカーでの原料となっている、というように見えます。
この限りでは国内シェアが6割以上、とも読めるのですが、おぼろげな記憶では「多くを海外に頼っている」はずで、話が違う。
そこで他の情報を探してみると、ちょうど上の図の出ていた資料の別の部分に統計表がありました。
これを見ると、国内生産が4.9万トンというのは上の図と辻褄はあっていますが、これに対し輸入量(麦芽ベース)は52.5万トンと国内の十倍以上の数字となっています。
他の情報を当たってみると、どうもこの「麦芽量ベース」というのがミソで、ビール大麦としては3万トン分ですが、ビール大麦麦芽としては52.5万トン(大麦-麦芽の換算が0.85とありますから、割り戻すと62万トン)ある、すなわち「麦芽」の形で輸入されている、ということになります。
確かに使うのが麦芽なら、精麦を海の向こうでやった方が輸送量も減るし、ですが、統計には影響が出てきちゃいますよね。
今回も、上のフロー図だけ見ていたら、「なんと!国内シェアは6割以上」とガセネタを拡散しちゃうところでした。
ああ、怖い。
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