牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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精米歩合90%の酒

2007-09-14 15:02:38 | 酒の情報(酒エトセトラ)
商売柄、デパートで試飲会とかを見ると、つい足を止めてしまいます。
最近、続けざまに出会ったのが、タイトルにもある、精米歩合の低いお酒。

ここで「低い」というのはあまり精米していない、という意味です。
(敢えて定義するのは、逆に捉える場合も多々あるから。私はこれでイメージしてます)
吟醸酒は60%以下、大吟醸は50%以下の精米歩合で、最近では30%台を売りにするものも少なくありません。
これに対し、精米歩合の「低い」お酒は80~90%とか。
どれも「精米技術の低かった昔の味を現代の技術で再現」的なアピールをしています。
さて、実際のお味は、、、

3回ほど機会があったのですが、それぞれ。
(結果的に悪口なので、銘柄は伏せます)

A:純米吟醸・速醸
 この蔵のレギュラーの酒は淡麗辛口。この酒に関しては、濃醇辛口に仕上がっている。雑味というより渋みが強い。堅焼の煎餅をかじった後のような余韻。ボーっと飲むのには面白いかもしれないが、300ml瓶でももてあますかも。

B:純米・速醸
 一般に、精米歩合が低いと「雑味が出る」と言われるのですが、その見本のようなお酒。また、もとのお酒が酸と甘みが強いのでしょうか。それを避けようと加水を多くしたのか、度数も低く、酸は和らいでいるものの、薄甘味と、和らいでいない雑味。これはこの蔵全体の問題かもしれないが、厳しい。商品として出してよいのだろうか?

C:純米・生もと
 この蔵のメインが生もと造りかどうかを聞くのを忘れたので定かではないが、「昔の製法(生もと造り)を」という話があったので、精米歩合90%に併せて採用したのかもしれない。濃醇甘口、度数も高め。ガツンとくる感じで、そう飲めないが、「昔」イメージには合致。おみやげ物として売れそう?


ものすごく精米した(例えば15%とか)お酒とか、全然知らない酵母とか、技術開発(あるいは蔵元の遊び心)という分野での商品だとは思うのですが、その中では少し筋悪かもしれません。
正直、広くいろんな蔵元が試す、というものではないでしょう。

確かなことは、現代の酒はうまい、ということでしょうか。


升本総本店
http://e-masumoto.com/default.aspx


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